米、中国の表記強制に抗議=台湾めぐり「威嚇やめよ」
2018/05/06 10:52
【ワシントン時事】米ホワイトハウスは5日、中国が米国を含む民間航空会社に台湾を中国の一部として表記するよう強制しているとして、「全体主義的なばかげた行為だ。威嚇と抑圧をやめるよう求める」と抗議する声明を発表した。
声明によると、中国民用航空局は4月25日付で、世界36の航空会社に書簡を送付。台湾や香港、マカオが中国の一部であることを明確にするよう、ウェブサイト上などの表記改善を求めた。
米紙ワシントン・ポスト(電子版)が報じた米ユナイテッド航空宛ての書簡によると、中国当局は「台湾」の表記を「中国台湾」などに改め、地図上で台湾を中国本土と同じ色で扱うよう要求。「5月25日までに改善されなければ行政処分を科す」と警告したという。
サンダース米大統領報道官名で出された5日の声明は、中国の要求を「米国企業や米国民に自国の政治的立場を押し付ける中国共産党の近年顕著な傾向」と指摘。「検閲と『(中国にとっての)政治的正しさ』の輸出には抵抗しなければならない」と述べ、米政府として容認しない姿勢を鮮明にした。
「台湾は中国の一部」 米航空会社に中国が注文、米国が猛抗議
【AFP=時事】米ホワイトハウス(White House)は5日、中国政府が台湾や香港(Hong Kong)やマカオ(Macau)を中国の領土として表記するよう米国の航空会社に強要しているとして、強い言葉で抗議した。
ホワイトハウスによると4月25日、中国民用航空局(Chinese Civil Aviation Administration)から米国を含む外国の民間航空会社36社に宛てて、中国政府の基準に準拠した地名表記を求める通知書が送付されたという。
この要求についてホワイトハウスは声明で、英作家ジョージ・オーウェル(George Orwell)が小説で描いた全体主義国家を示唆する言葉を用い「オーウェル的で、ばかげている」と切り捨てた。さらに、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は米国の企業や市民に中国の政治的正当性を押し付けようとする中国共産党(Communist Party)の動きにあらがう米国人らのために立ち上がる構えだと付け加えた。
米各航空会社のウェブサイトは5日現在、アメリカン航空(American Airlines)は台湾、香港、マカオを中国の一部としては扱っていない。一方、ユナイテッド航空(United Airlines)とデルタ航空(Delta)は台湾については中国と別に表記しているが香港とマカオは中国領としている。
【翻訳編集】AFPBB News