ゆうた 柏の詩人

　　　　　　　　　　　　下弦





　　　　　月は　流れにまかして浮いていた


　　　　　墨色に染まった　川面に


　　　　　曲見の姿が映る


　　　　　泣きださんばかりに　伏した眼で


　　　　　川底をのぞく　想いに


　　　　　悲しみが　流れにただよう


　　　　　下弦の月は　闇の深さを探るように


　　　　　白い光を　川の流れにおとした


　　　　　母の慈愛をたたえる


　　　　　曲見の面は　迷わず光の帯にしずみ


　　　　　光が照らす白い道に　無くしたものを探し出す