みかんがとても素敵に見えたのは、段ボール箱の中で詰め詰め状態のみかんの奥でカビにまみれた、みかんを数個見つけた時だった。この数個は、とても多くのカビに包まれ、もう捨てられるしかない状態だった。そして気になった事が一つ。このみかんは英雄なのかもと思った。他のみかんには何もカビの影響を受けて無いんだ。みかんの木は、とてもやさしく暖かい日差しを、そんまま、みかんの実に届けて果実になる。果実に近づいたみかんは、自分の生き方を見つけては、実る前に旅に出るみかんが出て来る。誰からも喜ばれるみかんもあれば、少し見た目が良くないみかんもあるのが現実。みかんの優劣は見た目だと誰からも教えてもらってないけど、何となく分かっってる。中身は、同じみかんだけど、何かが、みかんを同じじゃ無くしていた。ただ諦めないのが、みかんの気持ちで、形を変えれば、ジュースにも、ゼリーにも、みかん缶にも、何でもなれる。みかんは、無口な地球の気持ちの果実かもしれない。とても静かな果実なのかも。
2022/1/1発行 詩集「みかんの むくちな きもち」から