流星ワールドアクター終了です。
ボリュウームはかなりありましたが、世界観が良く、キャラ、やり取り、テンポ、テキスト、ＣＧ、音楽等いずれも申し分なく、加えて快適なシステムのお陰でスイスイ進みました。
ヒロインは４人、シフォン、メル、小町の３人攻略後にメインのクラリスが開放されますが、その都度スタート画面に攻略したヒロインが出現する仕組みです。
攻略順は誰からでも問題ないと思います。私は
シフォン
小町
メル
クラリス
の順でしたが、一人攻略すると次のルートでは、主人公のルカがさりげなく前ルートでのヒロインとのエピソードを語りかけてくるのには驚きました。多分どのルートからでも同様になるように作られているのでしょう。また、ところどころで思わずクスッと笑ってしまうようなパロデイも含めて、サービス精神旺盛というかプレイヤーを惹き付ける工夫がなんとも心憎いですね。
もちろん広げた風呂敷を畳まないパターンもしっかり踏襲されています(笑)。でも今回はあまり気にはなりませんでした。多少の消化不良は残ったものの、それもごく僅か。先に書いた通り、面白くて止め時が見つからず、ついつい夜更かししてしまうほどですからね。
すべてを攻略するとエピローグが加わるのですが、グランドルートとは全く関係のないただのおまけ。ですがなかなか洒落たタイトルで、その名も「男たちの憂鬱」。
精々10分程度とはいえ最後のアガリ（お茶）みたいな存在です。だから消化不良もいつの間にか、有耶無耶にされたまま、飲み込んでしまうんですね。しかもさりげなくそのお茶には次回予告まで入っていました。
もともと私は、このライターで結構痛い目に会っています。暁の護衛 トリニティ コンプリートエディションでは、実にテンポよく進み、２部まではハラハラドキドキの連続で、いよいよ待望の完結編、最大の山場を迎えましたが・・・
え？
これ、なに？
まさか？これで・・・終わり？？
結末は・・・
あまりにもあっけない幕切れにただただ唖然とするばかり。おまけに矛盾だらけの、継ぎはぎだらけ。期待に膨らんだ風船が一気にしぼんでしまいました。なんという脱力感、それが一度ならず、二度までも・・・
今回もやるものがなく、たまたま思った以上に安価だったので、購入した結果、期待を見事に裏切ってくれたというわけです。まるでクレイグ・ライスの大あたり殺人事件みたいな・・・いや、このネタは無理がありますかね。（ついでにいえば大はずれ殺人事件もあり、読まれるならセットでどうぞ。およそ70～80年も昔に書かれたものとは思えないくらいユーモアタップリのミステリもので、酔いどれ弁護士マローンシリーズの一つです）
思いっ切り脱線しましたね。このライターの衣笠氏が意図して書いているのかどうか不明ですが、いつも尻切れトンボ。１話では完結できず、次回まで引っ張るタイプです。展開は抜群ですが、整理整頓が苦手らしく、出しっぱなしでそのまま終わってしまうこともしばしば。よく言えばストーリーテラー ですが、悪くいえば中途半端の未完成のまま。決まってこの点を酷評されるのもいつも通り。
ラノベならともかく、エロゲのフルプライスは１万円前後。決して安いものではないですからね。（だから私は中古しか買わないんですけどね）
今回ももちろんそうです。他の多くの方の感想を読めばわかる通り、物語としては不十分。オチがなく、ただ次回も乞うご期待で引っ張って終わり。
でもそれ以上に面白かった。何十時間も夢中にさせてくれるゲームなんてそうそうありませんしね。まあ未完の物語なんて世の中にはいくらでもあります。漱石の明暗もそうなら、上のクレイグ・ライスもそうです。急死したライスに変わって、この続きを書いたのが、エド・マクベイン。エイプリル・ロビン殺人事件という長編のユーモアミステリです。
またまた脱線しましたね。クレイグ・ライスが好きな作家の一人だからなのですが、それはともかく私には最高のコスパでした。
大きな声では言えませんが（小さな声でも文章にすれば同じですが）ほぼ定価の1/3程度。これはもう大当たりとしかいえませんよね。さらに完結までこの衣笠先生に求めるなんて、欲張り過ぎというものです。
因みに広げられた風呂敷の中身の一つで、怪獣デルーガを操る宇宙侵略者、今回は全く触れられていませんが、次回のメインになるはずです、普通なら。でも衣笠大先生ですからね。異世界人のことさえきれいさっぱり無くなっている可能性も十分考えられます（爆笑）
次回は・・・気が向いたら、というスタンスにしておきましょう。もちろん安ければ、という文言は当然ついています(笑)
そうそう、今回は実質￥500でした。（￥3,300で購入、￥2,800で売却）
