にわか日ハムファンのブログ記念館

2004年8月から2014年6月にかけて更新してきた当ブログを静態保存しております。

プレーオフ第3戦を振り返る―1球の恐ろしさ、諦めない魂の強さ

2004-10-04 22:30:15 | 北海道日本ハムファイターズ
 戦いが終わって1日経ちましたが、まだ虚脱感から抜け出せません。
 何せ勢い余って関西から西武ドームまで日帰りで馳せ参じるくらい集中していましたからね(^^;)おかげで今日は全く仕事になりませんでした…
 ですが、気持ちを切り替えるためにも、ここはしっかりと昨日の試合を振り返っておきたいと思います。

 昨日の関東はかなりの雨だったそうですが、それでも公式発表で38,000人の観客が西武ドームに詰め掛けました。
 先発投手は日ハムが江尻、西武が帆足。レギュラーシーズンでは共に相手から3勝を上げており、相性のいい投手同士のぶつかり合いです。
 試合は初回にいきなり動きます。2番に入った奈良原がヒットで出塁、小笠原がサードエラーで続くと、4番セギノールがレフトスタンドにホームラン!前日逃げ切った勢いそのままに、3点のリードを叩き出します。
 その裏、江尻は2アウトをとった後、フェルナンデスとカブレラを歩かせてしまい、一打同点の場面を作ってしまいます。ここでバッターは和田でしたが、何とかセカンドゴロで切り抜けて結局0点。とはいえ、リードが一瞬にして消えてしまう恐ろしさと、まだ8イニングもあるという現実が、私の心に重くのし掛かります。
 こういう試合では中押し点が早くほしいのですが、2回には2アウトからSHINJOと奈良原が連続ヒットを飛ばすも、小笠原が倒れ得点ならず。3回は3者凡退と、帆足を攻め立てることができません。
 するとその裏に悲劇が訪れます。先頭の高木浩之がセンターへのヒットで出塁、その後佐藤をこそ抑えたものの、赤田にはヒットを許し、フェルナンデスにはデッドボールを与え、1アウト満塁でカブレラを迎えることになります。
 前の日のように外野フライで済ませられれば…しかし、カブレラは同じ失敗を繰り返してくれはしませんでした。日ハムファンの陣取るレフトスタンドに逆転のグランドスラムが叩き込まれ、逆に1点差をつけられてしまいます。
 この後何とか後続は打ち取り、この回はこれ以上の失点をしないまま終了。逆転はされたものの、1点差なら十分射程圏内です。しかし、直後の4回表にはあっさり3者凡退。立ち直った帆足の前に、チャンスを作ることすらできず、攻守交替です。
 4回裏、ヒルマン監督は江尻に代えて入来を投入します。先月12日の千葉マリン、23日の福岡ドームと背信の投球が続いた入来でしたが、ここで汚名返上と行きたいところです。
 しかし、1アウトから高木浩之にフォアボールを出すと、佐藤、赤田と続けてライトへのヒットを浴び、またも1死満塁のピンチとなってしまいます。ところが、フェルナンデスはセンターフライ。タッチアップもできず、2死満塁でバッターはカブレラ。
 リーグを代表する恐るべきスラッガー、しかも前の打席は満塁ホームランを打った相手ですが、ここで入来は臆することなく、気迫の内角攻めを見せます。しかし、きわどいコーナーを突いた球はことごとくボールと判定され、あろうことか押し出しのフォアボールという結果になってしまいます。
 次の和田は三球三振に仕留め、最少失点で切り抜けることにはなったものの、何とも残念な失点としか言いようがありません。とはいえ、不運を呪っている時間などありません。こうなってしまった以上、なにがなんでも追いつき、逆転しなければならないのです。
 しかし、ここから日ハム打線は西武の継投の前に沈黙を強いられてしまいます。5回、6回は3者凡退、7回、8回にはフォアボールのランナーを出すのが精一杯。投手陣が踏ん張って点差を広げるのを阻止はしましたが、逆転勝利への望みは徐々にしぼんでいきます。
 そして、9回表。西武のマウンドは守護神豊田。もしこれがレギュラーシーズンの中の試合であれば、九分九厘諦めるところでしょう。しかし、今日だけは、そんなことは絶対に許されません。
 まず先頭の高橋信二がセンター前ヒットで出塁。チームにとって久々のヒットです。しかし、次の代打小田はあえなく三振。ここでバッターは途中出場の木元です。
 レギュラーシーズン終盤から2番セカンドでのスタメン出場が多くなった木元でしたが、この日は奈良原にその座を奪われました。そんな彼を見かねたのか、SHINJOは「つらいだろうけど絶対いい場面で回ってくるから、カッコよく決めろよ」という言葉を掛けたそうです。
 そのいいところで木元が放った打球は、逃げ切り勝利を確信していたであろうライトスタンドに飛び込んでいきました!選手やファンすべての諦めない気持ちがこめられた一打で、ついに5-5と追いつくことに成功したのです!
 こうなると、俄然ムードは日ハム有利に。ここで逆転の一打が出れば、そのまま勝利を収めてもおかしくありません。しかし、次の代打坪井はショートゴロ。そして2アウトランナーなしで、打順はトップのSHINJO。
 このプレーオフ、彼は万全の状態で出場することができませんでした。シーズン最終戦で右足を痛めていたのです。私もヤフスタで彼がほんの少しの間右足をかばう仕草をするのを見て、一抹の不安を感じていたのですが、はたして体調の悪さは打撃に影を落としていました。
 ですが、ここぞという場面で頼りになるのが(新庄ではなく)SHINJOです。この場面、誰よりも燃えていたことでしょう。しかし、ここで決めることはできませんでした。フォームを崩された彼の打球はボテボテのサードゴロ。結局同点のまま、試合は9回裏へ入ります。
 ここで抑えれば、シーズン同様12回までの延長戦。勝ち越し点を得ない限りプレーオフ進出は果たせませんが(引き分けなら西武が進出)、とにかくこれから1点を与えることも許されません。ぎりぎりの勝負が始まります。マウンドには8回から上がった横山。当然の続投です。
 先頭打者は和田。カウント2-2まで追い込んでから、横山が投げたフォークがはじき返されます。打球はレフトへ。しかし、レフトの守備についていた森本が、そのボールを捕球することはありませんでした。ボールはそのままスタンドへ。あまりにも劇的なホームランで、ファイターズの今年の夢は潰えました…

