住職がお手伝いさせて頂いているシャンティ国際ボランティア会(SVA)から、
タイ国内で起きている現在の緊張状態に深く憂慮し、
政府、反政府の双方に平和的な交渉の席に着くよう求める声明文が出されました。
以下、送られてきたメールを転載いたします。
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【SVA NEWS】臨時号
タイ政府の武力によるデモの強制排除に対する声明
社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)
2010年5月18日
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本声明の印刷用PDFデータ▽
http://sva.or.jp/images/thai20100518.pdf
本声明の掲載ホームページ▽
http://sva.or.jp/announce/announce20100518962.html
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タイでは、今年3月中旬から親タクシン派UDD(反独裁民主同盟)による
「現国会の解散」を求めるデモが始まり、現在もバンコク市内中心部のビジネ
ス街を占拠して抗議行動が続いています。これに対してアピシット政権は、
妥協案としてUDD側に提起した11月14日の総選挙実施を柱とするロードマ
ップが期限内に充分受け入れられなかったことから、UDDに「テロリスト」
が紛れ込んでいるということを理由に、5月13日から治安部隊による武力行使
をはじめ、デモの強制排除を続けています。
しかし、それが原因でデモ隊が一部暴徒化し、5月17日現在で37人の死者、
250人以上の負傷者が出ています。それまでの被害者を合わせると、死者は
邦人記者の村本博之さんを含めて65人を超え、負傷者は外国人を含めて
1000人以上に及ぶ大惨事となっています。
ご承知の通り、タイでは4万人を超える邦人が滞在し、数千の企業やNGO
も活動しています。また、年間100万人を超える旅行者が現地を訪れ、日本と
タイとは深い友好関係にあります。
私たちは、現在バンコクで起こっている状況を深く憂慮し、今回タイ政府
が取っている武力によるUDDデモの強制排除に強く反対します。タイ政府
による武力行使が開始されて以降、UDDによる抗議行動はそれまで以上に
先鋭化し、バンコク市内をはじめ東北・北部の県外各地で広がりつつあるこ
とから、武力による鎮圧は、むしろ事態をさらに悪化させ、被害が益々拡大
することが予測されます。
これ以上の混乱を避け、一人の犠牲者もださないために、タイ政府が、武
力によるデモの強制排除を即時停止し、人権に配慮して再度UDDとの和平
交渉を試みることを強く求めます。また、UDD側も抗戦を即時停止し、再
度タイ政府側との対話を試み、平和的手段で政府との交渉を再開することを
希求します。
私たちは、タイが、こうした状態から一刻も早く抜け出すことを願います。
社団法人シャンティ国際ボランティア会
会長 若林恭英
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社団法人 シャンティ国際ボランティア会(SVA)
〒160-0015 東京都新宿区大京町31 慈母会館2・3F
TEL 03-5360-1233 / FAX 03-5360-1220
URL http://www.sva.or.jp
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バンコクの日本人学校が休校したり、デモ隊が占拠する地域内の日系企業は、別の地域のホテルに仮オフィスを設けたり、他支店に仕事を振り分けたりして当座をしのいでいるそうですが、長期化すればさらに影響が出るのは必至です。
微笑みの国、とも称されるタイ。一刻も早く、温かな微笑みがあふれる国に戻ってほしいものです。
5月19日12時追記
治安部隊がデモ隊の強制排除を開始したというニュースが入ってきました。
装甲車を使ってバリケードを破り、デモ隊がいるショッピングセンターに近づいているとのこと。
ニュース画像では、銃を撃ち内戦の様相を呈しています。これ以上犠牲者が出ないことを祈るばかりです。
冒頭の花はカンパニュラ。その花言葉は「感謝」「誠実」だそうです。
タイの国がもとのように感謝や誠実にあふれ、あらゆるものに微笑みが戻りますよう願っています。
今日はここまで。