増税・財政再建より復興を優先せよ
本日は静岡県本部幹事長の中野雄太氏より、
「増税・財政再建より復興を優先せよ」と題し、2
回目のメッセージをお届け致します。
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【中野雄太県幹事長寄稿】
政府は昨日14日、「復興構想会議」の初会合を開き、
五百旗頭議長は「震災復興税」の創設等の基本方針を
明らかにしました。
6月末に第一次提言が出される予定です。
「復興税」導入を主張している経済学者やエコノミストは
少なくありません。
一橋大学経済研究所の小黒一正准教授は、
「今回の震災により財政破綻確率は高まった」と
指摘し、対策として「復興税の導入と社会保障改革
の同時推進」を主張しています。
緻密なシミュレーションを紹介しているので、
一見説得力があるように見えます。
小黒氏の場合は、本年度は復興支援による
経済成長の可能性は高いので、震災の影響は
限定的だと推計。来年度以降は、国債の発行は
さらに財政赤字を膨らませるので、復興税を導入
して財源を確保すべきだという論理です。
但し、氏が推計しているように、本当に震災の被害は
「限定的」だと言えるのでしょうか。
たとえ、復興債の日銀引受を実施したとしても、
効果が表れるには1年程度はかかります。
さらに、もともとデフレギャップが20兆円も
あったことを考慮すれば、来年度に復興税を
導入するというのは早すぎると言わざるを得ません。
来年度に増税をしたとしても、税収が確定するのは
翌年です。現在は震災復興を急ぐべき時であり、
増税を急ぐ理由はありません。
氏の研究を読むと「財政赤字が将来の
世代の負担になることを回避する」という発想が
強く出ています。実際に、財政赤字が将来世代の
増税に繋がるという理論はありますし、このまま
無策であれば可能性は高いでしょう。
しかしながら、現在は未曽有の震災被害を
食い止める方が優先順位は高いのです。
財政再建を急ぐ気持ちは理解しますが、
経済の復興には時間がかかることや、震災に
よる人々のマインドが消費や投資を
冷え込ませている状況を考えれば、氏の見解は
結果的に国民の財布の紐を閉める結果を招き、
逆説的に財政破綻確率を高めかねません。
中野 雄太
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