 この試合が悔しい敗戦であることはやはり間違いありません。選手、監督、コーチ、誰にとってもそれは同じ、いや、彼らは私よりもはるかに悔しさを感じていることでしょう。
 ですが、74勝58敗1分の相手に、66勝65敗2分のチームが、最終戦の最後のイニングまで食い下がり、両チームのファンならずとも感動するような試合を見せたのです。これは、大いに誇りに思うべきことでしょう。
 もちろん、このままの戦力で来季もプレーオフ圏内が確実とは思えません。特に大事な場面で失投の見られた投手陣の整備は最優先課題でしょう。横山というクローザーは確立したものの、リードを保ってそこにたどり着くには、先発も中継ぎも底上げをしなければなりませんし、コマを揃える必要もあるでしょう。
 とはいえ、これは来年の開幕までにじっくりと取り組めばよし、今はまず疲れを癒して、来るべき戦いに備えてほしいです。

 今「来るべき戦い」と書きましたが、これはなにも来季とは限りません。ファームの選手には、ファーム日本選手権という大事な1戦が控えています。
 相手はウエスタンリーグを制したドラゴンズ。多くの選手が1軍を経験しているだけに侮れない相手ですが、今季最後の試合、日本一で締めてもらいたいものです。
 さすがに宮崎までは行けませんが―本当に行きませんからね(^^;)―、思いはどこにいても同じ、進めファイターズ!


最新の画像もっと見る

18 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おっと (kuni)
2004-10-04 22:56:54
退社しようとした矢先にトラックバック通知が・・・(笑)



うちも昨夜はしばし放心状態で、その脱却には苦労しました。

いろいろ工夫しましたが、やはり今日もテンションはイマイチです。

職場の人からは週明けから「ごくろうさま」などと言われてしまいました。



名古屋ドームなら駆けつけようもあるんですが、宮崎は自分もキツイですね~。

でも、鎌ヶ谷組も活躍を期待してます。昨季は完封負けでちょっと悲しかったので・・・。
返信する
はじめまして (hato999)
2004-10-04 23:24:57
ルパート・ジョーンズさん。こんばんは。

トラックバック頂きましてありがとうございます。



ルパート・ジョーンズさんも第2戦を観戦されたのですね。実は私もルパート・ジョーンズさんに見つからないようにこっそり隠れて観戦していたんです(笑)

子連れでしたので内野席にいました。

それにしても熱い試合の連続でしたね。この1stステージは。2ndステージも本当に楽しみなんですが私の住んでいる関東地区ではどうも地上波中継が無いと言うウワサなのです。本当だったらこんなに悲しい事はありません。



そして。もう1つ秘密にしていた事があるんです。

「さよなら、「阪急」~西宮球場取り壊し開始に思うこと~」

読ませて頂きました。実は何を隠そう私も中学生時代「3000人の吹奏楽」に出たんですよ。

スーザホン(でしたっけ?)のチームで。

あのチームは動きが無いので本当に暇でしたよ。全体練習の時も座ってばかりで殴られはしませんでしたがお尻だけはとても痛かったです。



そんなとっても奇遇な私ですが今後ともよろしくお願い致します。
返信する
kuni先輩 (ルパート・ジョーンズ)
2004-10-04 23:26:01
あれほどの試合を見せられた後ですから、どうしても心ここにあらず、ということになりますよね。

