TPP・緩和失望 日本売り 東証14000円割れ
産経新聞 4月12日(土)7時55分配信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140412-00000059-san-bus_all
日米、中国、ロシアの株価
■年初来安値 日米首脳会談を注視
11日の東京株式市場は、ウクライナ情勢の緊迫化や外国為替市場での
円高・ドル安基調などが投資家の心理を冷やし、日経平均株価が大幅に反落した。
終値は前日比340円07銭安の1万3960円05銭で年初来安値を更新し、
昨年10月8日以来、約半年ぶりの安値水準となった。
週間ベースの下げ幅は1103円72銭と、リーマン・ショック直後の
平成20年10月以来、5年ぶりの大きさで、安倍晋三政権が発足してから最大となった。
再び緊迫化したウクライナ情勢で欧州を中心に景気を下押しするとの懸念が広がり、
前日の米国市場で株価が大幅下落。これを受けて11日は東京市場でも幅広い銘柄に
売り注文が膨らみ、一時は1万3900円を割り込んだ。続く11日のニューヨーク
株式市場もダウ工業株30種平均が続落で始まり、リスクを避ける投資家の動きが続いた。
今年の東京株式市場は、大幅な株高となった昨年から一転してさえない展開が続く。
世界の主要株価指数の値動きを比べると、ロシアに次いで下落率が大きい
“ワースト2位”。海外投資家の日本売りが要因だ。日銀の追加緩和期待が後退し、
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉も妥結もめどが立たず、金融市場に
対する「アベノミクス」の神通力がみられなくなっている。
90を超える主要株価指数(欧米は10日時点の数値)のうち、今年に入って最も
値動きが悪いのは、ウクライナ情勢をめぐって欧米との対立を深めるロシアのRTSで、
マイナス16%。下落率でこれに次ぐのが、14%の日経平均株価だ。
米国のダウ工業株30種平均はマイナス2%、中国の上海総合指数はプラス1%。昨年、
57%も上昇した日本株の不振が際立っている。
背景には、東京市場の売買の約7割を占める海外投資家が今年に入り、売りに
転じたことがある。東京証券取引所によると、海外投資家は昨年、日本株を
15兆円超買い越した。だが今年は今月4日までで1兆4400億円の売り越し。
足元では「一部の海外投資家は日本株を売って
割安感が出てきた中国株を買っている」(市場関係者)との指摘もある。
特に日銀の黒田東彦総裁が8日の会見で、「現時点で追加の金融緩和は
考えていない」と強調してからは円高株安基調が鮮明だ。
市場で「消費税増税の影響に対する漠然とした不安感」
(野村証券の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテジスト)が根強いことも、
買いを鈍らせているようだ。
軟調な株価動向はいつまで続くのか。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報部長は、
「反転の契機になり得るのは、やはり政策。
まずはTPPで妥結し、規制緩和に積極的な姿勢を見せるべきだ」と強調する。
TPP交渉は、日本とオーストラリアとの経済連携協定(EPA)交渉の
合意を契機に、焦点の日米関税協議に歩み寄りの兆しが出ている。24日予定の
日米首脳会談で大筋合意が表明されれば、全体の「交渉妥結期待が高まり、
見直し買いにつながる」(市場関係者)。
5月には増税の影響度も見え始め、政府の新たな成長戦略の取りまとめも
ヤマ場に入る。
ここで海外投資家の買いを再び呼び込めるかが、日本株の先行きを左右しそうだ。
(高橋寛次)
(´・ω・`)小さな保身が、大きな損失を呼び込むことになりかねない・・・
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