北朝鮮、核実験場を爆破=国際記者団に廃棄公開-専門家排除、疑念も
2018/05/24 23:42
【ソウル時事】北朝鮮は24日、北東部・豊渓里の核実験場の坑道や観測施設を爆破し、廃棄作業を実施した。現場で取材した韓国などのメディアが伝えた。朝鮮中央通信によると、北朝鮮の核兵器研究所は「核実験の中止を透明性をもって保証するため、核実験場を完全に廃棄する式典を行った」と発表した。
北朝鮮当局は廃棄式典に米英と中国、ロシアの記者団を招き、保留していた韓国メディアの取材も直前に許可。ただ、当初、招待すると表明していた専門家は含まれておらず、爆破による閉鎖で核開発の実態解明が難しくなるといった疑念も根強い。
現地からの報道によると、午前11時(日本時間同)から午後4時17分にかけ、4本の坑道のうち3本と観測施設などを順次、爆破した。北朝鮮当局は、残る坑道1本については「既に閉鎖されているため、爆破しなかった」と説明した。
金正恩朝鮮労働党委員長は4月の党中央委員会総会で、核開発と経済建設を同時に進める「並進」路線を転換し、「経済建設に総力を集中する」方針を表明、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の試射中止、核実験場廃棄を決定した。
北朝鮮外務省は、廃棄式典を23~25日の間に、気象条件を考慮しながら行うと発表。すべての坑道を爆破し、入り口を完全にふさいで地上の観測施設などを撤去。研究員や警備要員も撤収させ、核実験場周辺を「完全閉鎖」すると表明していた。
韓国政府は24日、鄭義溶国家安保室長の主宰で国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開き、「核実験場廃棄は北朝鮮の完全な非核化に向けた最初の措置となる」と評価した。
しかし、米大量破壊兵器専門家のブルース・ベクトル氏は23日、CNNテレビに対し、「収集できたはずの証拠が(閉鎖で)葬り去られる」と懸念を表明。全米科学者協会のアダム・マウント上級研究員は米公共放送の番組で「検証する専門家がいなければ、坑道全体を崩落させたのか、入り口から数メートルだけなのか分からない。再び掘削して利用する恐れもある」と指摘した。
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