江夏正敏の闘魂メルマガ vol.76
2016年10月18日発行
江夏正敏 幸福実現党
政務調査会長のオフィシャルブログ
http://enatsu-masatoshi.com/
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1、江夏正敏の「闘魂一喝!」
「自民党の“農政新時代”では何も良くならない―TPPから透けて見える自民党の大罪―」
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●TPP合意は良かった!?
TPPによって、世界GDPの4割にあたる広大な自由貿易圏ができます(各国が批准することが条件ですが)。
関税が下がり、参加国との商売などのやり取りが増加するのです。
日本は、このチャンスに貿易や投資を拡大し、日本経済を強くすることができます。
そして、この強大な自由貿易圏はさらに拡大する可能性があります。
ということで2015年10月にTPPが参加12ヵ国で合意したことは、とりあえずよかったと言えます。
しかし、日本の自由化率は95%で、マレーシアやベトナムは100%でした。
先進国である日本の自由化率が、途上国よりも低いとは情けないと言えます。
●農業分野に問題が残った
日本の自由化率で足を引っ張ったのが農業分野です。具体的には「米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、砂糖」です。
これによって、農林水産品の自由化率は82%にとどまり、これらの品目の関税は維持されました。
この結果を受けて、当時の森山農相が「農業に影響はない」と断言していました。
その反面、自動車産業があおりを受けました。
アメリカが自動車にかけている2.5%の関税は、25年後に撤廃すると決まったのです。
米韓は来年から自動車の関税が撤廃されるので、日本の自動車はアメリカ市場での競争条件が25年間も悪いままです。
●自民党はTPP農業対策を表明
今回のTPP合意で、農業関連はほとんど現状維持となりました。
であるにもかかわらず、自民党はTPPで農業は影響を受けるとして「農家への対策を行う」と言っています。
自民党は「農政新時代」というキャッチフレーズでTPPの農業への影響を軽減するようなイメージづくりに躍起となっています。
しかし、以下に述べるように、一番必要な改革に手を付けず、逆に減反のような悪政を強化しようとしているのです。
このように、必要もないのに対策をするということは、選挙においての農家の票が目当てと言われても仕方ありません。
●農政新時代のウソ―減反・高米価の継続
例えば、安倍政権の農業改革の目玉として打ち出した「農地バンク」というものがあります。
農地バンクが、農家から農地を借り受けて、大規模農家や農業法人に貸し付けるというもの。
一見、素晴らしく見えますが、実は1970年から40年以上も行ってきた「農地保有合理化事業」のリメイク版です。
ほとんど効果を上げていない政策を、名前を変えて宣伝しているだけと言えます。
なぜ、農地が出てこないかというと、減反で米価を高く維持しているので、零細農家が農地を手放さないからです。
政府は、今でも減反を強化して米価を上げようとする政策、すなわち農地が出てこない政策を強烈に推進しています。
にもかかわらず、農地を出させようとしても、矛盾であり効果はありません。
また、政府は農産物の輸出力を強化しようと言っています。しかし、輸出競争力をつけるためには、安い農産物を作らなければなりません。
なぜ減反を強化して価格を上げようとしているのでしょうか。これも矛盾です。
●農政新時代のウソ―農協改革の骨抜き
安倍政権は農協を改革しようと試みました。
例えば、農協を株式会社化して農協に独占禁止法を適用しようとしましたが頓挫しました。
農協から飼料・肥料・農薬・機械などを買うと、価格がアメリカの2倍もします。
それも原因の一つで高い農産物価格となり、農業の競争力を失わせています。
結局、消費者に高い負担を強いている現状は変わっていません。
●農政新時代のウソ―農地法
農家は高齢化で後継者難となっています。
農業の担い手が不足しているなか、意欲的な若者が、友人などに出資してもらい、
ベンチャー株式会社をつくって農地を取得しようとしても、農地法が認めていません。
結局、農家以外の人が農業に参入しようとしてもできないのです。
●結局、税金をばら撒いているだけ
以前のウルグアイ・ラウンド交渉でも、農業に影響がない内容になったにもかかわらず
、自民党によって農家への対策が無理になされました。
