菅直人氏のもとでは、日米安保が尖閣問題で「発動されない」と確信する理由について
菅直人氏のもとでは、日米安保が尖閣問題で「発動されない」と確信する理由について
[2010年09月29日(水)]
先般の中国人漁船船長の釈放以来、日本の国論が、非常に「右傾化」してきました。私たちは、こうした事態にならないように、警告をつづけてきたのですが、大変残念な状況に至っています。さて、しかしながら、安全保障に対して危機感を持っている日本人としては「最後には日米安保体制があるから、大丈夫だろう」という意識をお持ちのことと思います。
ところが、私は、ほんの少し確認しただけですが、この日米安保体制が非常に、壊れやすく、危機的な状況であり、少なくとも尖閣列島における日中間での衝突の際、おそらく米軍の援助を期待することはほぼ難しかろうという状況をかんじましたので、まだ結論ではありませんが、途中経過ということで、ご理解いただきたいと思います。
元々日米安保体制は、終戦当時の対ソ連を想定したところからできた体制であります。アメリカ自身も「自由、民主主義」という価値観を世界に広めるという、アメリカ建国の精神に基づいて、世界を席巻していた共産主義との対決に入っていきます。それが、「ソ連封じ込め」作戦でありました。主たる「戦場」は東欧であり、そこでは、NATOを作り上げ国際的な協力体制の構築に成功します。一方東アジアにおいては、第2次大戦での相手であった日本と組み、日米安保体制のもとで、米軍は、ソ連への対抗手段としてきた経緯があります。当時は、中国も共産主義体制の一角を担っていたとはいえ、まだまだ、軍事力も低くみられており、いわゆる近代化に乗り遅れた発展途上国と認識されていましたので、もっぱら、日米同盟の真の狙いは対ソ包囲網であり、対中には、ほとんど、意識になかったといえます。
ところが、90年代に入り、ゴルバチョフ時代にあっけなくソ連は崩壊し、建前上では、自由主義のロシアになり、それとともに、極東の情勢も一気に対ソの緊張がなくなることになりました。ここで、日米ともに、油断をしてしまい、危機感を共有することのない時代が20年も続いていますし、残念ながら、オバマ政権は中国宥和政策を推進しているため、ほとんど沖縄という地理的な優位を理解していないと思われます。
また、日本の政権そのものが、民主党による運営になり、鳩山・菅という二代の首相が明らかに日米同盟を離反させかねないような判断をつづけているため、アメリカ側の不信感も相当なものになっているはずです。とくに、沖縄での普天間飛行場移設問題に対して、まったく非協力的な態度に終始していることは、アメリカの知日派の方の心を遠ざけてしまっていると思われます。そうした中、突如として尖閣問題が再び国政の大きな関心になったわけですが、アメリカ側からすると、東アジアの安全保障は、中国に任せてもよいくらいに考えている節もあり、本音では、「尖閣問題に関わっても何ら、アメリカの国益に利することはない」と考えているはずです。ゆえに、今回、クリントン国務長官が、尖閣は日米安保の対象だと発言があったそうですが、全く関心がないのはあきらかで、結果として日中の問題がないことを願っているはずです。
また、これも肝心なことなのですが、現菅直人氏の政権で、仮に尖閣列島で中国側の軍事的な攻撃があったとしても、菅直人氏は、自衛隊を派遣して腹をくくって戦うだけの肝っ玉があるでしょうか?これは断言できますが、決してそうした判断をくだすことはできないでしょう。もし、それだけの認識があれば、おそらく彼は総理を辞職するでしょう。それだけの国家の重責を担うだけの腹が内のです。
それは、ここ数カ月の彼の判断を見てわかりました。多くの国民の皆さんも同感でしょう。
今回は、多くの日本人が油断していると思われる「日米安保」が尖閣問題に関してはおそらく発動されることはないであろう、結局、菅直人氏は、中国のなすがなされるままになるだろうということを強調したいと思います。
こぶな将人氏のブログから転載http://blog.canpan.info/kobuna/archive/931
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