月がひとつの世界

2009-08-15 08:43:08 | ヘルパーのお仕事
週に二回 知的障害者のグループホームでお手伝いをしているわけだが
ここの所 入居者さんの間でトラブルがあった

Yちゃんはとても素直で 皆にいつもありがとうと言ってくれる
私たちも彼女に癒される気がして ついかわいがるのだが
それを見ていた感情を抑えにくい特質をもっているOさんが
やきもちを焼き始めたのだった
スタッフの前では行動にでなくても Yちゃんと二人になると
ついつい手を引っかいたりして うさを晴らをするようになった
誰もその現場にいあわせたわけではないが 状況から見て
OさんがYちゃんに何かをしていることは間違いがないようだった
もとよりOさんはYちゃんのことだけでなくても
寂しさや甘えられない性格もあって 
人を批判したりすることで 心の不満を埋めることが多かったのだ

とはいえ Yちゃんには身の覚えのないことだ
それでも 何の不平を言わないでだまっているYちゃんのことが
私は ちょっと心配になった
ある朝二人になった時に それとなくYちゃんに尋ねてみた
誰がやったのかを聞くのは あまりにえげつないので
「何かいやなことがあったり いいたいことがあれば
私にだけは 何でも言っていいんだよ」と話した
なんかつらいことない?と聞いても 彼女はにこにことうなずくばかりだった

しばらくそんな状態が続いたが OさんがYちゃんだけでなく
スタッフにもかなり感情的に当たるようになって
ご家族とスタッフ責任者とOさんで面接が行われて
いろいろな話を重ねた結果 Oさんにも納得できたらしく
その日から ひどい感情の揺れは収まっていった

そしてある朝 私がホームにつくなり 何のあいさつもなくYちゃんが
「Oさん いなくなったよ いなくなったよ」と私に話しかけてきた
その場には実際 Oさんもいたし ほかのスタッフもいて
「Yちゃん Oさんは目の前にいるじゃない 気持ち悪いこといわないでよ」
と すこし不思議がりながらも 笑って話したのだった
私も あれ?変なこというなと思ったけれど
もしかしたら 意地悪するOさんがいなくなったという意味かな 
とも考えたのだった

その後二人になった時にYちゃんに 二人のOさんがいるの?と尋ねたけれど
相変わらず にこにこするだけで 何の返事もしてくれなかった

OさんYちゃん ともに30代半ば・・・
それぞれに背負っている障害とともに 
いろいろな思いをそれなりに抱えて暮らしている

私のホームでの掃除が終わるころ みんなはそれぞれ作業所などに行き
Yちゃんと二人になる時間を待って 二人のコーヒータイムを作る
オソウジスルッテイイデスネ コーヒーノムッテイイデスネ
ウタウタウッテイイデスネ ガマンスルッテイイデスネ
と 繰り返しの会話?に相槌を打ちながら 彼女の心と遊んでいる

本当に私は Yちゃんの素直さおおらかさに 心が洗われる気がしている




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