本誌2010年3月号 山口敏太郎氏の記事、抜粋
歌舞伎界を護れ。それが日本を護ることなのだ
九代目「市川團十郎」の死後、59年のブランクを経て
團十郎が復活。九代目は30歳の時に押し入り強盗で養
父を刺殺され、彼自身は九死に一生を得たが、終生
養父のうめき声が耳から離れず、また自身の養子が
「眼病」で若死にするなど因縁めく。
海老蔵さんにお岩さんの呪い?
2010年夏に市川海老蔵さんが『東海道四谷怪談』で伊右衛門を
演じてました。ニュースではお岩さんを演じた中村勘三郎さんが
四谷稲荷にお参りする映像が流れてました。ところが
海老蔵さんはどうもお参りした様子が見えない。
でも海老蔵さんはお参りしないとまずいんです。
もともと「四谷怪談」は七代目市川團十郎が鶴屋南北に書かせた
ものなんですね。つまり、二人はお岩を怨霊に仕立て上げた
「共犯者」。
その血筋の人が、お参りしないとやばいじゃないですか。
そしたら海老蔵さんの事件でしょう。
海老蔵さん、殴られて「左目」が出血してましたけど、
お岩さんも腫れていたのは「左目」。
さらに海老蔵さんは、「怪談」は「怪談」でも踊り場のある
「階段」で殴られた。
それと、伊右衛門をお岩から引き離した侍が「伊藤喜兵衛」ですが、
海老蔵さんを殴ったのはやはり同姓の「伊藤」。
妙な因縁を感じませんか。
歌舞伎は日本の結界
実は「市川團十郎」という存在はとても大切なのではと最近
思うんですよ。
歌舞伎とか相撲は、日本を霊的に護る一つのまつりごと、
神事なんです。それなのに今、非常に乱れている。
だから日本が中国やロシアから圧力をかけられている。
そもそも歌舞伎の隈取は魔よけなんです。
それから見得を切りますがあれも、魔物に対する睨み。
六方を踏む動作も地鎮の祭り。歌舞伎はある意味「結界」であり、
これがだめになると日本も
ダメになる。実は團十郎不在の時期がありました。
1903年から62年まで一59年間途絶えていて、この間に日露戦争、
第一次世界大戦、日中戦争、太平洋戦争と戦争が続き、
日本が海外ともめた時期なんです。
もし團十郎さんが倒れたり、海老蔵さんが襲名できなくなったり
したら、もう中国の漁船の体当たりじゃすまないですよ。
だから、マスコミは海老蔵さん報道もほどほどにして、
歌舞伎界が発展するように温かく見守って、ポジティブな意見を
書いてほしいですね。
まつりごとの歌舞伎の中心入物である
團十郎という名跡を日本人全体の宝として護る。
これが国体の護持であり、大和魂でもあるんです。
ザ・リバテイ 2011.3