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一帯一路で「汚染輸出」の声も、セメント会社が中国脱出

2019年02月07日 09時00分00秒 | 政治・拡散記事・報道・海外

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Brenda Goh and Mariya Gordeyeva

焦点:一帯一路で「汚染輸出」の声も、セメント会社が中国脱出

[杭州(中国)/シェリ(カザフスタン) 31日 ロイター] - カザフスタン南西部に広がる強風の吹き渡るステップ地帯にあるシェリ村の外れでは、中央アジアに位置するカザフスタンの工業化の一翼を担う輝かしいシンボルとして、中国の支援で新たに作られたセメント生産プラントがそびえ立っている。

このプラントが立地するクズロルダ州のエフゲニー・キム副知事は、「石油・ウラン採掘産業で使われる油井用セメントが必要になっている」と話す。

12月に行われた竣工式典を見守りながら、同副知事はロイターに対し「もっと早くこのプラントを建設すべきだった。必要が生じれば拡張することになる」と語った。式典は、国内における最新プロジェクトの一部をナザルバエフ大統領に紹介する全国規模のイベントが開催されてい首都アスタナにも生中継された。

中国葛洲堰集団<600068.SS>とカザフスタン企業DANAKEが共同で建設したこのセメント生産プラントの例に見られるように、中国は広域経済圏構想「一帯一路」を活用して自国製造業の拠点を広く国外に拡大し、その過程で産業界の再編を引き起こしている。

だが「一帯一路」構想に対する監視が強まるなかで、中国がこの構想を利用し、環境汚染がひどい部門を中心に、自国産業の過剰生産能力を他国に輸出しているという見方も出ている。

「一帯一路」の動きに刺激され、中国の巨大企業は国外での事業展開を探っているが、一部には、こうした動きによって地域経済に歪みが生じ、中国マネーへの依存度が高まると懸念する声がある。

<外へ>

習近平・国家主席による看板政策として4年前に始まった「一帯一路」構想は、相手国にとっても、貿易を振興しつつ輸送やその他のインフラを更新できる「ウィン・ウィン」の機会になっている、というのが中国側の言い分だ。

また中国当局は、「一帯一路」は、企業がいまだ需要成長の見込める地域へとシフトする道を開くことにより、国内産業の生産過剰という問題の解決策になり得ると示唆している。こうした過剰生産能力は、2008~09年の世界金融危機の打撃を緩和するために中国がインフラ関連プロジェクトに何十億ドルも注ぎ込んだ後遺症だ。

産業界の幹部やアナリストらによれば、鉄鋼やセメント、石炭といったセクターの企業がこの構想を実行に移し、グローバルな製造拠点の再編を引き起こしているという。

「CIS(独立国家共同体)あるいはアジア地域では、毎週のように(中国企業が)建設する新たなセメント生産プラントについてのニュースが聞かれる」と語るのは、セメント市場の分析を専門とするコンサルタント会社CWグループのアソシエイトであるラルカ・サーセル氏。

中国の国営メディアによれば、中国国内では、環境汚染の摘発が進んで何百カ所ものセメント生産プラントが閉鎖された。中国セメント協会によれば、中国は2020年までにセメント生産能力を、全体の10分の1にあたる約4億トン削減することを目指しているという。

業界誌「グローバル・セメント」によると、葛洲堰集団、安徽海螺水泥<600585.SS>、上峰水泥<000672.SZ>といった中国のセメント大手は2018年、アフリカ、アジア、南米地域で少なくとも18カ所、年間生産能力にして合計2000万トン以上のプラントに投資すると発表した。これはほとんどの欧州諸国の生産量を上回る規模だ。

葛洲堰集団は新たなチャンスをつかむことに熱心だと、同社がシェリに設けた子会社でゼネラルマネジャーを務めるリー・ジンチン氏は話す。

「我が社は中国国内に17カ所のセメント生産プラントを持っているが、カザフスタンではここが初めてだ」と彼は言う。「中央アジア諸国、特に西部を中心とするカザフスタンでは今後もプラントを建設することを計画している。すべては市場次第だが」

<生産過剰の問題>

中国は過去5年間、セメントなどの素材生産に先進的な汚染防止テクノロジーを導入し、厳格化された基準を満たすことを企業に義務付けており、「絶対に必要」と見なされるプロジェクトを除いて、セメント生産設備の新設は禁止されてきた。

また、汚染レベルが高い期間は、プラントは操業を停止せざるをえなくなっている。

杭州市に本拠を置く上峰水泥も、キルギスタンとウズベキスタンでのプラント建設により拠点の拡大を図っている中国企業の1つである。

同社のチュー・フイ副社長はロイターとのインタビューで、「中国国内における生産過剰の状況は非常に深刻になっている。私たちが一帯一路沿いの諸国への進出を検討しているのは、それが理由だ」と語った。

「中国のセメント生産能力は現在30億トン以上だ。だが現実には、約22億トンの需要しかない」

また同副社長によれば、上峰水泥は国外での生産ライン建設に向けて中国輸出入銀行から6800万ドル(約74憶円)の低利融資を受けているが、これは「一帯一路」構想に基づいて提供されたものだという。

「融資の承認は非常に迅速で、政府はとても協力的だった」と彼は言う。

中国企業は、他国で建設しているプラントには最新のテクノロジーを利用し、必要なフィルターを装備し、現地の環境基準を遵守していると主張する。

だが環境保護団体によれば、中国の急速な工業化に付きまとっていた環境汚染問題が輸出されてている懸念があるという。

環境保護団体グリーンピースでグローバル大気汚染部門の主任アナリストを務めるローリ・ミリバータ氏は、「中国企業が工業投資の候補地としている国々のほとんどは、排出物規制・環境基準とその実施状況が非常に弱い」と言う。

「こうした規制の空白を突いて投資が行われているのは実に心配だ」

カザフスタンの環境保護団体アソシエーション・オブ・プラクティシング・エコロジストによれば、カザフスタンには欧州連合(EU)や中国で導入されているような全国レベルでの統一的な汚染防止基準が存在せず、セメント生産プラントの水銀排出物については監視が行われていない。

同団体はロイター宛の電子メールのなかで、「中国とカザフスタンの間で、これだけ汚染防止基準に差があることを考えれば、中国側としては、一帯一路構想のもとで、セメントの原料になる炭酸塩やシリカを豊富に埋蔵するカザフスタンにセメント生産プラントを移転すれば利益につながるだろう」と述べている。

アナリストは、中央アジア諸国の多くは、自国製造業の成長を図り、雇用を創出して輸入依存度を低下させるため、セメント生産の拡大に力を入れていると言うが、これら諸国の市場が吸収できる新たな生産能力には限度がある。

中国のセメント関連投資た集まる内陸国タジキスタンでは、政府統計によれば、2015年にはわずか500トンだったセメント輸出量が、2017年には100万トンまで拡大した。

上峰水泥のチュー副社長は、中国のセメント生産プロセスは非常に効率が良く、より大きなプラントを作りたがる傾向もあることから、生産過剰の状態を回避するのは困難かもしれない、という。

「その国に最初に進出する企業になれれば問題はない」と彼は言う。「だが、ある国に2─3社がプラントを建設するようになると、あっというまに生産過剰状態に陥る可能性がある」

(翻訳:エァクレーレン)


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