※朝日社説の「英国総選挙―二大政党制、試練のとき」も
興味深いもので、
英国では第三極の自由民主党が人気だとか。
いかるが <(_ _)>
日本再生ネットワーク
事務局長 いかるがさん
http://homepage2.nifty.com/ikaruga/
■本日の「シナの手先」朝日新聞の社説 (2010/04/17) http://www.asahi.com/paper/editorial.html
― 教員人事権―大阪の試みに注目する
― 英国総選挙―二大政党制、試練のとき
◆選挙目当ての税制論議はもう止めてほしい
(日経BP 2010/4/6)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20100406/219698/?ml
日本の法人税の実効税率は約40%と高く、世界でもトップクラスであることはよく知られている。鳩山由紀夫首相は減税に前向きの発言をしており今後本格的に検討されそうだ。
■法人税率の10%引き下げの意味を考える
そうした中、内閣府の大塚耕平副大臣は3月21日、夏の参院選に向けたマニフェスト(政権公約)で「何らかの方向感を出したほうがよい」と述べた。具体的には、法人税率を10ポイント程度引き下げ、「30%を切るところまで持っていくべきだ」との考えを示した。法人税の引き下げ自体は経済界に歓迎されるだろうが、はたして10%程度の引き下げにどれだけの意味があるだろうか。このことについて考えてみたい。
大塚氏の言うように30%を切るところまで持っていったとしても、世界の水準で見ればまだ税率の高い部類に属する(下のグラフを参照)。この程度の引き下げでは、大した経済効果は期待できない。民主党としては、これを選挙対策の柱としたい気持ちだろうが、残念ながらこちらの効果にも疑問符が付く。
法人税の低い国にはアイルランド、アイスランド、ハンガリーなどが並ぶ。こうした国々が法人税を低く設定しているのは外国企業を誘致するためだアイルランドが法人税率を12.5%と低く抑えているのも、外国企業に「アイルランドは法人税が安いから、会社の拠点を持っていこう」という気持ちにさせるためである。税率がこれだけ低ければ、コストをかけてでも国をまたいで会社を移したくなるだろう。実際、アイルランドに一部あるいは丸ごと移転した日本企業もある。サンスターは税率の低いスイスに本社を移してしまった。
■外国企業の誘致を狙うのであれば10%台に
外国企業の誘致を狙うのであれば、法人税率は10%台にしなければ説得力がない」ということだ。ライバル国が10%台に引き下げて「我が国にいらっしゃい」と言っているのに、「30%まで下げました。ぜひ日本へ」と叫んでも誰も振り向かない。せいぜい「大したことないじゃない」と笑われるだけだ。その程度の税率では、わざわざ会社を移転させるメリットは生じてこないのである。また日本電産やHOYAのような会社は海外の生産会社をうまく組み合わせることによって最終的な実効税率を20%台後半にすることに成功している。 言い換えれば、今の税制でも合法的に30%を切ることが可能だ、ということを示している。
先ほどアイルランドの例を挙げたが、世界にはもっと税率の低い国がある。ブルガリアは10%だし、モナコにいたっては法人税がなきに等しい。アジアでも香港やシンガポールの法人税率は10%台。このように世界では、10%台というラインで外国企業誘致の攻防をしているのだ。日本が30%程度に引き下げたところで世界企業を誘致できるレベルまでには至らない
もっとも、どこもかしこも法人税率を10%台にして企業誘致を戦略的に仕掛けているわけではない。欧州連合(EU)あたりだと25%前後が平均値である。例えば、税率の高いドイツは自国企業の海外流出を防ぐために当面27%まで下げる、と宣言している。外国企業の積極的な誘致は望めないが、「自国の企業が外国に逃げないレベルの税率であればいい」。そういう考え方だ。
仮に、周辺に22%の国があったとしよう。5%くらいの差であれば、企業は「コストをかけてまでわざわざ税率22%の国に移転する必要はない。27%でも(母国の)ドイツにいつづけよう」と考える。だからアイルランドやブルガリアのように極端に税率を下げようとはしていないのである。要するに、法人税率を戦略的に考える場合、外国企業の誘致を目的にするなら10%台、企業に国内から逃げられないことを目的にするなら20%台半ば、ということである。大塚副大臣の言う30%という税率は、こうした議論の「圏外」にあると言わざるを得ない。
