両リーグの覇者が誇りと意地をぶつけあい、もつれにもつれた日本シリーズも、ついに決着の時が来ました。最終戦も点差こそついたとはいえ、9回裏までどうなるか分からない、まさに白熱した試合でした。プロ野球にとっては重苦しい1年でしたが、最後の最後に輝かしいシリーズを見ることができたことに、心から感謝したいと思います。
(なお、今回もイラストはずたたんさんのフリー画像よりお借りしました。シリーズを通じて本当にありがとうございました!)
さて、両チーム共にあと1勝で日本一で迎えた第7戦。ドラゴンズは先発3本柱の1人ドミンゴを立て、対するライオンズは第1戦で好投した石井貴を擁して臨みます。
まずチャンスを作ったのはドラゴンズでした。2回裏、1死からリナレスがフォアボールで歩くと、谷繁が放った当たりは石井貴の足を直撃。何とか打者走者はアウトにするものの、打球を当てた石井貴は一時ベンチに下がる事態となります。ただ幸い打撲で済んだようで、ほどなく試合再開となりますが、2死2塁でバッターにこのシリーズ1番の元気者井上を迎えることになります。
しかし、ここで2塁のリナレスがなんと牽制アウト。ドラゴンズは絶好の先制機を逃してしまい、流れをつかめません。
その直後の3回表、ライオンズは先頭の中島がライトへのヒットで出塁します。中島は細川の内野ゴロで進塁し、1死2塁で続くバッターはピッチャーの石井貴。普段打席に立たないパのピッチャーだけに、ここはドミンゴが三球三振に仕留めたかと思いきや、3球目がまさかのボーク。投球前に静止していなかったのが理由だそうです。ただ、結局その後石井貴はセカンドゴロに打ち取られ、3塁ランナーは動けず2死3塁。
次の佐藤はドミンゴの直球に対して粘りに粘り、10球目でようやくフェアゾーンにゴロを放ちます。ところが、ピッチャー横への打球はドミンゴのグラブにはじかれ方向が変わり、1,2塁間を転々とします。セカンド荒木が何とか抑えてファーストに送球しますが、佐藤の足のほうが速くセーフ。この間に3塁ランナーが還り、ライオンズが貴重な先制点を挙げます。
さらに赤田がヒットで続き、2死1,2塁で打者フェルナンデスは2球目真ん中に入ったストレートをセンター前に運び、これで佐藤が還って2点目。ここでフェルナンデスが1,2塁間に挟まれますが、挟殺プレー中に井端は3塁ランナーが目に入ったか、送球の手元が狂いフェルナンデスのヘルメットに当ててしまいます。ボールが点々とする間に赤田もホームインし、これで3-0とします。
なおも2死2塁というピンチで落合監督はドミンゴを諦め、2番手に第4戦の先発で好投した山井を送ります。ところがこれが裏目に出ました。続く4番カブレラは低めのボールをライオンズファンの陣取るレフトスタンドに叩き込み、さらに2点を加えられてしまいます。山井はこの後をこそ抑えますが、5点差がドラゴンズに重くのしかかります。
しかし大量リードを許したとはいえまだ序盤。逆転も不可能ではありません。ですが、4回には2塁打とフォアボールで2死1,2塁とするも、リナレスが倒れ得点ならず。5回には井上の2塁打と英智の送りバントで2死3塁としますが、代打森野が空振り三振と、あと一本がどうしても出ません。
逆に、ライオンズは6回表、ヒットで出塁した赤田が盗塁と谷繁の悪送球で3塁まで進むと、フェルナンデスのタイムリーで1点を加え6-0。12球団でも随一のドラゴンズ守備陣が、この日はなぜか乱れてしまいます。さらに7回表には平尾のソロアーチが飛び出し7-0。ナゴヤドームの空気は一挙に重苦しさを増していきます。
