エロゲはやっぱり中古が一番

真・恋姫†夢想 劉旗の大望 感想

エロゲ、一ヶ月ぶりの更新ですか。去年の今頃は、仕事そっちのけでプレイしていたんですが、今年はチェックするような新作は神様のような君へ(20/3/27 CUBE)以外にはなさそうですし、ちょっぴり残念です。

さて劉旗の大望、ようやくクリアです。といっても、幕間の寸劇はほとんど後回し。はじめの間は様々なエピソードで、それぞれのキャラの人となりを知ることができるのですが、あまりにも多すぎてなかなかメインルートが進めないので、途中からカットしました。
攻略できるのは新キャラ含めて34人。その分エピソードがあり、ボリュームは物凄いのですが、ただ以前のシリーズのように、本筋では語られなかったその後に繋がるストーリーよりも、まったく関係のない話が多くて、水を差されたような気分になってしまったのも事実です。いうなればFD(ファンデスク)のミニチュア版みたいなもの。好みのキャラだけやっていれば十分な気がします。でないと肝心の本筋が、どこまで進んだのかわからなくなってしまいそうです。ただ「霊帝・献帝・趙忠」編だけは最後までやった方がいいかもしれません。

前二作に比べると評価は低いようですが、その大半は主人公の立ち位置でした。劉備と被ってしまい影が薄くてつまらなかったという批評なんですが、私にはそんな感じはなかったですね。主人公の一刀は分け隔てなく人々に接し、まるで車のオイルのように、人と人の繋がりを円滑にさせる潤滑油としてなくてはならない存在です。
劉備・桃香は没落した豪族の娘というだけで、蒼天の覇王・曹操や孫呉の血脈の孫堅や孫策のような力や統率力に秀でたヒロインとは違います。もともと黄巾党に襲われたところを関羽・愛紗と張飛・鈴々に助けられ、義兄弟の契りを結ぶのですが、そこに空から落ちてきた主人公の北郷一刀が加わります。

まずはあちこちで略奪を繰り広げる黄巾党から村を救うことからはじめ、道中で加わった新キャラの助けを得て、やがて黄巾党の党首を突き止めます。黄巾党の頭領はご存知の三姉妹。二度と悪さをしないとの誓約を取り付けた一刀や桃香は遠くの地へ逃がすことにします。それ以降は蒼天の覇王で語られることになります。
桃香には戦う力も策謀をめぐらす知力もありません。あるのはどんな立場の相手でも真摯に向き合い、目線を合わせてより良い道を探るひたむきさとひたすら争いのない世界を目指す強い信念のみ。それが最初の主人公を含めた4人から、各地の猛将・知将を魅了し、敵味方関係なく膨大な数に膨れ上がり、ついには蜀という国を作り上げることになるのです。
多くのすぐれた人材が集まってくれば要職をそれぞれの専門家に任せられます。適材適所に人を配置することで、見事難局を乗り切っていけるのです。一人で出来ることは限られたものでも、多数の力が合わされば大きな力になるのも自然の理。あとは上手くまとめられるかどうかです。
三人寄れば文殊の知恵、五人にふえれば仏様、7人ならば侍で、十人集まりゃ大げんか、トップの舵取りで全てが決まります。
ズラッと二十人も要職を揃えながら、まるで機能するには程遠く、一歩進む間に三歩は下がる荒唐無稽のどこぞの国なんてその典型です。花見一つに数千万円を惜しげもなく使う元首のもとに集まるといえば、せいぜい順番待ちや金の力で選ばれた有象無象の大臣か寝首をかこうと狙っている連中くらいなものです。汚職や賄賂に現を抜かし、役人はその顔色を窺いながらひたすら保身のみ、血税を湯水のごとく使い、ヤバくなれば隠蔽工作や口封じに専念、いざとなればサッサと雲隠れ。危機感なんてまるでない没落前の後漢がまさにそれ。
奢れる人も久しからず 、ただ春の夜の夢のごとし。

方々の州牧が手を組み、漢を牛耳った董卓を滅ぼすために袁紹を筆頭に曹操や孫堅・孫策などがこぞって参加しました。反逆者の討伐という旗印の名のもとに、国王という支配者の後釜に座るためです。
劉備も加わるのですが、混乱を招いた董卓を滅ぼすためではなく囚われた天子を救出するためでした。
果たしてその結果は?


それを潮に、歴史は大きく動き始めます。この大陸制覇の道を歩み始めた曹操は、桃香に軍門に下るように迫ります。従うなら曹操が争いのない世界を作ってみせる、と。従わなければ滅ぼすとはっきり宣戦布告しました。曹操はすでに見抜いていたのです。この大陸を治めることが出来るのは、自分以外には桃香しかいないと。
しかし武力で全てを押え込むやり方に賛同できない桃香は、降伏ではなく逃亡を選択します。そこには自軍だけでなく、多くの民・百姓も桃香についていくというのです。10万の軍勢が20万以上の大集団になり、退却速度が極端に落ちる一方、非情な追撃をかける曹操。理想とする世を実現するために必死でもがき続ける桃香、前半の山場をむかえます。

長坂(ちょうはん)の戦いとして有名ですが、ここで殿(しんがり)を務めた張飛の活躍で大きな被害を負いながらも無事に逃げおおせた桃香は、結局は自分も戦いを広げているだけではないのか、との葛藤を抱えながらも、曹操に対抗するには自分の国が必要だと決意します。そして蜀を築くことになるのですが、戦乱で荒廃した土地を収め、流民を募って集団で入植させ、耕作にあたらせた上で現物で租税を納めさせることで国力を挙げた曹操の屯田制を桃香も取りいれ国の安定を図ります。
そこから先も色々あるのですが、それは是非とも本番で体験してください。最終作に相応しいボリュームと内容です。
一本道とはいえ、最初に挙げた幕間の寸劇が、変化をつけて一度に何話ものエピソードを楽しめます。背景は必ずしもいいものばかりとはいえませんが、立ち絵は表情が豊かですし、なによりもサウンドがいいですね。キャラのやり取りだけでなく、静と動のコントラストあるシナリオはとても読み応えがあります。前半の山場からしばらくは安定のための国造り、そしていよいよとなったら一気に最・終・結・戦!壮絶な戦いが待っています。孫呉の血脈で話題になった黄蓋のあのシーンもしっかりと再現されていますよ。もちろんメインは蜀ですが・・・。
システムも従来通り使いやすいのですが、あまりにも多機能過ぎて、ひょっとしたら後で「え?、こんなこともできるの・・・」なんて驚くかもしれません。どうせならコンティニュー 機能は欲しかったですね。ここまでの技術があるなら何の問題もなかったはずなんですが、大人の事情でもあったのかな?

本編が終わると外史が追加されます。漢女編と「桃香の戦い」の2編です。
漢女はキモイ寸劇だけでなく、ちょっとしたおまけが最後に出てきます。蒼天の覇王のラストシーンが思い浮かぶことになるでしょう。
一方「桃香の戦い」はifストーリーとはいえ、最後の最後にとんでもない結末が待っています。何も知らなければ、最高のラストシーンとさえ思えるこのシリーズの締めくくりにふさわしいものでした。

これだけのボリュームでこの価格(20/2/23現在 トレーダー)はお買い得。
タップリ遊べるエロゲの上位ランクイン!間違いなしです。




PVアクセスランキング にほんブログ村


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

最近の「PCゲーム」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事