2016年02月14日 08:52 http://blogos.com/article/160611/ より
『あの日』を読んで。
■事実は報道よりもシンプルだったSTAP細胞事件
先月末に急遽発売され現在ベストセラーとなっている小保方晴子氏の手記『あの日』を購入した。
発売当初からいろんな書店に足を運んでみたのだが、どこの書店でも売り切れで、アマゾンでも売り切れ状態だったので、増刷待ちの状態が続いていたが、ようやく入手(結局、アマゾンで購入)することができ、読み終えた。
長らくベールに覆い隠され見えなくなっていたSTAP細胞事件の真相(経緯と顛末)が当事者である小保方氏本人の口から語られた意義は大きい。推測や憶測だけで書かれた書物とは、その重みが全く違う。全てを失った小保方氏の魂の叫びとも呼べる手記だった。
ここでは詳細は書かないが、実際、その内容は驚くべきものであり、これまで朧げながらにしか見えなかった疑問点が氷解し、多くの謎が解明されたと言っても過言ではない。本書に実名で登場した多くの関係者から反論と呼べる反論が出ていないところを見ても、本書に書かれていることがフィクションでないことを物語っている。
先月末の時点では、小保方氏の手記が出版されるというニュース記事が報じられたが、なぜか発売後は、急に静まり返ってしまい、ほとんど報じられなくなった。
推測するに、おそらく、発売前は「どうせ言い訳がましい手記だろう」と高を括っていたマスコミ関係者が、いざ発売されて読んでみると、あまりにも理路整然と赤裸裸に書かれた痛ましい手記に唖然としてしまった格好だろうと思う。事件当時に小保方氏に対し罵詈雑言を浴びせかけていた言論人の多くも臍を噛んでいるのか、黙りを決め込んでいるかに見える。
■公然とストーカー行為を行うマスコミの罪
マスコミ報道とは裏腹に、アマゾンのレビュー欄を見ても評判は上々のようで、現在のレビュー数は500に迫る勢いだ。
中でも興味深かったのは、著名人である小谷野 敦氏がレビュー欄でお詫びを書かれていることだった。
言論の自由を履き違えた無責任な言論人は、好き勝手なことを言うだけで、他人の心に取り返しのつかないほどの傷を負わせる発言を行っても何の謝罪もないが、そんな中にあって小谷野氏のこの姿勢はご立派だと思う。
笹井氏が自殺に追い込まれた最大の理由も本書にはそれとなく書かれてあったが、STAP細胞の有無に関係なく、マスコミの人権を無視した報道姿勢は看過できるものではなく強い憤りを感じた。
本書を読むと、マスコミの(一部の)記者というのは公然とストーカー行為を行っているようなものだと思わざるを得なかった。己の思い込みから、自らを正義の仕置人と勘違いし、間違った正義の名の下に人権を踏みにじる行為を平然と行っているわけだから、その悪鬼の如き諸行は罪深いと言わざるを得ない。本書を読まれた多くの人がそう感じたことだろう。
■笹井氏が述べた科学者の本分
本書を読んで、小保方氏が優秀な科学者であり、努力型の天才肌の人物ということがイメージできた。同様に笹井氏も科学者として純粋で非常に有能な人物だったことが窺え、死を選ばなければならないほどに追いつめられたことが残念に思えた。
本書の中に書かれていた笹井氏の次の言葉が印象的だった。
「僕はね、科学者は神の使途だと思ってるんだ。科学の神様はね、時々しか見せてくれないんだけど、チラッと扉の向こうを見せてくれる瞬間があってね、そこを捉えられる人間は神様に選ばれているんだよ。だから真の科学者は神の使途なんだ。その美しい神の世界を人間にわかる言葉に翻訳するのが科学者の仕事なんだよ…(以下省略)」
まさに真の科学者でしか到達しえない境地であり、素晴らしい至言だと思う。同じく本書の中にあったが、「こんなどろどろした業界なかなかないぞ」という言葉のような世界にあって、これだけの認識力を持った有能な科学者を失った日本の科学界の損失は大きいと言わざるを得ない。
小保方氏が当ブログを読まれることは多分ないだろうけれど、最後に、私なりのアドバイスを書きとめておきたいと思う。
「多くの心ない人々があなたを批判し非難したことで、あなたの心は大きく傷付き、名状し難い悲しみと絶望感に襲われたことと思いますが、そんな腐ったかに見える社会でも、素直な目であなたを正しく見ている人間も大勢いることを忘れないでください。本書を発刊されたことが契機となり、更に多くの人が幻想から目を覚ますことでしょう。きっといつかまた、ピペットマンを持ち、科学者として認められる日が来ることを信じて頑張ってください。」(自由人)
2016年02月14日 08:52 http://blogos.com/article/160611/ より
『あの日』を読んで。
【STAP問題】小保方晴子氏、手記出版へ「混入犯に仕立て上げられた」 独占手記『あの日』より
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