一方、7点のリードがあるとはいえ万全の体制で勝利を目指すライオンズは継投で逃げ切りを図ります。7回には石井貴に代えて2番手に長田を投入。第3戦では谷繁にグランドスラムを打たれた長田でしたが、今回は1イニングを0点に抑えます。
すると8回に3番手で上がったのはなんと松坂!前日に8回134球を投げたにもかかわらず、お立ち台での言葉通りこの試合でも投げるというのです。その松坂は荒木に2塁打を許すと立浪を歩かせ2死1,2塁としますが、次のアレックスをレフトフライにしとめ、1イニングを0点で切り抜けます。
そして9回、マウンドにはもちろん豊田の祈りの姿がありました。ところが、後がないドラゴンズはここで最後の粘りを見せます。
まず先頭のリナレスが二遊間を破るヒットで出塁すると、谷繁が2塁打で続いて無死2,3塁。ここで打席に井上が入ると、やはりさすがはこの男、センター前に落ちるタイムリーヒットで待望の1点を奪います。まだ6点差あるとはいえ、ラッキーボーイの一打は奇跡を願うドラゴンズファンの熱気を一気に蘇らせ、ナゴヤドームは俄然盛り上がります。
ところが、この後の森はセカンドへの併殺打に倒れてしまいます。1点は追加したもののこれで2死走者なし。ここで代打に渡辺が起用されますが、初球を打ち上げてしまい万事休す。マウンドすぐ右へ上がった打球はカブレラと豊田の取り合いになりますが、結局はカブレラのグラブに収まりゲームセット!ライオンズが12年ぶりに日本一の栄誉を勝ち取りました!!
今回のシリーズはどちらが制してもおかしくないものでした。
ではなぜライオンズが勝者となったのか?理由はいくつもあるでしょうが、良くも悪くも若いチームがシーズンを通じて力をつけていったこと、またドラゴンズのような緻密さは感じないものの、短期決戦をフルセットで2度も勝ち抜いた自信と勢いがライオンズにはあったことが、日本一となった背景には存在しそうな気はします。
松井稼頭央がメジャーに行き、カブレラが試合に出られない状態から新人監督によって日本一になったライオンズ。来シーズンを考えると脅威以外の何ものでもありません。ですが、今はそういうことは言いっこなしでしょう。パ・リーグの強さを見せてくれたライオンズ、おめでとう!
また、敗れたとはいえ最後まで勝利への執念を見せ、セ・リーグの覇者として堂々と戦ったドラゴンズ、よくやった!
両チームの選手、監督、コーチ、裏方の皆さん、すばらしいシリーズをありがとう!!
そして…今シーズンの締めくくりに、どうしても言いたい一言があります。
これからは、パ・リーグです!
【告知】
さて、日本シリーズの結果により、「にわか杯日本シリーズ結果予想大会」は4勝3敗でライオンズと予想された方が的中となりました!
というわけで、的中された皆さんと上位3位の方々の表彰、さらに予想をいただいた中で「にわか日ハムファンのブログ」オーナーの私が勝手に選ぶ「オーナー特別賞」2名の発表と表彰の記事を、明日未明(遅くとも1:00)までにアップしたいと思います。
ですので、参加された皆さんも、参加されていない皆さんも、ぜひ明日の記事にご注目をお願いします!
(なお、今回もイラストはずたたんさんのフリー画像よりお借りしました。シリーズを通じて本当にありがとうございました!)