私もいい加減切り替えないといけないのですが…なかなか難しいです(苦笑)



去年は阪神相手でしたが、今年は中日ということで、心置きなくハムを応援できます(笑)1軍の分も頑張ってもらって、ぜひ日本一を勝ち取ってほしいですね。
返信する
hato999さん (ルパート・ジョーンズ)
2004-10-04 23:38:33
はじめまして。

関西では第1ステージすら地上波中継がなかったので(涙)、関東にお住まいの方がうらやましかったです。

ただ、西武が出場するというのに第2ステージが見られないというのはおかしな話ですね。

例によって、リーグ優勝が決まる辺りだけ放送するのでしょうか?それも中途半端だと思うのですが…



それはそうと、3000人の吹奏楽に出られたというお話を聞いて、少々驚いています。というのは、私もスーザを吹いていたのです。

結局3000人に出たのは中3の一回だけで、大学卒業と共に楽器からは離れていますが、それでも西宮球場で演奏したことがあるというのは密かに自慢に思っています。

それだけに、球場がなくなるのは本当に残念ですね。



返信する
激戦あけて・・・ (トラのシッポ)
2004-10-04 23:56:28
きのうはネットライブを凝視していました。

木元の同点弾のときは思わず「オォ~ッ」と一人声を張り上げ(笑)、和田の決勝弾に金縛りにあいました。



やはり私も新庄がいるせいか、下克上の期待か日ハムに自然と肩入れしていました。

無責任な言い方になるかもしれませんが、日ハムファンの心境を慮るとなんともいえない気持ちになります。

去年の日本シリーズ第7戦終了後のトラ党のような感じでしょうか。



賛否両論あったプレーオフ制でしたが、再編問題に揺れる球界に大いなる光明をもたらしました。

感動を提供する場が増えたと解釈してもよさそうです。
返信する
トラのシッポさん (ルパート・ジョーンズ)
2004-10-05 00:38:37
>やはり私も新庄がいるせいか、下克上の期待か日ハムに自然と肩入れしていました。



そういう方は結構いらっしゃるようですね。このプレーオフを通じて日ハムファンが増えれば、私も嬉しい限りです。



>賛否両論あったプレーオフ制でしたが、再編問題に揺れる球界に大いなる光明をもたらしました。

感動を提供する場が増えたと解釈してもよさそうです。



少なくとも、3位チームを取り込む形にしたのは正解でしたね。

このことで他チームも希望を持って戦力補強に取り組みましたし、それが熾烈な3位争いと観客動員の増加につながったわけですから。

もちろん、リーグの動向に応じてプレーオフの形態も変化させるべきであると思いますが、少なくとも来年はこの形を維持すべきでしょうね。

もっとも、来年はマリーンズが出てきそうで怖いですが(^^;)
返信する
終戦 (ざわ)
2004-10-05 09:53:19
終ってしまいましたね…

ファン歴23年目の今年も優勝できませんでした…

いつになったら優勝できるのでしょう…(泣
返信する
野球って素晴らしい (鳴子)
2004-10-05 09:56:25
伊東監督の試合後のコメント

「この3連戦、すごかったな。野球って素晴らしいなと思いました」



これに尽きると思います。

「総力戦」で臨んだ両チーム、短期決戦の怖さと共に、野球の楽しさも伝えてくれました。



球界再編の「場外乱闘」で水をさされた今シーズンで、この三連戦は、ひときわ輝いていたと思います。



「これからは、パリーグです」

本当にそうですよね!来年も応援します、ファイターズ!
返信する
ざわ先輩 (ルパート・ジョーンズ)
2004-10-05 12:30:11
私も「奇跡の逆転優勝があるかも!?」と期待する部分が大いにあったので、非常に残念です。

ただ、西武もダイエーも弱小球団から今の地位を築き上げてきたわけですし、いつまでも2強時代が続くとは思えませんからね。

ファイターズも今季の経験を糧にしていけば、1981年以来の優勝も夢ではないと信じています。

とりあえず、今年は2軍の戦いが残っていますし、ぜひ日本一になってほしいですね。
返信する
鳴子さん (ルパート・ジョーンズ)
2004-10-05 12:36:13
結果こそ残念でしたが、この3戦は本当に野球の素晴らしさの詰まったものになりましたね。

まさに、「これからはパ・リーグです」という言葉を裏付けるものであったと思います。

ただ来季はもっと楽な立場でプレーオフに出場できるようにして、さらに上を目指してほしいです。もちろん、私も応援しますよ!

返信する