その額なんと6兆100億円です。当時の政府担当者は、「農林水産省が無理に必要額を積み上げても
6兆100億円には届かなかった」と回想しています。
それでも役所は3.5兆円を見積もったようですが、自民党を通すと6兆円になっていたとのこと。
農林水産省が要求もしていない予算がついてしまったようです。
そのほとんどが、農政に有効に使われず、土木業界で消費されたようです。
このようにして、国の借金が1000兆円にもなっていることを国民は知るべきです。
今回のTPPでも、必要もないのに農政に税金をばら撒くことになりそうです。
そして今回も農業の合理化は進まないでしょう。「いい加減にしろ自民党」と言いたくなりますよね。
●農業における関税の撤廃が必要
ざっくりと言いますと、コメの内外の価格差が逆転し始めている状況では、
コメの関税が撤廃されても、日本のコメ農業に影響はありませんでした。
逆に日本の農業にとって、関税撤廃することが必要だったのです。
高い関税で農業を守っても、少子高齢化で国内市場は縮小します。
国内市場だけでは、農業は安楽死をするでしょう。
品質が高い日本のコメが、減反廃止によってさらに価格競争力を持てば、
関税が不要になるばかりか、輸出によって世界市場を開拓できます。
●TPPで妥協した自民党の大罪
TPPでコメの関税を撤廃することができれば、減反を廃止できました。
日本の農業を再生させるチャンスがTPPだったのです。
このチャンスを見事につぶしたのが自民党の農政なのです。
自民党は党利党略で、選挙に勝つためにTPPを利用しているように見えてしまいます。
農政新時代と称して“やっているふり”をしているだけでなく、税金のばら撒きをしています。
もうそのような政治は止めていただきたい。
日本の農業を弱くし、農家の未来の発展を阻害しているのは自民党であることを多くの人に知っていただきたいと思います。
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2、編集後記
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選挙が近づくと、必ず税金をばら撒く政策が出てきます。
税金を使った票の買収とも言え、日本政府の借金を増やした元凶です。
国の借金は子供や孫の時代の税金を、親世代が前借して使っているのです。
子供や孫に申し訳ないと思うならば、ばら撒き政治を止めましょう。
それができるのは幸福実現党だけだと思っています。
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◆ 江夏正敏(えなつまさとし)プロフィール
1967年10月20日生まれ。
福岡県出身。東筑高校、大阪大学工学部を経て、宗教法人幸福の科学に奉職。
広報局長、人事局長、未来ユートピア政治研究会代表、政務本部参謀総長、
HS政経塾・塾長等を歴任。
幸福実現党幹事長・総務会長を経て、現在、政務調査会長。
http://enatsu-masatoshi.com/profile
◆ 発行元 ◆
江夏正敏(幸福実現党・政務調査会長)
◇オフィシャルブログ http://enatsu-masatoshi.com/
◇公式Facebook https://www.facebook.com/Enatsu.Masatoshi.HR
前回の参院選では、自民党の候補者は、その後TPPに何故、合意したのかが、言えなくて左翼連合の候補者に負けました。
自民党には、日本の農政のビジョンが欠如しているのでは。
嘘つきは、落選したの始まりか。
先日、地方自治体からの支援金制度を利用してハウストマトの生産を立ち上げた事業所を視察しました。
収穫の際の体力を軽減させるように工夫したハウス栽培です。
農業生産者にとっては作業の体力維持が大変で、新規参入の足かせとなっていますが、楽な姿勢での作業はありがたいことです。
設備投資に約2億円の費用がかかったそうですが、操業開始の工事完成引き渡しの時期が昨年の4月以後にずれ込んだ為に消費税が予定より600万円上乗せになって請求された事で資金捻出に困ったと言われていました。
いきなり1600万円の納税には大変な負担がかかります。
一方では援助資金をばら撒き予算を出して支援し、その一方で、消費税で前取りするのは新規参入者にとっては恐怖になっています。
消費税は弱者にとっては負担が重くかかる要素が強いと思います。
アダム・スミスの経済学も知らない低偏差値内閣でしょうか。
というか、自分は読んだことがないです^^;