宮本、市川、関口に戦力外通告

■　来季契約について（公式・2012年10月23日）

　ああ、ついに来たか……これが最初の感想です。特に宮本と市川に関しては。
　通算成績が示すように、一軍では決して活躍できたとは言えない3選手。市川と関口はついに札幌でヒットを打てませんでしたし、宮本に関しては、12試合も投げた年があったことに、むしろ意外感すらあります。
　それだけに、一軍の視点からすれば彼らへの戦力外通告は「残念だが当然」というレベルでしょう。特に宮本には「希望枠」の看板が張り付いているだけに、獲得・育成は失敗と断じざるを得ません。
　しかし、視点を鎌ケ谷に変えると、違った面が見えてきます。言ってしまえば二軍レベルから抜け出せなかった選手ですが、いやだからこそ、彼らが愛すべき選手として見えてくるのです。
　中でも、私自身も何度となく鎌ケ谷での人気ぶりを見てきた市川。彼は真剣勝負ながらどこか長閑で、かといって気の抜けたところのない鎌ケ谷を象徴と言ってもいいような選手でした。
　プロ選手である以上目指すところは一軍なわけで、その意味では二軍のイメージが分かちがたくついてしまうのは間違っても良いことではありません。
　ですが、誰もが思うような結果を残せないのもプロの世界。一軍でカクテルライトを浴びながら活躍し続けられる選手はほんの一握り。一瞬の輝きすら残せない選手も決して少なくはないのです。
　そんな中、人数は決して多くないにせよ確実に存在するファンの心に、消し難い記憶を残すことのできた選手は、それはそれでプロ野球選手として成功を収めたと言ってもいいじゃないか、と思わずにはいられません。
　たとえその成功が、決して本来目指したものでも、あるべき成功でもなかったにしても。

　3選手の新たな人生での成功を心から祈ります。