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音楽を聴くことの効果! 

2023-09-28 18:02:41 | 日記

こんばんは、鯖野です。

今日は、たまたま面白い記事を見つけたので、ご紹介したいと思います。

今日の話題は、糖尿病についてです。

なんと、驚くことに、あの有名な音楽を聴くことにより、インスリンの分泌細胞を活性化できるというのです!

そもそも、糖尿病とは?糖尿病は、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンがうまく働かず、血糖(血液中のブドウ糖)が増加してしまう病気のことです。血糖値が高いままでは、血管がダメージを受け、合併症を引き起こします。有名なものでは、失明、足の壊死、心臓病などがあります。これらは慢性の合併症ですが、急性のものであれば昏睡状態に陥ることもあります。中高年に多く、遺伝的な影響や生活習慣により引き起こされるⅡ型糖尿病(インスリンが出にくい、効きにくい)、若い方に多く自己免疫によってインスリンを分泌する細胞が破壊されてしまうⅠ型糖尿病(インスリンが出ない)があります。

前者では食事の制限、運動、必要によってはインスリンの注射による治療、後者はインスリンの注射のみにより治療します。

さあ、ここで「インスリンの注射」という話が出ましたね。注射なので、もちろん痛みもありますし、何より手間もかかります。

そんななか、「新たな糖尿病のコントロール法を開発」というニュースをみつけました。誰もが知るQueenの名曲、We will rock you を聞くことで、インスリンの分泌を活発化させるというものです。ロックンロールが糖尿病患者さんたちの生活を守るものとなる可能性があるということですね!

アメリカだけでも、3700万人が糖尿病です。そんな中、研究者たちは、インスリンの注射の代わりとなる糖尿病のコントロール方法を探していました。ティーバッグのような移植可能なものから、チークパッチまで、インスリンを体に届けられる様々な方法が多くの研究により示されました。

スイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究は、これまでにない、興味をそそられる研究です。

そこの研究者は、カルシウムイオンの細胞内物質への流れをコントロールする大腸菌からたんぱく質を採取し、イオン通路を備えたインスリン細胞にそのたんぱく質を組み込みました。その細胞は、音にさらされたとき、正電荷を帯びたカルシウムイオンを取り込み、さらに中に蓄えていたインスリンが膜と融合して細胞外に放出され、インスリンが体中にいきわたりました。60デシベルの音、低周波数50Hzのとき、最もイオン通路が良く働きます。(60デシベルは、普通の会話、静かな乗用車ぐらいの音です:旭川市HPを参考にしています)もっとインスリンを放出させるには、音を三秒以上再生、5秒以内の一時停止で流します。この音として使われたのが、音楽です。

研究者たちは先ほどの細胞をマウスに移植し、空腹状態でスピーカーの上に乗せ、様々なジャンルの様々な歌を流し、影響を図表化しました。すると、最も良い反応が得られたのが"We will rock you"で5分で70%、15分ですべてのインスリンを細胞内から解放しました。2番目に好反応だったのは、『アベンジャーズ』のサウンドトラックだったそうです。音楽は、ほとんどの人が家で再生する音量である85デシベルで再生しました。

ロックンロールで主に好反応であった一方、ベースが少ない音楽、例えばクラシックなどでは効果が少なかったようです。

音源の上に移植した細胞が直接または皮膚ごと来なければならず、イヤホンやヘッドホンでは効果がないと実験が示しました。周囲の騒音により意図せずインスリンが放出されてしまう心配もないとのことです。放出されすぎも危険ですからね。

この研究は、まだ人間に応用できる段階ではなく、音によるインスリン分泌システムはまだ先の話です。もっと研究が進み、この新しい治療法が実践できるようになるといいですね。この研究を軌道に乗せるには、商業的な関心が必要だと、研究者たちは見ているようです。

この発見は、他のタイプの細胞にも応用ができる可能性もあるそうです。医学は日々研究者たちの下で進歩していますね!

