尖閣諸島の実効支配を狙う中国への対策
2012-08-02
井原義博 氏 ブログ転載
1.羅援少将の戦略
中国人民解放軍の羅援少将は、今年の7月2日に出演した香港の
テレビ番組で「尖閣占領のための六大戦略」を発表しました。
その内容は、
1.釣魚島を釣魚島町とする
2.領海を法律で制定し全人代で宣言する
3.釣魚島周辺海域でミサイル発射を含む軍事演習を行う
4.国家海岸警衛隊を設置して釣魚島近海の警護を行う
5.石油採掘、漁業、観光などの事業を行う
6.南シナ海と尖閣諸島の領有権を世界に向けてアピールする
というものです。
今年に入ってから中国の漁業監視船が尖閣諸島付近の
排他的経済水域(EEZ) 内に頻繁に入り込むなど、中国が行動を
エスカレートさせています。
そうした中、東京都の石原都知事が尖閣諸島の購入を目指すことを発表し、
一方野田政権も国としての購入の意思を表明しています。
羅援少将の提言は尖閣諸島の実効支配を目指すための具体的な行動を
示すものであり、中国政府は今後この提言に沿った行動を進めてくると思われます。
実は、ほぼ同じようなことが南シナ海ではすでに起きているのです。
2.三沙市の設立
羅援少将は今年の3月に、フィリピンやベトナムと領有権を争っている
西沙諸島などに「県」を設置して行政管理を行うべきである、という、
今回と同じよう内容の提言を行っています。
そして中国政府は3ヶ月後の6月21日に西沙、南沙、中沙諸島を「三沙市」
とすることを決定しました。
さらに7月23日には市長を選出しました。
人民日報系の国際問題専門誌である環球時報は
「三沙市の第一の任務は主権を守ることだ」という論評を掲載しています。
三沙市を設立したのは、実効支配からさらに踏み込んで、支配を一層強化する
ためなのです。一方産経新聞の報道によると、中国高官は「もし日本が釣魚島
( 沖縄県・尖閣諸島の中国名) 問題で挑発し続けるなら、一戦も辞さない」
と発言しています。
これらの一連の動きを見てみると、今後中国が行動を正当化するために、
尖閣諸島に対して三沙市と同様の事を仕掛けてくることは容易に想像できます。
そして何度も本ブログで指摘していますが、中国は沖縄の支配も視野に
入れています。
琉球はかつて中国領であった、とことあるごとに主張を繰り返しているのです。
このまま何もしなければ、尖閣諸島や沖縄は、中国の支配下に置かれることに
なってしまうのです。
3.効果ある対策
それでは中国からの支配を免れるためには何をすれば良いのでしょうか?
まず、日米同盟の堅持です。
今、オスプレイの配備の反対運動が各地で起きています。
そもそもオスプレイは現行の機種よりも航続距離が2倍、積載量が2倍以上、
速度も2倍と、非常に機動性・可搬性に優れています。
オスプレイの反対運動は直近に2件の墜落事故がおきて安全性に疑問を
持たれているからですが、本格運用後の事故率はむしろ海兵隊全体で
運用している航空機の平均よりも低い値です。
この反対運動の後ろには、アメリカの軍備増強を快く思わない人たちが
いるということを見抜かねばなりません。
オスプレイが沖縄に配備されることにより、中国に対する抑止力は
飛躍的に高まるのです。
中国という国は、相手が弱いとかさにかかって攻めてきますが、相手が強く
反発してくると引っ込む、という行動パターンをとる国なのです。
ですから、憲法を改正するなどして、日本自身が「自分の国は自分で守る」
という独立国家としては当たり前のことを可能にしていかなくてはなりません。
日本とアメリカが一体となって、中国の力による支配に対抗する姿勢を
見せることが、非常に重要なのです。
その上でアジアの各国とも(オーストラリアも含めて)連携を深めて、
中国の覇権主義的な動きに対しては集団で対抗していくよう、
外交戦略を進めていくべきなのです。
http://ameblo.jp/muggle1009/entry-11318527865.html
転載、させていただいた記事です
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