老いた中国経済が、世界を揺るがす衝撃のシナリオ
中国の来るべき経済危機が、世界に影響を与える構造
どんな経済危機も、構造は同じです。
中国は、世界GDPの11%を占めている(IMFによると、2013年12.2%)。
この国の景気が悪化すると、「消費」が減る。
すると、世界から「物を買わなくなる」(輸入減)。
そうなると、中国に輸出している企業は、生産を減らさざるを得なくなります。
生産を減らして、売り上げも利益も減ると、会社と従業員の所得が減ります。
所得が減った会社と個人は、「投資」も「消費」も減らします。
すると、「つくっても売れなくなる」ので、他の会社も「生産」を減らす。
こうして、「不景気のスパイラル」が世界に波及していくことになります。
中国消費減 → 世界生産減 → 世界所得減 → 世界消費減→ また世界生産減 → また世界所得減
以下、同じプロセスの繰り返し。
実際中国の景気減速は、すでに日本経済にも影響をおよぼしています。
少し古いですが、JETROさんのHPにはこんなデータが出ています。
ジェトロが財務省貿易統計と中国海関統計を基に、2015年上半期の日中貿易を双方輸入ベースでみたところ、
総額は前年同期比12.1パーセント減の1,480億4,567万ドルで、上半期ベースでは減少に転じました(注)。
輸出(中国の対日輸入、以下同じ)は10.8パーセント減の695億3,798万ドル、輸入は13.1パーセント減の
785億769万ドルとなりました。
輸出、10.8%減ってすごいですね。中国に輸出している会社は、大きな打撃を受けていることでしょう。
中国の不調は「一過性」のものではない
ところで、中国について「現在の不調は一過性のものだろうか?」と誰もが考えると思います。
私は「一過性のものではない」と思います。
RPEでは、10年前から「中国は08~10年の危機を乗り越えることはできるが、
2018~2020年に、深刻な危機に突入する」と書きつづけてきました。(ウソだと思う方は、過去の本をご一読ください)
08~10年の危機を超えることができた理由は、「国家ライフサイクルで、まだ成長期前期だったから」です。
2018~20年頃に起こる危機を超えられない理由は、「国家ライフサイクルで成長期後期の最末期だから」となります。
「国家ライフサイクル」。
はじめての人はわけわかりませんね。
ある国が荒れていた(移行期、混乱期)。
ある指導者が出て混乱を終わらせ、正しい経済政策をとりました。
その国は、賃金水準が安いので、「安かろう、悪かろう」で急成長していきます。
こうして「成長期」がはじまるのです。
「成長期」がつづくと、国民が豊かになっていきます。
ところが、国民が豊かになるということは、「賃金水準が高くなる」という意味でもある。
企業にとって、「生産拠点」としての魅力やメリットが薄れてくるのです。
そして、外国企業も自国企業も、「安い労働力」を求めて、他国に移っていきます。
1970年代に「世界の工場」になり、80年代に「一人勝ち」した日本も例外ではありませんでした。
いま中国で起こっていることも、同じなのです。
10年前、中国の人件費は、日本の20分の1ほどでした。
それが2013年には、5.7分の1になった。
日本企業は、「中国での生産はわりにあわないから、東南アジアに引っ越そう」となった。
インドネシアの人件費は、まだ日本の11分の1、ベトナムは20分の1。
だから、「中国で生産するのは損だ」ということなのです。
さらに、「円安だから日本に帰ろう」という動きも出てきています。
今後、中国から外国企業、中国企業が逃げる傾向は、ますます加速していくでしょう。
長くつづいた(今年廃止された)「一人っ子政策」による「労働人口減少」も、長期にわたって中国経済に打撃を与えつづけます。
というわけで、「中国で現在起こっている問題は、長期になる」と思った方がいい。
中国に期待していた欧州の国々も、ようやく気づきはじめました。
いまのうちから、対策を検討することをお勧めします。
image by: Flickr
記事全文
http://www.mag2.com/p/news/127020
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原材料を仕入れる費用が高くなり、やばいラインを超えるかなぁ。
大企業でも、苦しくなるかもしれませんね。
どの為替水準かは、専門家ではないので知りませんが。
ユダヤ資本から売ってOKだよってゴーサイン出たかな?
トランプ政権下で米ドル大暴落させて全責任をトランプに負わせる腹でしょうけど