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

↑スイス連邦工科大学チューリッヒ校

・THE LANCET  Diabetes and Endocrinology

https://www.thelancet.com/journals/landia/article/PIIS2213-8587(23)00153-5/fulltext

・NEW ATLAS

https://newatlas.com/medical/sound-waves-insulin-cells-diabetes/

・旭川市HP

https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/271/299/306/d053190.html

 


放射線について(3)

2023-09-18 18:17:09 | 時事

こんにちは、鯖野です。少し時間をおいての投稿となりましたが、よろしくお願いします。

今日は、放射線についての補足と、福島で起こった事故について解説していきます。

まず、一回目の投稿で単位の紹介をしました。Sv、Bq、Gy.... 耳にすることが多いのは、Svだと思います。特にmSv,μSvについては人の体への影響を表すのによく使われるのでした。ところで、実際3μSvと聞いてピンとくる方は少ないのではないでしょうか。そこで、どのような線量でどのような影響があるのか解説していきます。一般に、100mSvからがんのリスクが徐々に高まっていきます。一方、それ以下では「低線量被曝」といい、生活習慣などほかのがんの原因のほうが大きく、比較できないので、100mSv以下ではリスクはあまり認められないということになります。

ちなみに、原子力や放射線を取り扱う作業者の被曝限度は5年あたり100mSvかつ1年あたり50mSvと法律で定められています。

<以上のデータは、環境省HPより>

身の回りでは、どのような被曝があるのでしょう。例えば、CT検査。一回当たり5~30mSvです。これは、撮影する部位や手法により変わります。

<このデータは、量子科学技術研究開発機構サイトより>

実は、私達は普段宇宙から、大地から、食物から、空気から常に放射線を浴びています。日本では、年間平均2.1mSvです。放射線量については、高度、地質などによって異なります。国内でも、地域によって違います。鉱物の採掘地などでも、放射線量は高くなります。

ブラジルのガラパリでは、年間10mSvです。他にも、イランやインドのケーララなどでは放射線量が大きいです。しかし、このことによってがんのリスクが高まるということは報告されていません

では、このことを頭に入れて福島で起こったことについてみていきましょう。

2011年3月11日14時46分、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震が発生。三陸海岸はリアス海岸という入り組んだ海岸であるため、津波の規模も増幅され、甚大な被害をもたらしました。

福島原発では、震度6強の揺れ、約13メートルの大津波に襲われ、原子炉を制御する電源を失います。

原子力発電は、放射性物質であるウランの核分裂のときに出る熱をつかって水を熱し、その上記からタービンを回転させて電力を得るという仕組みです。この核分裂の時に出るエネルギーは莫大です。ちなみに、原子爆弾も核分裂の仕組みが使われています。ただし、原発ではこうした急激な反応が起こってしまってはいけないので、原子爆弾よりもずっと濃度の低いウランを使っています。ウランには同位体があり、どちらも使用されているのはウラン235です。ウラン235は核分裂しやすく、ウラン238は核分裂しにくいです。「濃度が低い」とは、ウラン全体の中でのウラン235の割合が低いということです。(図をご覧ください)

ウランが核分裂をするときに放出する放射線は、中性子線です。この中性子線を野放しにしてしまっては、他のウランに攻撃して、続けざまに反応が起こります(連鎖反応)。中性子は、大量の水によって防ぐことができます。これを中性子のスピードを落とす「減速材」として、反応全体をコントロールしているのです。また燃料の間には制御棒というものが挟まっています。これは、中性子を吸収して、核分裂の起き具合を制御します。

非常に熱いため、冷却する必要があるのですが、当時、津波の影響で冷却ができなくなってしまいました。炉心ではウランの崩壊が続き、ますます熱くなっていきます。水はどんどん水蒸気となり、水位が下がって、燃料がむき出しになり高温の燃料と水蒸気が反応して水素が発生しました。容器も圧力や高温などで壊れ、容器の外に水素と放射性物質が漏れ、水素爆発に至ったという経過でした。

次回は、その後の処理と処理水の話題について書いていきます。

長文でしたが、最後まで読んで下さりありがとうございました。

 

