http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/160409/wor16040919120039-n1.html
【ソウル=名村隆寛】朝鮮中央通信は9日、北西部の東倉里(トンチャンリ)にある「西海衛星発射場」で新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)のエンジン燃焼実験を行い、「成功した」と伝えた。実験の日時は不明。
実験を視察した金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は「新たな弾道ロケット(ミサイル)に、より強力な核弾頭を搭載し、米国をはじめとする敵対勢力に核攻撃を加えられるようになった」と満足の意を表明。米国本土を攻撃圏内に収めることを強調した。
ICBMのエンジン燃焼実験を北朝鮮が公表したのは初めて。昨年10月の軍事パレードでは移動式ICBM「KN08」の改良型が登場しており、今回、実験に成功したとする新型ICBMの可能性もある。
北朝鮮は先月、米韓演習が行われるなか、「核弾頭の小型化」や、弾道ミサイルの「大気圏再突入模擬実験」と固体燃料の燃焼実験に成功したと主張。今回もその一環とみられる。
金第1書記は今回の「実験成功」について「科学者らが(5月の)朝鮮労働党大会にささげる最大の贈り物だ」と語ったという。米国に対する牽制(けんせい)の一方、党大会に向けた国威発揚の意図がうかがえる。
11日に金正恩氏の第1書記就任、13日には国防第1委員長就任の記念日、15日には金日成(イルソン)主席の誕生日を控える。金第1書記は先月、核弾頭の爆発実験と核弾頭搭載可能な弾道ミサイルの発射実験の早期断行を命じており、記念日に合わせた軍事挑発が懸念される。
北朝鮮「ICBMエンジン燃焼実験に成功」