再生エネルギー 風力発電の可能性
こうの一郎氏 ブログ転載
http://ameblo.jp/konoichiro/entry-11817831068.html
2014-04-09
風力発電への期待
平成23年3月の福島原発事故以来、再生エネルギーが見直されています。
その中でも「風力発電」への期待は急速に高まっています。
風をエネルギーに換えるため、化石燃料を使わず、二酸化酸素を発生しないため
「究極のクリーンエネルギー」のイメージがあります。
平成15年度には、風力発電は741基で総発電68万キロワットしたが、
平成25年度には1,922基で、266万キロワットで約原発3基分の発電をしています。
海上風力発電
平成25年10月に、五島列島で世界初の浮体式風力発電の事業が開始さ
れました。巨大な「浮き」でどんな嵐がきても「起き上がり小法師」と
同じで倒れることがないとのこと。下部には3本の鎖が海底に結ばれ保留されています。
発電量は2000キロワットで、地元住民1800世帯分の電力を発電する計画です。
2キロの海底ケーブルを通しています。
環境省は平成25年までに54億円、平成26年には1.3億円を投入して、
今後2年間を掛けて発電効率などを調べ、28年度に実用化を図っています。
陸上の風力発電と違い、海上のため、住民の反対も起こりにくいため、
再生エネルギーとしての洋上風力発電への関心度は高いと思われます。
コストの問題
この洋上風力発電は、陸の風力発電よりコストがかかります。
経産省資源エネルギー庁は、陸の着床式風力発電の建設コストは、
1キロワット当たり45万、洋上式風力発電2キロワット当たり79万円かかります。
建設コストは、陸に比べれば、洋上は1.5~2.6倍、
維持・管理費は3.5倍~3.8倍かかります。
メンテナンスの問題
経産省の調査で、平成25年度の調査で、299風力発電所のうち、6割に当たる
175発電所で事故や落雷など何らかのトラブルに見舞われています。
そのため、自治体のほとんどが初期投資を回収できずにいるといわれています。
風力発電で初期投資を回収するためには、設備利用率が20%以上必要ですが、
経産省資源エネルギー庁の調査では、平均施設利用率は20.7%とです。
半分近くは採算ベースを割っていることになります。
故障も多く、コストもかかり、しかも風まかせのため、安定的電力供給が
できません。クリーンエネルギーの風力発電ですが、電力の安定供給を
するためには、常に火力発電を稼動させ、二酸化酸素を出し続けることになります。
買い取り価格
風力発電の再生エネルギー固定価格買い取り制度に伴い、
平成26年1キロワット当たり、22円から36円と引き上げられています。
その負担は当然ながら、電力を使っているすべての国民が賦課金
として、割り当てられています。
騒音・低周波被害
風力発電時に発生する騒音が近隣の住民の問題になっています。
また、100ヘルツ以下の低周波の問題も出てきています。実際どの
程度健康に害があるかは明らかになっていませんが、近隣住民の反応は
敏感になっています。
クリーンエネルギーの風力発電ですが、課題はたくさんあります。
もちろん、これからの技術革新などで変わっていく可能性もあります。
しかし、現段階では、原発の代用に程遠い風力発電です。
転載、させていただいた記事です
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