ファイターズで交通安全！？

　日本シリーズで対戦中のわれらがファイターズとドラゴンズ。両チームの地元はもちろん盛り上がっているわけですが、そんな効果？が思わぬところで出てきました。

■　日本ハムの試合中に道内死亡交通事故ゼロ（北海道日刊・2007年10月29日）

　クライマックスシリーズ第2ステージの5試合中に死亡交通事故がでなったという話は、すでに26日付の東京新聞に出ていたそうです。といっても紙面を見たわけではなくて、giants-55さんのエントリで知った話ですが。
　それが、果たして日本シリーズのこれまでの2試合でも、やはり死亡事故がなかったとのこと。10月の事故死者数も20人と、去年から11人も減少しています。
　道警本部では、テレビ観戦などで車で外出する人が減少したことが、事故死亡者が減少した一因と分析しているとのことです。
　少々ややこしい話になりますが、「一因と分析」というのは、科学的に見ればなかなか厄介な表現です。
　交通事故死者数のような社会に関するデータは、実験室という操作可能な環境で出される自然科学のデータと異なり、「社会」という人間の力では操作できない環境から生まれるものです。
　つまり、薬品の反応を調べたいのであれば、実験室で実験はできますが、ファイターズの試合が交通事故の件数を減らしているかを調べるのに、社会で実験はできませんし、しようと思うことも、学問的にも倫理的にも許されないことです。
　つまり、確かにファイターズのポストシーズンゲーム中に死亡事故は起きていないのでしょうが、細かいことを言うと、それがファイターズの試合の影響によるものかどうかは、データだけでは完全に断定はできないのです。
　もちろん、理屈なり常識で考えて、試合中にみんなテレビを見てるから車に乗ってないんだろうと考えることは可能なんですが、それが唯一の原因とは言えませんし、逆に全く影響がないとも言えないわけです。
　道警本部の「一因と分析」というのは、こういう点を踏まえて、「ま、みんなこの時間は試合見てるだろうからねぇ～」ぐらいのことを言ってるに過ぎないわけです。
　とはいうものの、私も理屈なりテレビの視聴率というデータで考えて、ファイターズの影響があるだろうとは思います。
　人気ドラマの放映時間に街から人の姿がほとんど消えるというのは、かつての日本でもありましたし、国によっては今でもあるようですが、それに似たことが起きているとすれば、ファイターズも大したものだなぁと思いますね（笑）
　ちなみに、北海道は今年に入ってからの交通事故死者数が全国ワースト1。一方、ドラゴンズの地元愛知県はワースト2なのだそうです（ポストシーズン中の愛知県の事故については、特に情報は出ていないようです）。
　どちらも自動車がないと不便な土地柄でしょうし、事故数自体が多いのは避けられない部分もあるのでしょうが、くれぐれも安全第一で日本シリーズを楽しみましょう！

※　トップの概要文がイマイチ分からなかった方は、youtubeにアップされた動画と拡大版動画をご覧ください。これもファイターズ戦なんですよね（￣▽￣;;）