重力波観測の米3氏にノーベル物理学賞
10/3(火) 19:00配信 産経新聞
スウェーデン王立科学アカデミーは3日、2017年のノーベル物理学賞を、世界で初めて重力波の検出に成功した米国の3氏に授与すると発表した。物理学の重大問題だった重力波の存在を実証し、新たな天文学に道を開いた功績が評価された。
重力波は重い天体などが移動するときに、その重力の影響で生じた空間のゆがみが、さざ波のように周囲へ伝わっていく現象。アインシュタインが相対性理論で百年前にその存在を予言したが、直接観測されていなかった。
米国にある観測施設「LIGO(ライゴ)」の国際チームは昨年2月、重力波を初めて検出したと発表し、世界的な大発見となった。13億年前のブラックホール同士の衝突で生じた重力波を米国の2カ所にある観測施設で2015年9月に捉えた。
重力波の検出は相対性理論の正しさを改めて裏付けたほか、目に見えないブラックホールを捉える新たな天文学を切り開いた。
授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計900万スウェーデンクローナ(約1億2500万円)が贈られる。