さて、両チーム共にあと1勝で日本一で迎えた第7戦。ドラゴンズは先発3本柱の1人ドミンゴを立て、対するライオンズは第1戦で好投した石井貴を擁して臨みます。
まずチャンスを作ったのはドラゴンズでした。2回裏、1死からリナレスがフォアボールで歩くと、谷繁が放った当たりは石井貴の足を直撃。何とか打者走者はアウトにするものの、打球を当てた石井貴は一時ベンチに下がる事態となります。ただ幸い打撲で済んだようで、ほどなく試合再開となりますが、2死2塁でバッターにこのシリーズ1番の元気者井上を迎えることになります。
しかし、ここで2塁のリナレスがなんと牽制アウト。ドラゴンズは絶好の先制機を逃してしまい、流れをつかめません。
その直後の3回表、ライオンズは先頭の中島がライトへのヒットで出塁します。中島は細川の内野ゴロで進塁し、1死2塁で続くバッターはピッチャーの石井貴。普段打席に立たないパのピッチャーだけに、ここはドミンゴが三球三振に仕留めたかと思いきや、3球目がまさかのボーク。投球前に静止していなかったのが理由だそうです。ただ、結局その後石井貴はセカンドゴロに打ち取られ、3塁ランナーは動けず2死3塁。
次の佐藤はドミンゴの直球に対して粘りに粘り、10球目でようやくフェアゾーンにゴロを放ちます。ところが、ピッチャー横への打球はドミンゴのグラブにはじかれ方向が変わり、1,2塁間を転々とします。セカンド荒木が何とか抑えてファーストに送球しますが、佐藤の足のほうが速くセーフ。この間に3塁ランナーが還り、ライオンズが貴重な先制点を挙げます。
さらに赤田がヒットで続き、2死1,2塁で打者フェルナンデスは2球目真ん中に入ったストレートをセンター前に運び、これで佐藤が還って2点目。ここでフェルナンデスが1,2塁間に挟まれますが、挟殺プレー中に井端は3塁ランナーが目に入ったか、送球の手元が狂いフェルナンデスのヘルメットに当ててしまいます。ボールが点々とする間に赤田もホームインし、これで3-0とします。
なおも2死2塁というピンチで落合監督はドミンゴを諦め、2番手に第4戦の先発で好投した山井を送ります。ところがこれが裏目に出ました。続く4番カブレラは低めのボールをライオンズファンの陣取るレフトスタンドに叩き込み、さらに2点を加えられてしまいます。山井はこの後をこそ抑えますが、5点差がドラゴンズに重くのしかかります。
しかし大量リードを許したとはいえまだ序盤。逆転も不可能ではありません。ですが、4回には2塁打とフォアボールで2死1,2塁とするも、リナレスが倒れ得点ならず。5回には井上の2塁打と英智の送りバントで2死3塁としますが、代打森野が空振り三振と、あと一本がどうしても出ません。
逆に、ライオンズは6回表、ヒットで出塁した赤田が盗塁と谷繁の悪送球で3塁まで進むと、フェルナンデスのタイムリーで1点を加え6-0。12球団でも随一のドラゴンズ守備陣が、この日はなぜか乱れてしまいます。さらに7回表には平尾のソロアーチが飛び出し7-0。ナゴヤドームの空気は一挙に重苦しさを増していきます。
一方、7点のリードがあるとはいえ万全の体制で勝利を目指すライオンズは継投で逃げ切りを図ります。7回には石井貴に代えて2番手に長田を投入。第3戦では谷繁にグランドスラムを打たれた長田でしたが、今回は1イニングを0点に抑えます。
すると8回に3番手で上がったのはなんと松坂!前日に8回134球を投げたにもかかわらず、お立ち台での言葉通りこの試合でも投げるというのです。その松坂は荒木に2塁打を許すと立浪を歩かせ2死1,2塁としますが、次のアレックスをレフトフライにしとめ、1イニングを0点で切り抜けます。
そして9回、マウンドにはもちろん豊田の祈りの姿がありました。ところが、後がないドラゴンズはここで最後の粘りを見せます。
まず先頭のリナレスが二遊間を破るヒットで出塁すると、谷繁が2塁打で続いて無死2,3塁。ここで打席に井上が入ると、やはりさすがはこの男、センター前に落ちるタイムリーヒットで待望の1点を奪います。まだ6点差あるとはいえ、ラッキーボーイの一打は奇跡を願うドラゴンズファンの熱気を一気に蘇らせ、ナゴヤドームは俄然盛り上がります。
ところが、この後の森はセカンドへの併殺打に倒れてしまいます。1点は追加したもののこれで2死走者なし。ここで代打に渡辺が起用されますが、初球を打ち上げてしまい万事休す。マウンドすぐ右へ上がった打球はカブレラと豊田の取り合いになりますが、結局はカブレラのグラブに収まりゲームセット!ライオンズが12年ぶりに日本一の栄誉を勝ち取りました!!
