慶応大学の理工学部管理工学科鈴木秀男研究室が、国の資金による助成(科研費)を受けて「プロ野球のサービスに関する満足度調査」という調査を2009年から年1回実施しています。
この調査で、ファイターズが2009年、2010年に続き、2011年の調査でも満足度第1位になりました。いずれの調査でも、2位に大きな差をつけているのも注目されます。
まずは、当該研究のサイトから、調査の概要と満足度スコアを紹介します。
■ 「慶應義塾大学 プロ野球のサービスの満足度調査」トップページ
■ 調査の概要(PDF形式・2011年4月7日公開)
■ 各球団の総合満足度スコアとランキング(PDF形式・2011年4月7日公開)
このほか、満足度の分析モデルの概要などについては、トップページからご覧いただければ幸いです。
「3年連続1位」という結果だけを見ると、いかにも誇らしいことに見えます。ただし、調査にはある程度のバイアスがかかるもので、その点は注意して考えなければなりません。
では、どこに注意すべきか?まず、この調査がインターネット調査である点です。
インターネットを使った調査では、当然ながらインターネットを使わない人は参加できません。ということは、それらの人々の意見は調査に反映されません。
また、調査対象者が「プロ野球球団を応援し、2009年度シーズン中に、1回以上応援するチームのホーム球場で試合観戦をしている方」という点も要注意です。
つまり、インターネット利用者の中でも、2009年のシーズンにホーム球場にまったく行かなかった人は対象から外れるわけです。ということは、私は対象者にはなれません(笑)
したがって、調査対象者の層が、各球団の「ファン」の中でも非常に限定されていて、それ以外の人が除外されるのです。
その分データが偏っていることになりますから、調査結果が調査対象者層以外、つまり、ネットユーザでないファンやビジターファンにも当てはまる保証はありません。この点は頭に入れておく必要があります。
とはいえ、現実として他の調査方法が思いつかないのも事実です。
試合日に球場現地で調査するとなると、その日に来た人以外が除外されます。インターネット以外の調査(面接や郵送など)はお金と手間がかかり、かつ調査に協力してくれない人も多い。
また、「日本国民」や「○○市住民」などと違い、「ファン」の範囲はあいまいです。このような場合、通常の調査で行うような対象者の選出作業(ランダムサンプリング)が意味を成さないこともあります。
さらに、最近ではインターネット調査を継続的に行うことで、一定の傾向を見ることは少なくとも可能、というのが有力な説となりつつあります。
つまり、単年度の順位だけを見ることにどれだけ意味があるかは分かりませんが、順位の変動を見ることには意味がある、ということです。
というわけで、いろいろと注意点はあるものの、それらを頭に入れておけば、データは使えるものと言えますし、非常に興味深いものとなっています。
で、順位の変動を見ると、先ほども記したようにファイターズは3年連続で1位。2位に大きな差をつけている点を考えても、これは非常に意味のある数字です。
特に注目すべきは、2010年シーズンと2011年シーズンで、ファイターズ自体の順位が大きく下がった(優勝→4位)にもかかわらず、満足度指数の順位が1位になっている点です。
つまり、ファイターズは試合に勝っても負けても、他球団よりも満足度の高い球団になったということをデータは示しています。これは球団のファンサービスが勝ち得た大きな成果ということができます。
もっとも、満足度指数の絶対値自体が、この間減少している点は注意が必要です(この変化が統計的に見て意味のあるものかどうかは分かりませんが……)。
とはいえ、ファイターズに関する限り、チーム成績は大事かも知れないけれど、それ以外でもファンの満足度を上げることができるとは言えそうです。
早い話が、試合で負けてもネタで勝てばファンは満足、というのがデータで示されたと言えるでしょう(ぇ
この調査で、ファイターズが2009年、2010年に続き、2011年の調査でも満足度第1位になりました。いずれの調査でも、2位に大きな差をつけているのも注目されます。
まずは、当該研究のサイトから、調査の概要と満足度スコアを紹介します。
■ 「慶應義塾大学 プロ野球のサービスの満足度調査」トップページ
■ 調査の概要(PDF形式・2011年4月7日公開)
■ 各球団の総合満足度スコアとランキング(PDF形式・2011年4月7日公開)
このほか、満足度の分析モデルの概要などについては、トップページからご覧いただければ幸いです。
「3年連続1位」という結果だけを見ると、いかにも誇らしいことに見えます。ただし、調査にはある程度のバイアスがかかるもので、その点は注意して考えなければなりません。
では、どこに注意すべきか?まず、この調査がインターネット調査である点です。
インターネットを使った調査では、当然ながらインターネットを使わない人は参加できません。ということは、それらの人々の意見は調査に反映されません。
また、調査対象者が「プロ野球球団を応援し、2009年度シーズン中に、1回以上応援するチームのホーム球場で試合観戦をしている方」という点も要注意です。
つまり、インターネット利用者の中でも、2009年のシーズンにホーム球場にまったく行かなかった人は対象から外れるわけです。ということは、私は対象者にはなれません(笑)
したがって、調査対象者の層が、各球団の「ファン」の中でも非常に限定されていて、それ以外の人が除外されるのです。
その分データが偏っていることになりますから、調査結果が調査対象者層以外、つまり、ネットユーザでないファンやビジターファンにも当てはまる保証はありません。この点は頭に入れておく必要があります。
とはいえ、現実として他の調査方法が思いつかないのも事実です。
試合日に球場現地で調査するとなると、その日に来た人以外が除外されます。インターネット以外の調査(面接や郵送など)はお金と手間がかかり、かつ調査に協力してくれない人も多い。
また、「日本国民」や「○○市住民」などと違い、「ファン」の範囲はあいまいです。このような場合、通常の調査で行うような対象者の選出作業(ランダムサンプリング)が意味を成さないこともあります。
さらに、最近ではインターネット調査を継続的に行うことで、一定の傾向を見ることは少なくとも可能、というのが有力な説となりつつあります。
つまり、単年度の順位だけを見ることにどれだけ意味があるかは分かりませんが、順位の変動を見ることには意味がある、ということです。
というわけで、いろいろと注意点はあるものの、それらを頭に入れておけば、データは使えるものと言えますし、非常に興味深いものとなっています。
で、順位の変動を見ると、先ほども記したようにファイターズは3年連続で1位。2位に大きな差をつけている点を考えても、これは非常に意味のある数字です。
特に注目すべきは、2010年シーズンと2011年シーズンで、ファイターズ自体の順位が大きく下がった(優勝→4位)にもかかわらず、満足度指数の順位が1位になっている点です。
つまり、ファイターズは試合に勝っても負けても、他球団よりも満足度の高い球団になったということをデータは示しています。これは球団のファンサービスが勝ち得た大きな成果ということができます。
もっとも、満足度指数の絶対値自体が、この間減少している点は注意が必要です(この変化が統計的に見て意味のあるものかどうかは分かりませんが……)。
とはいえ、ファイターズに関する限り、チーム成績は大事かも知れないけれど、それ以外でもファンの満足度を上げることができるとは言えそうです。
早い話が、試合で負けてもネタで勝てばファンは満足、というのがデータで示されたと言えるでしょう(ぇ