桜の腹黒日記

ヲタ日記。毒吐きまくり。嫌な方は回れ右!責任は持てません!
…更新不定期中。遡ってふいにアップしてたりします。

アルシェリSSS

2016-01-03 | マクロスF

 

ギリギリeye~♪
聞きなれないフレーズにアルトは家事の手を止めた。
シェリルは楽しそうに楽譜を埋めている。
「新曲か?」
アルトの問いにシェリルは一瞬だけ手を止めるが、顔も上げずそのままペンを動かし始めた。
「ん~、違うわよ」
「?」
「ヴァールなんとかって病気はやってるじゃない。それが歌で鎮められるって。それを鎮めるための音楽ユニットがあるって聞いたのよ。その子たちの曲」
「そういえば辺境で突然暴れだす奇病がはやってるって。アレか。…歌で鎮められるのか?」
「そうよ!歌は無敵なんだから」
自慢げに鼻をつんとさせたシェリルを横目にアルトはこっそり苦笑いを浮かべた。
俺の歌姫は相変わらずだ。
「辺境すぎてなかなか音源手に入らなくって。やっと聞けたんだけど、なかなかいのよ!」
「へぇ」
珍しく絶賛の様子だ。
「それでお前は何してんだ」
「音源しか手に入らなかったから楽譜に起こしてるの」
「なんで?」
「なん、で、ですって?!」
シェリルは手を止めてキッとアルトを睨み付ける。
「あんたバカなの?」
「あぁ?」
瞬間的にアルトの額に怒りマークが浮かぶ。
「この子たちにできるんだからあたしにもできるに決まってるじゃない!だったらあたしだって歌えるようにしておくできでしょ!」
相変わらず嫁の理屈がわからない…。
アルトはがっくりと肩を落とした。
「お前はお前の歌も効くって思ってるわけか?」
「当たり前じゃない。あたしはシェリルよ」
ほんとバカなの?と顔に書いてある。
「…ただ、曲そのものにもなにかあるのかもと思って」
そこでやっとアルトはシェリルの行動を理解した。
自信満々にくせに音楽には真摯で、真面目で、勉強家なのだ。
「ーそれで秘密はありそうか?」
シェリルは楽譜を持ち上げ首をかしげた。
「う~ん。いい曲ってだけね。うん、いい曲」
アルトには分らないが、シェリルには音符羅列でしっかり”音楽”が聞こえてるんだろう。
「いつか一緒に歌ってみたいわ」
シェリルの目がキラキラ輝く。
ほんとうにコイツは…。何度、惚れ直させれば気がすむんだ、まったく。
アルトは内心でひとりごちる。もちろん恥ずかしいので口にも顔にもださないが。
口にしたのは別のことだった。
「お前のことだから叶えちまうんだろ?」
 アルトの問いに、シェリルは目を見張って、次に最上級の笑顔を浮かべた。
「もちろんよ!あたしはシェリル。シェリル・ノームですものっ!」

 



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