「金正日による犠牲者に思いを寄せる
東京集会」レポート(1)
転載します
<金正日葬儀にあわせ、拉致被害者団体等が東京で集会>
http://nakamamo.blog.fc2.com/blog-entry-66.html
平壌で金正日総書記の葬儀が行われた12月28日、
「この日が、金正日を追悼する日であってはならない」と、
「救う会」などの6団体が、都内で
「金正日による犠牲者に思いを寄せる東京集会」を開催した。
事前に産経新聞などの一部マスコミで集会が告知されたこともあり、
会場には250名もの一般の人々が詰めかけ、超満員の状態となった。
金正日総書記の死去により、拉致問題の解決に期待を寄せる
国民の関心の高さをうかがわせた。
■主催団体・協力団体 および登壇者
西岡 力(救う会会長)
姜 昌萬(統一日報社長)
小川晴久(NO FENCE=北朝鮮強制収容所をなくすアクションの会副代表)
加藤 博(北朝鮮難民救援基金理事長)
三浦小太郎(北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会代表)
荒木和博(特定失踪者問題調査会代表)及び特定失踪者家族
飯塚繁雄(家族会代表、田口八重子さん兄)
横田滋・早紀江(家族会前代表夫妻、横田めぐみさん両親)
増元照明(家族会事務局長、増元るみ子さん弟)
本間 勝(家族会、田口八重子さん兄)
■西岡力氏「政府は制裁の手を緩めるな」
まず冒頭に「救う会」会長の西岡力氏が登壇し、
「日本のマスコミを見ていると、まるでどこかの国の偉人が
亡くなったような報道にあふれており、今日の葬儀を伝える
テレビも、列席者の序列や棺がどうだとか、まるで天気予報の
ような解説しかしていない。この独裁者がいかに人々を苦しめ、
諸外国に被害を与えたかを検証すべき」と、日本のマスメディア
の報道姿勢を厳しく糺した。
以下、発表要旨。
金正恩が父の過ちを認め、拉致被害者の返還、強制収容所の解体、
日本人妻等の帰国が実現するまでは、政府は北朝鮮への制裁の手を
緩めるべきではない。
金日成が死去し、金正日体制に移行する際には、2万5,000人もの
北朝鮮人民が粛清されたことがわかっている。その粛清の責任者が、
今回、金正恩の側近に入っているので、今回も同様の事態が懸念
される。
北朝鮮は、これまでも融和政策のふりをして「モノ」だけを取り、
何もしなかった。
彼らの口約束にだまされてはいけない。
彼らが「行動」をとった時にだけ、その行動に合わせて制裁を
緩めるべきだ。
■姜昌萬 統一日報社長「7千人もの日本人妻と日本人の救済を」
続いて、70年代半ばに日本で初めて拉致問題を報道した、統一日報
の姜昌萬社長が登壇し、
「北朝鮮には拉致被害者だけではなく、『北朝鮮は楽園』という
嘘を信じて北朝鮮に渡った日本人や日本人妻が、7,000名もいる。
彼らはだまされて北朝鮮に連れて行かれたわけで、拉致と同じだ。
彼らの多くは強制収容所に入れられている」と述べ、70年代に
北朝鮮に渡った多くの日本人に帰国の道を開くよう訴えた。
また、金正日は、約700万人もの自国民を殺害し、20万人を
強制収容所に送っており、「歴史上、最も極悪な独裁者」と糾弾した。
■小川晴久氏「強制収容所解体し、北朝鮮人民の蜂起促せ」
NO FENCE(北朝鮮強制収容所をなくすアクションの会)からは、
副代表の小川晴久氏が登壇した。
小川氏は「北朝鮮の民主化の第一歩は、まず北朝鮮国内に点在する
強制収容所をなくすこと。北朝鮮ではこれまでも勇気ある若者が
たびたび決起していたが、本人のみならず血の繋がった家族全員が
強制収容所に入れられ、拷問や虐待、強制労働の刑に処せられるため、
若者は足がすくんでなかなか立ち上がれないでいる。
北朝鮮の民がみずから立ち上がるには、外部にいる我々が北朝鮮に
外圧をかけて、強制収容所を解体させるしかない」と述べ、
強制収容所の解体は、外にいる我々諸外国以外になし得ないと強調した。
また、同会共同代表の砂川昌順氏は、1987年11月、大韓航空機を
爆破した金賢姫をアブダビのバーレーン国際空港で拘束した
元外務事務官であり、3年前に同会を設立し北朝鮮の民主化活動に
尽力していると、小川副代表からコメントがあった。
■加藤博氏 北朝鮮難民救援基金理事長「中国は脱北者の強制送還やめよ」
脱北者の支援に携わっている加藤氏からは、
「脱北者は、失敗して本国に送還されれば死刑か強制労働という
ことを覚悟の上で、脱出してくる。彼らは間違いなく難民である。
しかし、中国は難民条約を批准していながら彼らを難民と認定せず、
迫害を受けるとわかっていて北朝鮮へ強制送還している」と、
中国を激しく糾弾した。
そして、日本政府の拉致対策本部には8億円もの予算が割り当てられて
いるにもかかわらず、実際にはその30%にも満たない額しか使われて
いないことを挙げ、「日本政府は本当に拉致被害者を救出しようと思って
いるのか? 何かやってくれるのか? 本当にやれるのか?」と、
政府の対応にいらだちを隠せない様子で語った。
■三浦小太郎氏「北の〈安定化〉は地獄の継続」
北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会の三浦代表は、
「今、『北朝鮮の安定に向け、各国で連携を』などと言っている人
たちは、悪魔の手先のようなもの。〈北〉が安定するということは、
すなわち〈地獄〉の安定であり、今の地獄の状態が続くということだ。
その安定化の中で殺されていく人々に対して、どう責任を取るのか。
「北朝鮮の安定」を求めている政治家たちは、犯罪に加担しているの
と同じだ」と強く訴え、会場から大きな拍手が起こった。
また、野田政権が中国国内で今後、脱北者の保護をしない方針を
打ち出したことに触れ、脱北者をわざわざ中国に引き渡して殺させる
非人道的な措置であると、厳しく追及した。
(続く)
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