どうなる中国経済!?――日本は中国危機に備えた対策を[HRPニュースファイル1344]
http://hrp-newsfile.jp/2015/2165/ 文/HS政経塾2期卒塾生 川辺賢一氏
◆世界経済のリスク、中国
中国は15日、今年1-3月期の成長率が7.0%であることを明らかにし、2009年1-3月期以来の低い伸び率であったことがわかりました。
中国の成長鈍化はいまや欧州での経済危機と並び、世界の経済成長を阻害する最大のリスク要因となりつつあります。
果たして、一部のエコノミストや評論家たちによって久しく喧伝されてきた「中国バブル崩壊」論は現実になるのでしょうか。本稿では中国経済の動きを分析し、日本に求められる対策について論じます。
◆外貨資産を売却し始めた中国
さて15日は中国経済に関してもう一つ注目すべきニュースがありました。
昨今、中国が米国債保有額を大きく減少させたことにより、米国債保有額で日本が中国を抜いて、約6年半ぶりに首位に立ったのです。
これまで中国は輸出拡大を図って為替相場を元安に誘導するため、外為市場で「元売り・ドル買い」介入を続けて来ました。また、そこで得たドル資産を米国債で運用していました。
そのため、中国のドル準備や米国債の保有額は急激に膨張し、2008年8月以来、中国は世界最大の米国債保有国となっていたのです。
ところが昨今の景気後退と米国の利上げ観測により、海外から中国に流入していたマネーが反転し、低リスクかつ高利回りが期待される米国に、流出し始めたのです。
その結果、今年3月、中国は元相場の急落を防ぐため、米国債で運用していたドル準備の一部を売却し、外為市場で元を買い支える「元買い介入」を実施したのです。
つまり、中国は輸出拡大を目的とした「元売り・ドル買い」介入から、元急落を防ぐための「元買い・ドル売り」介入へと為替政策を切り替えたのです。
実際、李首相は15日、「一段の元安望まず」と発言しているように、元安による中国の成長モデルは今、限界に直面しているのかもしれません。
◆矛盾に直面する中国の経済政策運営
15日の発表が明らかにしたように、不動産市況の不振や相次ぐシャドウバンキングの倒産により、企業の生産や投資が伸び悩み、中国は内需も外需もいまいちです。
そのため、中国担当のエコノミストやアナリストには、中国人民銀行に「さらなる利下げ」を求める声もあり、実際、人民銀の周小川総裁も先月、デフレリスクに警戒する必要があるとし、「一段の緩和余地」があることを示唆しています。(人民銀は19日、預金準備率引下げを決断)
しかし、片方で元相場の急落を防ぐべく元買い介入を行いながら、もう片方で内需刺激のために利下げを行うのは、政策運営として混乱していると言えるでしょう。
なぜなら、人民銀による利下げは、国際金融の観点からは、元安要因となるからです。中国の利下げと米国の利上げによって、中国からのマネー流出はさらに加速するでしょう。
さて、これまで「中国バブル崩壊論」は一部のエコノミストや評論家によって喧伝されて来ましたが、共産主義国家ということもあって、実際の中国経済の実情を知るのは困難でした。
ところが、このように矛盾に直面する中国の政策運営から、中国経済の苦境を伺うことができます。
◆日本の対策――「中国バブル崩壊」対策と「AIIB吸収」構想
さて、私たちは中国クライシスを警戒し、政府は対策を打ち出すべきです。
まず第1に政府は「中国バブル崩壊」対策を打ち出すべきです。
具体的には90年代00年代の過度な円高で中国に進出せざるを得なかった日本企業の中国撤退あるいは親日アジア地域への移転を、国際協力銀行やそのための基金を設立し、金融的に支援することです。
かつて1920・30年代も日本は通貨政策の誤りによりデフレに陥り、経済的に大陸へ活路を見出さざるを得なくなりました。そして、それが日中戦争の遠因となったのです。
これを教訓とするならば、政府は日中友好のためにも、日本企業の中国流出を金融的に支援すべきです。
第2に「アジアインフラ投資銀行(AIIB)吸収」構想です。
先に述べたように、中国経済は現在、下降軌道にあります。そうした中国主導のAIIBに日本が参加を見送ったのは、経済的に正しい判断であったと言えるでしょう。
ただし、幸福実現党が日本の世界戦略として、リニア新幹線や民生化スペースシャトルにより、全世界を一つに結ぶ構想を掲げるように、日本としても、中国政府が提唱する「新シルクロード」構想自体には共感を寄せるべきでしょう。
しかし、下降軌道にある中国主導で進められるのは心もとない限りであり、また本来、こうした構想は一国の主導ではなく、環境や人権にも配慮する複数の国によって、民主的・平和的に進められるべきです。
よって、日本としては時期を見極め、米国の資本を巻き込みつつ、アジア開銀によってAIIBを吸収合弁・子会社化していく道を構想すべきです。
私たち幸福実現党は日本と地球、全ての平和と発展繁栄に全力で尽くします。
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中国国有企業がデフォルト宣言 国有企業の倒産で中国大手企業が と ん で も な い 事に
http://asianews2ch.jp/archives/44389350.html 【速報】 ついに中国始まった!
