黒田日銀総裁が「消費税増税実施を」
財務省の意向を代弁か
2013.08.21
http://the-liberty.com/article.php?item_id=6516 転載
来年4月から消費税率を引き上げるかどうかについて、政府は26日から
6日間連続で、59人の学者、エコノミスト、首長らにヒヤリングし、
安倍晋三首相が最終判断をする参考にするという。それに先立って21日付
毎日新聞には、黒田東彦日銀総裁がインタビューで
「消費税増税を予定通り実施を」との見出しで大きく掲載された。
安倍首相は、現段階では消費税増税を予定通りに実施するともしないとも
語っていない。
一方で、麻生太郎副総理兼財務相や財務省は「絶対に上げる」という
姿勢だ。
ここに来て日銀総裁が消費税増税を容認していることは、安倍首相に対して
少なからぬ影響を与えることは確かだろう。
しかし、毎日新聞のインタビューをよく見ると、ニュアンスは微妙に
異なる。黒田氏はこう語っている。
「消費税増税は、法律に従って政府が経済情勢等を踏まえて判断される
ものであり、それ自体については申し上げない」
つまり、消費税増税の時期や税率については、あくまで政府の判断で
あることを明言している。
そのうえで、
「消費税が予定通り2段階で上がった場合でも、経済が失速することは
ないし、その中で物価上昇率も徐々に高まっていくと思っている。
消費増税要因で経済が失速してマイナス成長になるようなことは
考えていない」と語っている。
どうやら黒田氏は、微妙に言葉を選んで、消費税増税は既定路線であるので、
予定通り実施されても、日銀としては経済成長やデフレ脱却できるように
あらゆる手を打っていく、ということを言いたいようだ。
しかし、国債の大量買い取りにより、世の中に出回るお金の量を2年で2倍に
増やす「異次元緩和」や、2年で物価上昇率2%という「インフレターゲット」
など、「アベノミクス」の第一の矢である金融政策を主導してきた黒田氏に
とって、消費税増税は、せっかくの世界的な評価を台無しにする
「天敵」のはずだ。
黒田氏の真意が財務省と同じく増税にあるならば、「異次元緩和」は
増税のためのアリバイ作りということになり、歴史的に汚点を残すだろう。
本心ではなく財務省に対するポーズだとしても、安倍首相が鵜呑みにして
消費税増税に踏み切れば、日本経済を失速させ、安倍首相の政治生命を
縮める役目を果たすことになるだろう。
本誌・本欄で繰り返し主張してきたように、消費税増税は「アベノミクス」
に水をぶっかけ、頓挫させてしまう劇薬だ。
アベノミクスの三本の矢をきちんと打っていけば、消費税増税の必要はない。
財務省や黒田氏が強調する「(消費税増税を見送れば)国債の信認が失われ、
国債金利がはね上がる懸念がある」というのも、日本国債の信用度から
見れば、まったく問題ない。
安倍首相は、財務省や日銀の意見に惑わされず、「アベノミクス」を
完遂するためにも、消費税増税を見送るべきだ。(仁)
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。
財務省のしがらみです。
ただ、割合の問題はあるのですが、6:4かあるいは7:3で財務省寄りでしょうね。
独立系じゃない限りは、半分を下回るのは難しいでしょうね。