■投資機会のない今の日本では、法人税率引き下げの効果はない
法人税が下がると、それだけ国に納める金額が減る。つまり、企業に多く
お金が残るわけで、その意味では企業にとってメリットがある。ところが、その払わずに済んだお金はどこに行くのかを考えてみてほしい。今の日本のように投資機会の少ないご時世では、たいていの場合、配当または役員報酬に消えていく。これでは、法人税率の引き下げがどれだけ効果あるのかは、推して知るべしだ。 もし投資機会が山のようにある時代だったら、企業は国に納めずに済んだお金を、いろいろなところに投資していただろう。そうなれば法人税引き下げの経済効果は高くなっていたはずだ。また投資を誘発したいなら減価償却の期間を短くする方が効果がある。日本はロボットやパソコンの償却を2年にして一気に需要が膨らんだ経験を持っている。しかし、今はそういう時代ではない。利益を出しても使い道がないのだ。だから、民主党がマニフェストで法人税率引き下げを謳っても、「それはありがたい。経済が活性化し、日本が成長する」と、もろ手をあげて喜ぶ人たちは実は多くはないのだ。選挙対策として考えるなら、法人税より、むしろ所得税の税率に手をつけるほうが効果は高い。
■高額所得者に大きな課税をしても景気は良くならない
日本は伝統的に「税金は金持ちから取れ」という風潮が強い。すぐに高額所得者の所得税率を上げるべきだという議論になるが、日本はこちらも最高税率40%とすでに世界トップだ(地方税とあわせれば実に50%に達する)。にもかかわらず、さらに最高税率を上げて金持ちからもっと税金を取ろうというのが民主党政権のもくろみである。相続税も大幅に上げようとしている。
世界中で今、相続税廃止の方向に向かっているときに、である。しかし誰が考えても明らかなように金持ちに、大きな課税をしても景気は良くならない。需要が回復しなければ、景気は好転しない。購買力が一番旺盛な金持ちがお金を使ってくれなければ不況からの脱出は難しい。民主党政権は低所得者へのバラマキをかなり派手にやっているが、景気刺激への効果はあまり期待できない。しかも、そのバラマキの財源は金持ちでも大企業でもなく、将来の納税者、つまり国債を使って時間軸をずらしているに過ぎない。 一方、日本で選挙に効果があるのは、本当は低所得者の税金を下げることである。政治家にしてみれば富裕層も低所得者も選挙の際には等しく一人一票であるが、数の上では低所得者の方が圧倒的に多い。政権与党はこれまで、低所得者層の税率を下げることで票を集めてきた。
日本とフランスが先進国では課税最低所得が一番高く、所得税を実質的に払わない人の割合が一番大きい。そのしわ寄せが高額所得者の所得税率の高さや法人税率世界一、というところに反映されているわけである。
私は、税制問題の本質は「選挙対策に使っている」ことにあると見ている。民主党にも自民党にも「選挙目当ての税率論議はもう止めろ」と言いたい。大塚副大臣が法人税を話題にしたのは、夏の参院選を有利に戦おうという魂胆があるからだろう。
■「知らない」が三拍子そろい、没落への道をまっしぐら
しかし税とは、「国をどうしたいのか」という大局的な視点から考えなくてはいけない。「選挙があるから税金を低くする」では国家としてのビジョンがなさすぎる。民主党のマニフェストもそうだが、「法人税率を30%に」「高額所得者の税率を上げろ」「1億円以上の報酬を受けている役員の氏名や金額は個別開示しろ」といった発言は、私に言わせれば「瞬間芸」のようなものにすぎない。あるいは大衆迎合を狙った魔女狩りのようなものかもしれない。
「世界を知らない」「金の動きを知らない」「税の心理効果を知らない」と三拍子そろって、結局、税収はジリ貧になり、ますます国債依存度が高まっている。いよいよ没落(デフォルト)への道をまっしぐら、という状況である。
仙谷由人国家戦略相は、今の財政状態は(歳入よりも国債発行が多かった)終戦時と酷似しているとか、ギリシャの財政危機はとても他人事ではない、と言っている。国家戦略の担当大臣が(正直ではあるが)評論家みたいなコメントをするノー天気ぶりには怒る気にもなれない。仙谷さんでなければ誰が財政規律を取り戻してくれるというのだろうか?
「高額所得者に厳しく、低所得者に優しい」は、かつての共産主義社会のお題目であった。皮肉を込めて言えば、社民党と連立を組む民主党政権による日本はいつの間にか、「世界でもっとも発達した共産主義社会」になっているのではないか。そして共産主義国家のたどった長く厳しい、そして最後は悲惨な、歴史の坂をいま日本はかなりの速度で下り始めているのである