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2017年、マスコミ大パニック――トランプ大統領に右往左往?

2017年01月03日 00時00分00秒 | 政治・拡散記事・報道・海外
シリア内戦に介入すると言いながら言葉だけで問題を放り出し、中国の南シナ海での人工島建設や、北朝鮮の核ミサイル開発に見て見ぬふりを貫き、「核なき世界」という大言壮語でノーベル平和賞を取るような大統領のアメリカがよかったのか
 

2017年、マスコミ大パニック――トランプ大統領に右往左往?

年の初めにする予想は、たいていが外れると相場は決まっている。

中国が崩壊するだとか、朝鮮戦争が再発するだとか、あるいは第三次世界大戦が勃発するだとか、はたまた日本政府の財政破綻や、年金の崩壊、政権交代などなど、予想のテーマは尽きない。何人もの識者や評論家が予想して、当たる予想は極めてわずかだ。だから、「2017年、マスコミ崩壊」と新年に宣言したところで、考えていた通りの結末が待っている確率は、おそらくとても低い。

しかし、世界中でエリートが運営するメディアの動向については、ほぼ確実に言えることがある。それは、トランプ米大統領の一挙手一投足をまるで世界の終わりのように喧伝し、ヒステリーをあおるということだ。

そうした動きは、すでに始まっている。アメリカの大手メディアは選挙中から、トランプ氏は大統領になるには人格的に不適格で、彼が大統領になれば貿易戦争で世界恐慌が起き、世界の各地で戦争が起き、イスラム教徒はアメリカから投げ出され、民主主義が破壊されると一大キャンペーンを張った。その影響を受けて、日本のメディアもトランプ大統領のもとで世界秩序が破壊されるという主張を繰り返した。おそらくは世界中のメディアが、同様の反応を示したと考えられる。

報道をまともに受け取れば、まるで世界の終わりが近いかのような錯覚に陥ることになる。実際にアメリカでは、トランプ氏の当選によるショックとストレスで、日常生活に影響が出ている人もいるようだ。ワシントンの美容院では、髪を大胆に切ったり、色を変えたりする女性が増えたという。トランプ氏の当選がストレスになって、食べ過ぎで体重が増えた人も出ている。あるセラピストは患者どころではなくなってしまい、「世界が制御不能になろうとしているのに、どうして患者に治療できるだろうか」とコメントしている。

日本でも2011年の東日本大震災の際に、繰り返される震災の報道などが原因で、急性ストレス障害になったアーティストがいた。だが、今回の「トランプ・トラウマ」の方が、事態はより深刻だ。震災の場合は、実際に甚大な被害が出たし、福島第一原発の問題も長引いたため、ストレスを感じる現実の要因があった。一方で今回の場合、トランプ氏はまだ大統領に就任してさえおらず、メディアが垂れ流す終末論は、あくまでも、まだ仮説の段階に過ぎない。にもかかわらず、多くの人々が報道からストレスを感じるというのなら、これは「報道被害」そのものである。

就任する前からこのような状態なのであれば、実際にトランプ氏が大統領として仕事を始めれば、マスコミのヒステリーの度合いはさらに増加していくことだろう。

オバマ大統領のように、実際の行動よりも演説が好きで、説教師のようなソフトな言葉を操り、「核なき世界」のビジョンのように軍事から距離を置こうとする政治家は、メディアの人気を集めやすい。オバマ政権を振り返って、「もうすでに彼が恋しい。揺るぎない合理性、個人的スキャンダルのかけらもなかった8年間が懐かしくてしょうがない」と、薄気味悪いラブレターを堂々と紙面に書く米大手紙のコラムニストもいるほどだ。

それに対して、トランプ次期大統領が掲げる「力による平和」のスローガンのように、アメリカの強さによって世界の秩序を守ろうとするリーダーは、戦争屋という批判が付きまとう。確かに、トランプ政権の誕生を前に、中国は軍事的な挑発を加速させ、はやくも台湾をめぐってつばぜり合いが起きそうな兆候もある。

しかし、警察が犯人に毅然とした態度で臨むように、国家も時には力の行使も辞さないという姿勢が必要になる。そして、多少の紛争が起きたとしても、大きな目で見れば、そうした態度が、より重大な侵略行為を防ぐことにつながる場合もある。

一部のマスコミは「オバマ政権が懐かしい」という主張を、繰り返すかもしれない。しかし、一歩立ち止まって考える必要がある。「戦争の波は引いている」と一方的に宣言して世界から身を引き、撤退ありきのイラク政策でイスラム国の台頭を招き、シリア内戦に介入すると言いながら言葉だけで問題を放り出し、中国の南シナ海での人工島建設や、北朝鮮の核ミサイル開発に見て見ぬふりを貫き、「核なき世界」という大言壮語でノーベル平和賞を取るような大統領のアメリカがよかったのか。あるいは、力を示すことで秩序を守ろうとするアメリカがいいのか。そのどちらかを、見抜く必要がある。

2016年は、マスコミのエリート体質が、世界的に明らかになった年だった。イギリスのEU離脱の国民投票の時にも、アメリカ大統領選の時にも、各国のエリート・メディアは有権者を「愚かな判断をした無知な大衆」と見下し、国民の良識に堂々と唾を吐きかけた。普段は自らを「民主主義の旗手」と任じ、国民の知る権利に奉仕することが仕事だと言っている彼らが、馬脚をあらわし始めたとも言える。

それなら2017年は、トランプ大統領をめぐって世界中のマスコミが展開する“集団ヒステリー”の中で、私たちが良識をもって真実を見抜けるかが試される年ということかもしれない。「マスコミ崩壊」が起きるかどうかは分からない。だが、メディア・リテラシーの重要性が、さらに高まる1年になることは、ほぼ確実だと言うことができる。

(※ 筆者のブログから転載しました。)Main photo by Fotolia.com


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
その通り! (イマコダマ)
2017-01-03 01:17:03
呉 亮錫さんと言うのですね。
この方、ホント良く判ってらっしゃいますね。100%同意です。
相性がいいのかも。

で、
ザ・ニュー・スタンダードというWEBメディアの編集長なのですかね。
サイトを見ましたが、
ざっと記事を見る限り、
リバティを見てるかと思いました。
素晴らしい!

で、“『親日の在日』として”と言う本を書かれ、その後帰化されたのですね。

帰化される人が皆呉さんみたいな人ばかりなら、心から帰化を歓迎するんだけどね。

ホント応援したい。
これからも是非頑張って頂きたいですね。
ブログのタイトルも自分のにちょっと似てて嬉しい。

イマコ

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Unknown ()
2017-01-04 20:24:43
確かこの人は、
記憶が間違っていなければ、
初期のリバティー編集部にいた人だったと思うけど。
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エ―― (イマコダマ)
2017-01-04 23:53:17
エ――――、そうなんですか。

だとしたら、凄い事ですね。

更に、応援します!

イマコ
返信する

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