中国、勢いを増す軍備拡張=
2012年国防予算11.2%増
[HRPニュースファイル203] 転載
全国人民代表大会の李肇星報道官は4日、中国の
2012年予算案の国防費が6702億7400万元と発表しました。
日本円にして約8兆7000億円、前年度比11.2%増で、
2年連続で2桁の高い伸びとなります。
ドル換算では約1064億ドルとなり、初めて1千億ドルの
大台に乗りました。これは、日本の防衛関係費の約1.85倍、
世界では米国に次いで3年連続で2位となります。
李報道官は「我が国は13億の人口を抱えるのに他国と
比べてもまだ低いくらいだ」といいますが、
兵器の研究開発費などはこの国防費には含まれていません。
よって、「見えない国防費は1.5倍~3倍にも上る」
といわれます。中国はこの10年間で国防費を3.5倍に
急増させました。
人件費の他、急ピッチで進む兵器の近代化に伴い、
訓練や、維持費用が飛躍的に上昇しており、空母の建造、
潜水艦開発など、中国は急増するエネルギー需要を
背景に海洋進出の姿勢を強めています。
そして、米国が昨年からアジア太平洋回帰の動きを
強めていることへの警戒感も、国防予算の増額に
つながっています。
中国は、秋に指導部の大幅な世代交代が見込まれる
党大会を控えています。毛沢東は「政権は銃口から生まれる」
と説きましたが、次期国家主席が確実な習近平氏も、軍内の
支持を得られるかどうかが政権維持の鍵を握ります。
胡政権は、兵士への大幅な昇格を繰り返し、軍掌握と求心力
の維持に努めてきました。
その意味では、習氏の軍内の基盤はまだ脆弱であり、
国防費削減などを言いだせる状況にはとてもありません。
習政権になったその後も、軍拡路線が続くのは間違いありません。
特に、習近平氏はウィグル人虐殺事件(2009年7月)の
責任者であったことからも分かるように、ジンギスカンの
ように大虐殺によって帝国を広げていこうとする侵略主義者
であり、各国はより警戒を強めるべきです。
(『世界皇帝をめざす男 習近平の本心に迫る』
大川隆法著、幸福実現党刊⇒ http://goo.gl/9kgJl)
また、中国政府は、3日、日本政府が沖縄尖閣諸島の周辺を含む
無人島に命名したことに対し、独自に71の島に命名する対抗措置に
出ました。
「日本側がいかなる名称をつけてもこれらの島が中国に帰属
するという事実は変えられない」と強調していますが、
中国が豊富な海底資源が眠る尖閣諸島周辺の領有を狙って
いることは明らかです。
最近の中国公船の横暴な活動には目に余るものがあります。
日本は海保の警察権強化に向け、海上保安庁法などを
一部改正する法案が国会に提出されましたが、
万全ではありません。
戦時でもないのに20年間、軍事費を増大し続ける中国の
「海の軍拡路線」に備え、日本政府は国民の生命・安全を
守るために、早急に法整備を進めるべきです。
そして、法整備を盤石にし、自主防衛を強化し、
国境の守りを固め、中国の脅威に対し、毅然とした姿勢で
対応すべきです。
(文責・竜の口法子)
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