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ではなぜライオンズが勝者となったのか?理由はいくつもあるでしょうが、良くも悪くも若いチームがシーズンを通じて力をつけていったこと、またドラゴンズのような緻密さは感じないものの、短期決戦をフルセットで2度も勝ち抜いた自信と勢いがライオンズにはあったことが、日本一となった背景には存在しそうな気はします。
松井稼頭央がメジャーに行き、カブレラが試合に出られない状態から新人監督によって日本一になったライオンズ。来シーズンを考えると脅威以外の何ものでもありません。ですが、今はそういうことは言いっこなしでしょう。パ・リーグの強さを見せてくれたライオンズ、おめでとう!
また、敗れたとはいえ最後まで勝利への執念を見せ、セ・リーグの覇者として堂々と戦ったドラゴンズ、よくやった!
両チームの選手、監督、コーチ、裏方の皆さん、すばらしいシリーズをありがとう!!
そして…今シーズンの締めくくりに、どうしても言いたい一言があります。
これからは、パ・リーグです!
【告知】
さて、日本シリーズの結果により、「にわか杯日本シリーズ結果予想大会」は4勝3敗でライオンズと予想された方が的中となりました!
というわけで、的中された皆さんと上位3位の方々の表彰、さらに予想をいただいた中で「にわか日ハムファンのブログ」オーナーの私が勝手に選ぶ「オーナー特別賞」2名の発表と表彰の記事を、明日未明(遅くとも1:00)までにアップしたいと思います。
ですので、参加された皆さんも、参加されていない皆さんも、ぜひ明日の記事にご注目をお願いします!
ウチにも書きましたが、両チームの勝敗を分けたのはリーグの想いとか意地とか、そういうものだったんじゃないかと思っています。
やっぱ時代はパシフィックですね!
(と言いつつ時代遅れのセリーグを応援し続けるのですが、、、)
シーズンオフも記事を楽しみにしております。
ですが、第7戦の最後まで白熱した試合を見せてくれたわけですから、もう文句はありません。
そんな試合が続いて、最後の最後にライオンズが勝ったのには、やはりパの代表としての意地というのがあったのかも知れませんね。
それに、これで負けたらホークスに申し訳が立ちませんからね(^^;)
ただ来年こそは…シリーズで日ハムを見たいなぁ…
カブレラ様の一発に(しかもボールが飛ばないと言われるナゴドで)セリーグしか見てないファンも目が覚めたと思います。
それにしても井上一樹君、意地を見せてくれました。
敢闘賞おめでとう!
ただあれで某球団が「K原とトレード」とか言いそうな不安もあります(^^;)
井上選手はMVPがほしかったでしょうが、あの活躍は誰もが認めるところでしょう。敢闘賞は文句なし!おめでとう!
今年は日本シリーズといいワールドシリーズの組み合わせといい、予想がバシバシ当たりまくってます。実入りは無いけど、やっぱ気持ちいい!
あとは、セントルイスが逆転優勝すれば今期の予想は完成です。
もしそこまで行けたら、年末に自分のブログで有馬記念勝ち馬予想を大々的にやりますね。
さぁ、来期はファイターズの番だっ!
MVPですよ、まったく。
でも、ほんとに西武、おめでとう。
とりあえず、今晩24-25時ぐらいをメドに結果発表と表彰をいたします。
といっても大したことはできませんので、期待していただくと拍子抜けになるかと(^^;;)軽い冗談ぐらいのつもりでお待ちくださいませ。
今年のプロ野球もこれで終わってしまいましたが、来年こそはシリーズでファイターズを見たいですね!
それにしても、石井貴はシーズン1勝どまりのピッチャーだったはずなのに、シリーズ2勝してMVPというのは分からないものですね。
福岡ドームでも「腹をくくって送り出した」と伊藤監督に言われていたのに、それで抑えられたので弾みがついたのでしょうか?
ともあれ、好投したことには変わりありませんね。石井貴にもおめでとうと言いたいです。
今思えば、4勝1敗でドラゴンズという予想をしてしまった自分が恥ずかしいです・・・。
予想云々は言いとして、とにかく素晴らしい試合を見せてくれて嬉しかったです。
野球ファンとして、ここまで興奮できたことを誇りに思いますね。
しかし困ったことが!!!あちこちのブログや掲示板を見ると「西部」と書いてる人が多すぎる!!!「西武」だよ!!!しかし石井選手良かったね。
次号のNumberは日本シリーズ特集。なんと日ハムの特集もあるでよ~!!