好きなことをできる喜び かみしめ日記

夢を叶えるためには、もっと死にもの狂いにならなきゃね。
と自分に言い聞かせている LEEの徒然日記

死の泉

2020-06-08 20:55:59 | 小説

皆川博子の「死の泉」読み終わりました。やっとね。

どうやらわたしは2001年に舞台を観ていたようなのですが、その時にロビーで販売していた原作を買わずに帰って来て、それをずっと後悔していたのですが、あの時買わなくて正解でした。

これは、あの頃のわたしじゃなくて、今のわたしが読むのにちょうどいい小説だったようです。

おそらくあの頃のわたしの持っていた知識では、ここまで面白く感じなかったんじゃないかな。

あ、舞台は舞台でちゃんと楽しんだんですけどね。

 

第二次世界大戦中から戦後のドイツが舞台です。

細かい説明とかは結構省かれてて、いろいろ知っていること前提に話が進んでいきます。

そういう部分でね、挫折しちゃう人いるかもなー。って感じです。2001年のわたしも、挫折するか、疲れるけど読んでしまわないと。とか思って読んでそうです。

難しいところは無しにして、取り敢えず、クラウス・ヴィッセルマンの話の通じなさ、自分勝ってさ、傲慢さに腹が立ってしかたなかった。

わざとなん? ほんまにわかってないの? どっち? って、イライラした。

暴力的なところもすごく嫌でしたね。

 

ネタバレになるんですが、この小説、皆川博子作なんですけど、ギュンター・フォン・フェルステンブルクっていう架空の作家が書いたものを野上晶っていう架空の人が翻訳した。っていうところまでが作品なんです。これがねー、最後に効いてくるんですよ。野上晶のあとがきまであるからね。これでね「え?」ってなる。ほんと、最後の最後に「うわー」って思わせてくれる。

こういう書き方をしている作品に出会ったのは初めてで、新鮮でしたね。

 

エンターテインメントなんだと思います。

でも、本当のことでもあるんです。

(まあ、小説ってすべてがそうだとも言えるんやろうけど)

すごく入り込んじゃうから、全部本当のことに思えてしまう。

戦争がどれだけ酷いもので、人がどれだけ残酷な生き物か、改めて思い知らされる。

 

難しい話やしけど、沢山の人に読んでほしいな。

で、こんな人間は存在してほしくない。

戦争は何があってもやるべきじゃない。って、心の底から思える人たちだけで世界が構築される日が来ることを切に願います。

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