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先日のトランプ大統領の就任演説は素晴らしい演説であったとは思います。しかし、トランプ大統領の施政によってアメリカが偉大になるかと言われれば、表面上は偉大になるかもしれませんが、深層下では必ずしもそうはならないかもしれません。というのも、大統領は就任演説において本質的な問題に何一つも言及しなかったからです。
今回は、アメリカを真に偉大にするためにはどうすればよいかを考えたいと思います。
■福祉国家は現代の奴隷制
アメリカが真に偉大になるためには、アメリカの人々を苦しめている現代の奴隷制である福祉国家を止めなければなりません。
何故、福祉国家が現代の奴隷制であるのかと言えば、福祉国家という制度を続けていくためには量の多寡はあるにせよ税金という形で個人の富を奪わなくてはならないからです。つまり、アメリカ国民は例外なく全員、福祉国家という制度の奴隷になっているのだということです。
■膨れ上がるアメリカの社会保障費
アメリカの場合は2020年には確実に社会保障費は3兆ドルを超えます。軍事費は社会保障費の5分の1程度しかありません。アメリカでは、社会保障費は第二次世界大戦後の1946年から増加傾向を示し、1951年から今日まで前年割れしたことは2012年の予算強制削減という例外を除けば一度もないのです。
自発的に前年割れしたことがないことからすると、今後も特段の配慮をしない限りは、社会保障費は際限なく増えていくということを意味しています。しかし、単純に考えて理想的な福祉国家を続けられるような放漫財政が許される国は世界中どこにもありません。どこかで打ち止めにしなければ最終的には破綻するのは分かりきっていることなのです。
アメリカ政府は、金融政策などの手段を使い破綻が起きるのをズルズルと先延ばしにしています。そして国民は今の制度が永続し、政府が自らの身を助けてくれることを無邪気に信じているのです。
■官僚なくして政治はできない
さて、当面の焦点は2017会計年度の予算教書になると思います。トランプ大統領がどのような政治をするか、数字的に明らかになるのが予算教書だからです。
予算教書は通例、1月の第1月曜日から2月の第1月曜日に発出されますが、作成作業は行政機関である行政管理予算局が行ないます。つまり、官僚が作るわけです。官僚機構なしでは政治ができないというのは、このことからも分かります。
■祖国を偉大な国にするための第一歩は知ることから
アメリカを真に偉大にするためには、まず自分の国が本当はどうなっているのかを知ることから始まると私は考えています。これは、アメリカに限らず世界中どこの国でも同じことです。そして、知ったなら行動することです。他の誰かに伝えるもよし、議員に圧力をかけるもよし。とにかく動かねば何も変わりません。
アメリカがどうなっていくのか観察することは、今後の日本を占う意味でも非常に重要です。
これからもトランプ大統領の施政に注目していきたいと思います。
(`・ω・´)/
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