電力不足で海外脱出が加速か
2011-06-28 中野雄太氏ブログ転載
http://yutasteve.blog.fc2.com/blog-entry-637.html
夏の電力不足が喧伝されるようになり、
生産ラインを関西や九州に移転したり、
中には海外に移転するケースも増えている
とのことです。
確かに、浜岡原発の停止以降、電力不足を
訴える電力会社と製造業の記事が目立ちはじめました。
下記の記事をご覧下さい。
転載始め
【国内企業、電力不足で日本脱出続々―“思い付き"脱原発にも不信感】
2011年6月26日 産経
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110626/biz11062620580008-n1.htm
原子力発電所の停止による全国規模の
電力不足を受け、生産拠点などを海外に移転する
動きが広がってきた。
電力安定供給の確保の道筋が見えないまま、
「脱原発」色を強め、自然エネルギーへのシフトを
強める菅直人政権への不信感も、日本脱出に
拍車を掛けている。
東日本大震災を教訓としたリスク回避のための
拠点分散化の動きも重なり、「産業の空洞化」が
一気に加速しかねない。
「(海外に)出ていくのは目に見えている」。
家電や自動車用の精密小型モーターで世界
シェアトップの日本電産・永守重信社長は
21日の会見で、主力拠点を置く関西電力管内で
15%の節電を求められたことに強い懸念を示した。
同社は滋賀県にあるモーターの試験設備を
海外に移す検討を始めた。大量の電力を消費
するうえ、停電で貴重なデータが失われる
可能性も否定できない。
日本のモノづくりの根幹である研究開発施設に
まで移転の波が押し寄せている。
HOYAは、デジカメなどのレンズに使われる
光学ガラスの生産を昭島工場(東京都昭島市)
だけで行ってきたが、中国・山東省での工場建設を
決めた。今年12月にも稼働させる。
ガラス原料を溶かす生産工程で、電力の安定
供給が欠かせないためだ。
三井金属は、高機能携帯電話(スマートフォン)向け
回路基盤の材料となる電解銅箔の製造ラインを
マレーシア工場に新設する。唯一の拠点だった
上尾事業所(埼玉県上尾市)が、東京電力の
実施した計画停電の影響で操業停止に
追い込まれた苦い経験が背中を押した。
マレーシア工場はこれまで汎用品だけを
製造してきたが、国内生産の“牙城"だった
高付加価値製品も手がけることになる。
リスク回避のための分散も止まらない。
半導体大手ルネサスエレクトロニクスは、
台湾やシンガポールの企業への委託生産を拡大する。
震災で高いシェアを持つ自動車制御用
マイコンの供給が途絶え、自動車メーカーの
大規模な減産を招いたことから、
「一つの製品を複数の拠点で生産
できるようにする」(赤尾泰社長)。
ここ数年、国内拠点の統合を進める一方で、
中国などの拠点を増強してきた自動車部品の
ユーシン。田辺耕二社長は
「日本での部品生産がゼロになることも考えている」と
公言してはばからない。
経済産業省が大手製造業を対象に実施した
緊急アンケートでは、サプライチェーン
(部品供給網)を海外に広げる可能性があると
回答した企業は、7割近くに上った。
供給網の脆弱さを痛感した大手メーカーの要請が
、関連企業の海外シフトに拍車を掛けている。
国内企業が最も危惧するのが、電力供給の
先行きだ。定期検査で停止中の原発の
再稼働のめどはたたず、来春には全原発が
停止する恐れがある。
一方で、菅首相が意欲を燃やす自然エネルギーで
原発を代替できる見通しもない。
原発停止で増大する火力発電用燃料の
調達費に加え、割高な自然エネルギー電気の
導入コストは電気料金値上げにつながり、
企業の収益を圧迫する。
みずほ総合研究所の市川雄介エコノミストは
「(自然エネルギー普及は)思いつきのレベルに
すぎない。中長期的なエネルギー政策を明示
しないと、空洞化を防げない」と警告している。
ーー転載終わり
今年の夏は非常に暑くなります。
電力不足が懸念される昨今、エネルギー問題は
どのように推移していくか、依然として不安が
残ります。産業界からこのような主張が出てくるのは、
ある意味当然です。果たして、政府はどのように
受け止めているのでしょうか
。