参考文献

福島大学 共生システム理工学類 なぜ、福島第一原子力発電所の事故が起こったのか 

http://www.sss.fukushima‐u.ac.jp/phys/why.html

環境省HP

https://www.env.go.jp/chemi/rhm/portal/qa/a_45.html

量子科学技術研究開発機構

https://www.qst.go.jp/site/qms/1889.html#:~:text=CT%E6%A4%9C%E6%9F%BB%E3%81%AB%E3%81%AFX,%E3%81%A7%E3%81%99%EF%BC%88%E8%A1%A81%E5%8F%82%E7%85%A7%EF%BC%89%E3%80%82

『放射線を科学的に理解する~基礎からわかる東大教養の講義』

鳥居寛之 小豆川勝見 渡辺雄一郎 著  丸善出版

 


番外編 真庭市の旧勝山町に行ってきました

2023-09-12 06:21:52 | 日記
先週、旧勝山町に行ってまいりましたので、写真を共有したいと思います。町並み保存地区というのがありまして、きれいな街でした。






















第二回 放射線について(2)

2023-09-12 00:53:52 | 時事

こんばんは、鯖野です。フォロー、リアクションをしてくださった皆さん、ありがとうございます。

さあ、前回のまとめと、続きから行きましょう。

前回は、放射線の種類と、原子の仕組みについて解説してきました。放射線とは、粒子が高速で移動するものと電磁波があるのでしたね。そして、放射線に共通するのは電離作用。これは、放射線が大きなエネルギーを持つため、原子核の周りをまわる電子を弾き飛ばしてしまうのです。第一回では触れませんでしたが、電子には軌道があります。各軌道により電子の持つエネルギーが違い、内側の軌道ほどエネルギーは低いです。電子はその内側の軌道から順番に入っていき、最も安定な状態(基底状態)となっています。これにエネルギーを与えると、内側にある電子がエネルギーを受け取ってエネルギーの高い外側の軌道に移ります。これを励起といいます。励起状態ではまだ電子は原子核の作用を受けている状態で、電子の周りをまわっていますが、原子核のひきつける力を上回って電子がエネルギーを持つと、これは電離となるのです。

つづいて、放射線と混同されがちな放射能についてみていきましょう。

放射能とは、放射線を出すという性質のことです。両者は違うものなので、注意しましょう。

さて、よくニュースなどでmSv(ミリシーベルト)という単位を目にしませんか?ここで気になる放射線の単位、放射能の単位についてみていきましょう。

まず、Gy(グレイ)。これは、放射線を浴びたとき物質1kg当たりの吸収するエネルギーです。これを、吸収線量といいます。

次に、Sv(シーベルト)。これは2つの量を表すのに使われます。一つ目は、放射線の種類による影響を考慮に入れたもので、吸収線量に放射線荷重係数という数をかけた数字です。等価線量といいます。二つ目は、人体の臓器による影響の違いを考慮に入れたもので、等価線量に組織荷重係数という数をかけて表します。これは実効線量といいます。すなわち、Svは人の体への影響を表すのに使われます。ちなみに、ヒトは4Svの放射線を浴びると浴びた人のうち半分が死に至ります。(この数字を、半致死線量といいます)。Svは、ヒトの体への影響を表すには大きすぎる単位のようですね。もう少し細かい単位が必要です。ということで、Svの1000分の1のmSv(ミリシーベルト)、1000000分の1のμSvなどが使われているわけです。こちらの方が、よく耳にしますね。

最後に、Bq(ベクレル)。これは、放射能の強さを表すもので、1秒に1回原子核の崩壊が起こることです。1kg当たりの放射能を表すために、Bq/kg(ベクレル毎キログラム)をよく使います。

今日の締めくくりは、ヒトの体への影響です。最初に、放射線は大きなエネルギーを持ち、電離作用を持つと書きました。そのことを意識しておいてください。

放射線を浴びることを被曝といいます。一度に大量に浴びるのは、急性被曝。放射線で影響を受ける場合、急性障害が起こります。これは、DNAが傷つくためです。人の体には、DNAが傷つけられたときにそれを治す仕組みがあるのですが、その仕組みが追い付かないほどダメージを受けてしまうのです。これは、受けた放射線量が多いほど深刻です。不妊、白血球減少、吐き気、嘔吐、下痢などがあげられます。これらの影響を、確定的影響と呼び、ある一定のラインを超えると起こってしまうのです。

