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view〝工場萌え〟魅了 富士との共演 静岡県の東海工業地域
http://www.sankei.com/photo/photojournal/news/171217/jnl1712170003-n1.html
晴天にもかかわらず、富士山は厚い雲に覆われていた。「今日の撮影はだめか」と諦めかけたとき、西からの風で雲が流れると、巨大な金属の塊の奥に冠雪した山頂が現れた。
夜間照明がともり始めた工場と富士山。人工物と自然の組み合わせが異質な景観を作り出した。
富士の裾野、静岡県の臨海部には東海工業地域が広がる。温暖な気候と三大都市圏を結ぶ鉄道や高速道路が整備され、豊富な湧き水で工業用水の確保が容易だったことから産業が発展した。製紙、食品、輸送機械など、さまざまな工場が林立している。
工場の景観を愛好する“工場萌え”のファンが年々増えている。
静岡県富士市では昨年12月に「全国工場夜景サミット」が開催されたのを契機に、夜の観光資源として工場夜景を売り出している。写真家を講師に招いた女子限定ツアーは、募集開始後すぐ定員に達するほどの人気で、30代の参加が多かった。今年は首都圏からの夜景撮影バスツアーも企画して好評だという。
全国に数ある工場夜景の中でも、富士山との“共演”が撮影できるスポットは特に魅力的だ。気象条件に左右されるため、難易度は高めだが、狙いの一枚が撮影できたときの喜びも大きい。
岐阜県羽島市の水野秀治さん(66)は「撮影は4回目。やっと一枚に収めることができました。山頂の雲が消えないことが多く、苦労しました」と笑顔を見せた。
日本人の心を引きつける富士山。いつもとは違ったアングルで望む霊峰もまたいいものだった。(写真報道局 桐山弘太)