内閣府ほか、「自動走行システム」の国家プロジェクトを立ち上げ
2020年後半までに「完全自動走行」の実現を目指す
(2014/11/12 21:36)
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141112_675775.html
内閣府は11月12日、「SIP-adusメディアミーティング」を開催し、自動運転に関する国家的な取り組みが
始まっていることを解説した。
SIPとは「Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program」の略称で
「戦略的イノベーション創造プログラム」を意味する。現安倍政権は「世界一を目指すためには
イノベーションが不可欠」としており、2013年6月7日に「科学技術イノベーション総合戦略」、同6月14日には
「日本再興戦略」を閣議決定している。SIPはこれに基づく施策であり、社会的に不可欠で日本の
経済・産業競争力にとって重要な課題を「総合科学技術・イノベーション会議」が選定する。特徴としては、
各府省が縦割りを廃して横断的に取り組むこと、基礎研究から実用化・事業化まで見据えて一気通貫で
研究を行うこと、企業が研究成果を活用しやすい知財システムを構築することなどが挙げられている。
2014年度の政府予算では、「科学技術イノベーション創造推進費」として500億円が計上されており、
10のテーマに対して20億円~61億6000万円が割り振られる。このなかのテーマの1つとして、自動車の
自動走行(自動運転)システムが盛り込まれており、25億3500万円の予算で官民一体となった研究開発
がスタートしている。各テーマにはとりまとめ役の政策参与(プログラムディレクター)が置かれ、
自動走行(自動運転)システムは、トヨタ自動車 顧問でITS Japanの会長を務める渡邊浩之氏が就任
している。本会見では、渡邊氏が自動走行(自動運転)システムの内容とロードマップを語った。
ちなみに、adusは「Innovation of automated driving for universal service」を略したものとなる。
自動走行(自動運転)システムプログラムは「人々に笑顔をもたらす交通社会を目指して」をスローガンに、
以下の3つの目標を掲げている。
1 交通事故死者の低減
2 国際的な自動走行システムの実現と普及
3 東京オリンピックまでに次世代公共交通システムの実用化
1番目の「交通事故死者の低減」に関しては、2018年を目途に人口10万人あたりの交通事故死亡者を
2500人以下にするというのが国家目標として掲げられており、そのための手段として自動走行システムを
用いるというものだ。解説によると、交通事故の発生は減少傾向にあるが、その減少率は鈍化しており、
何らかの対策が必要だという。また、交通事故死者の割合で52.7%を高齢者が占めており、そのうち
26%は注意を欠いた「漫然運転」やステアリング操作のミスなどの「運転操作不適」が原因とされている。
こうした人間のミスによる事故を自動運転で防ごうというのが本プログラムの狙いの1つだ。
2番目に関しては、渡邊氏は「国際会議で各国と連携しながら実用化を推進する」と明言を避けたが、
国家プロジェクトとすることで現在各自動車メーカーが独自に行っている自動運転に関する研究をとりまとめ、
いち早く国際的な自動運転の規格を立ち上げることで日本が先んじてリーダーシップを確立。国際会議での
発言力を確保し、日本メーカーの国際競争力を高めようという狙いがあるようだ。
3番目は、東京オリンピック・パラリンピックに併せたインフラ整備に自動運転のシステムパッケージを
盛り込んで普及の契機にしようというもの。
オリンピック会場に人員を輸送するバスなどに採用される可能性が高い。
続き
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20141112_675775.html
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