それに対し、確率的影響とは、浴びた線量が大きくなればなるほど確率が高くなる影響のことで、がんリスクの増加があげられます。

 今日はここで締めましょう。次回は、補足的な説明をさせていただきます。宜しくお願い致します。

もし、誤りなどにお気づきの際は、コメントを宜しくお願い致します。

 


第一回 放射線について(1)

2023-09-10 21:54:12 | 時事

こんばんは、鯖野です。

ようやく涼しくなってきましたね。秋の気配がする今日この頃です。

さて、今日からは最近よく動画などで見かける福島の処理水海洋放出とそれに伴うフェイクニュースについて掘り下げていきましょう。

 

そもそも、放射線は私たちの身近に存在していて、常に被ばくしているのですが、目に見えないということもあり、たくさんの誤った認識があるというのが現実です。放射線のいろはについてこれから見ていきましょう。

放射線といっても、2種類ありますね。粒子が高速で飛んでいるものと、電磁波と呼ばれるものです。前者にはアルファ線、ベータ線、中性子線など、後者にはX線、ガンマ線などがあります。私たちにとって身近なのは、病院で検査するときなどに使うエックス線ですね。これらの仕組みについて、詳しく見ていきましょう。

まず、原子の仕組みから。原子とは、「ものを構成する最小の粒子」のことです。

原子核という言葉を聞いたことがあるでしょう。どの原子でも、原子核というものを持ち、その周りを電子というものがスゴイスピードで回転しています。さらに原子核は「陽子」「中性子」を持ちます。そして、電子はマイナス、陽子はプラスの電気を持っています。普通、原子は陽子と電子を同じ数ずつ持っていて、全体的に見れば電気を持っていないということになります。つまり、「電気的に中性」です。中性子も電気を持っていません。ちなみに、水素は1番、ヘリウムは2番など原子番号がついていますが、これは陽子の数を示しています。

同じ原子番号の原子でも、中性子の数が違うことで科学的な性質はほぼ同じですが区別されます。中性子の数が違うことで原子の重さが変わる。陽子の数と中性子の数を合わせた数を質量数といいますが、中性子が増えるにつれこれも増えます。水素の例を見てみましょう。私たちが普段飲む水の分子は、1つの酸素原子と2つの水素原子からなっていますね。この水素原子は中性子をもたず、陽子1個のみを持つので、質量数は1です。ただし、中性子を1つ持つ水素原子から構成される水分子が多い水というのもあり、重水と呼ばれます。その水素原子は重水素(デューテリウム)と呼ばれます。このように、原子番号は同じでももつ中性子の数が違う原子を持つ場合があり、それを同位体(アイソトープ)と呼びます。水素原子には、もう一つ同位体があります。中性子を2つもつ、三重水素(トリチウム)というものです。これは、放射線を出します。つまり、放射能をもつので、同位体の中でも放射性同位体(ラジオアイソトープ)といいます。これは、後ほど取り上げます。

本日は、いろいろな種類の放射線を見て締めましょう。

放射線の性質は、電離作用を持つということが共通点としてあります。電離とは、電子が原子核の陽子をふりきって離れ、イオンになることです。

まず、アルファ線。これは、ヘリウム(原子番号2、質量数4)の原子核が高速で移動しているものです。

続いて、ベータ線。これは、電子が高速で移動しているもの。

中性子線は中性子が高速で移動します。これに関してはそのままですね。

X線、ガンマ線は、電磁波であり、とくにX線はレントゲン写真やCTなどで使う放射線です。ガンマ線はがん治療、器具の滅菌等に利用されています。

次回は、シーベルトなどの単位、人体への影響などについて書きます。この話題は複数の回に分けて行きますので、ご愛読宜しくお願い致します。