https://www.bbc.com/japanese/53413349
NYタイムズ紙、香港スタッフの一部をソウルに 国安法で懸念
米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は14日、香港のスタッフの一部を韓国・ソウルに移すことを明らかにした。中国政府に批判的な活動を厳しく取り締まる、香港国家安全維持法(国安法)への懸念の高まりを受けたもの。
NYTは14日付の電子版の記事で、国安法について、「報道機関を動揺させ、ジャーナリズムのハブとしての香港の将来を不確実なものにした」と評した。
記者は香港に残るが、デジタル編集チームは近いうちに移転するという。
中国本土では国際メディアが規制を受けることが珍しくない。香港は例外的な場所となっていた。
批判を呼んでいる国安法は、国家転覆や中国からの分離、外国勢力との共謀などの行為を犯罪と規定している。
NYT幹部は同紙記事で、「香港で中国が施行した、広範囲にわたる新たな治安維持法は、私たちの事業とジャーナリズムにその新規則がどう影響するのかをめぐって、多大な不安を生んだ」と述べた。
「危機管理計画を作り、編集スタッフを地域で分散化させることが賢明だと感じている」
中略
今年になって、中国本土では米主要3紙の記者らが実質的に国外追放となった。中国政府がニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナルの記者たちに、記者証を数日内に返還するよう求めたのだ。
香港と中国本土の当局はともに、国安法は言論の自由に影響を与えないと主張。香港で数年前から続く社会不安を鎮めるために必要だったとしている。
しかし、香港を特徴づけていた自由が、国安法によって損なわれると批判する人は多い。
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