Life and Imagination

ゆるりとした日々と色んな話

散歩とディジョンソース

2006-01-12 | Food
石田衣良の小説を一気に読破すると、なんとも散歩に出たい衝動に駆られた。
夕方五時半を過ぎ、外は真っ暗だったけれど頭から爪先までみっちりと防寒をして
表へと出た。
スンとした乾いた冷たい空気が、一日読書で訛った体に心地よかった。
そのままどこまでも歩いて行けそうだった。
てくてくテクテク、真っ直ぐまっすぐに歩いていった。
歩いたことのないその道にはさして面白いものもなく、そろそろ帰ろうかと
思ったところ、どうにもお腹が空いていることに気がついた。

もう少し歩いて角まで行けば、この街でおいしい!と評判のお店だった。
一度食べたことのあるそれを思い出して、どうしてもそこに向かわずにはいられなかった。
歩きすぎて疲れた体とほどよい空腹感、そのお店のそれを食べるのに
ふさわしい夜のような気がした。

おいしい食事を食べられることを想像して歩く道のりというのは
どうしてあんなに幸福感に満ちているんだろう。

南アフリカ産の赤ワインは、森に立ち込める濃い木の香りがした。
かすかな渋みとベリーの軽い甘さが食欲を一層そそった。

柔らかな豚のお肉はあの日と同じ味がした。
たっぷりとかかったディジョンソースが濃厚にお肉と絡み合い
絶妙なハーモニーだった。
濃厚なのにマスタードの酸味が効いていて、口に運ぶ度にため息が
でるほどだった。
おいしい食事と赤ワインに揺蕩い、幸せな眠りにつきました。

この味が恋しくなったら、てくてく歩き、あの角までまた行こう。

ところで、ディジョンソースの美味しい作り方ってご存知ですか?
今日食べたのは茶色がかったソースだったのだけど
茶色は何から来ているのでしょう?
ホワイトのデイジョンソースもあるみたいですね。
うーん、どれが本当なんだろう?


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1 コメント

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散歩 (tiko)
2006-01-16 06:55:40
知らない街を散歩するのはどこであれ、いつも何か新しい物に出会える気がしてワクワクしますね。

おいしい食事はそれだけで幸せにしてくれて、どこか恋愛に似ているような気がします。自分を満たしてくれる物はいつも思い出に残って素敵ですよね。なので私は食べる事が好きです。そいった小さな幸せが外国で暮らす醍醐味なのかなと思う今日この頃。

私は帰国までもう少しです。

いつかのあの味、また食べれるといいですね。
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