【中国】国有企業デフォルトか 保定天威集団、きょう社債利払い期日
中国の李克強首相はこの2年、身を切ることになる国有部門の改革推進を表明してきた。その決意が中国債券市場で試されそうだ。
中国国有企業の中国南方工業集団の一部門である変圧器メーカー、保定天威集団が21日を期限とする8550万元(約16億4000万円)の利払いをできずデフォルト(債務不履行)に陥る可能性が高いためだ。
もしデフォルトとなれば、中国国有企業の社債としては初めてとなる。保定天威集団は14日に、代替エネルギー事業での昨年の巨額損失を理由に、21日の社債利払いができなくなる可能性を明らかにしていた。
格付けが「BB」の保定天威集団の2016年4月償還債の価格は、額面の85.62%で今月に入って6.8%下落と、11年の発行以来、最大の下げ。
中国本土の社債市場では、これまでに上海超日太陽能科技と中科雲網科技集団の民間企業2社がデフォルトとなったが、社債利払いを期日に履行できなくなった国有企業はない。
華創証券の債券アナリスト、屈慶氏は「当局は市場がデフォルトにどの程度耐えられるか試そうとしている可能性がある。
中科雲網科技のデフォルトでは市場に大きな反応はなかった。しかし、国有企業がデフォルトに陥ったとなれば、投資家はこれまでの民間2社の場合よりも急速に信用リスクが広がるとの懸念を抱くだろう」と述べた。
国家統計局が15日に発表したデータによれば、今年1~3月期の成長率は09年以来の低水準にとどまった。
工業生産や固定資産投資、小売売上高のデータも一段と鈍化した。中国人民銀行(中央銀行)は19日、市中銀行の預金準備率を1%引き下げ、経済刺激策を加速させた。
フランクリン・テンプルトン・シーランド・ファンド・マネジメントの債券投資責任者、ディアオ・フイユイ氏(上海在勤)は「信用リスクは今年の中国債券市場への最大のリスクだ。
経済の減速により中国企業の利益性はさらに抑制されるだろう。中国企業の高いレバレッジは状況をさらに悪化させる」と述べた。
しかし、李首相は13年3月に就任した際、市場原理に基づいた経済と、政府の権限の排除を宣言。
同年11月の中国共産党第18期中央委員会第3回総会(3中総会)でも経済での国家の役割を縮小し、市場が主導的役割を果たすとの方針を示した。
海通証券の債券アナリスト、李清氏は「政府は債務の返済ができない弱小国有企業をデフォルトさせるべきだ。
これによりシステマティック・リスクを引き起こすことはないだろう。これは弱小企業が債務超過になるのを食い止める市場原理の行使だ」と述べた。
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150421/mcb1504210500007-n1.htm
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150421/mcb1504210500007-n2.htm
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150421/mcb1504210500007-n3.htm
どんどん来るな、こいつら瀬戸際でAIIBで補填しようと企んでいたということか。
引火寸前のオンボロバスに乗せられるところだった訳だ。
。
強いウォンも困るが、弱いウォンも困ると。
何か似てますよね。
共通点があるとすれば、知識を共有する意味での自由度が低いのでしょうかね。
イノベーションは起こらない、ということでしょうか。