「最悪な状態を思い浮かべて、そうならないように努力する人」もいます。
どちらが正しいということではありません。
それぞれに
その考え方が必要な場面があるものだと思います。
ただ
たとえ頭の中でだけだとしても
最悪な状態になってしまった自分の姿を思い浮かべるというのは、なかなかしんどい。
実際にそうなる可能性があることだからこそ
そうなった時のことを今から考えたくはない、と
私はついつい目を背けて
気持ちが逃げてしまうのでした。
先日、生命保険会社の人にお会いしました。
私が若い頃に加入した個人年金保険。
いよいよもうすぐ受け取りが開始になるのです。
「節税対策のお話をさせてください」と
保険の設計書を前に、説明が始まりました。
話の切り口は、
今の契約の一部を転換することで
源泉徴収もされず受け取れて
新たな保障も得られます、というものでした。
今から３０年以上前。
毎月五千円ずつ貯金するつもりで、と
契約した個人年金保険。
当時の私は
実際に年金を受け取る６０代の自分の姿など想像することなんて出来ませんでした。
「老後に備えて」というつもりではなく
「貯金だよ」って考え方で契約。
そのおかげで
３０年以上毎月貯金が続けられたことに。
スゴいことですよねヽ(‘ ∇‘ )ノ
契約した個人年金保険は
１０年間だけ、公的年金に上乗せできる私的年金ということになります。
この個人年金は雑所得だそうで、
２５万円以上は１０%源泉徴収されるとのこと。
なので、年金額を今のうちに２５万円までに引き下げて、
残りの部分をもとに、
入院や通院、介護、認知症などに備えた保険に新たに加入しませんか、ということのようでした。
これまでは入院も通院もせずに済んだけれど、これからは年齢的に備えておいたほうが安心ですよ、と。
そしてさらに
介護が必要な状態になったら…
認知症になったら…
「今はまだ想像できないと思いますけど。そんな状態に自分がなるなんて思いたくないですものね」と。
そういうお仕事なので仕方ないのでしょうが
最悪の場合を前提にお話しされるわけです。
保険とはそういうものなのです。
そして、
そういう事態に備えることの重要性も理解できます。
ですが
入院して通院して介護が必要な状態で認知症になっている私の姿を前提に
保険屋さんのお話は続いております。
「家族に迷惑かけたくない、って気持ちになりますよね」
そうですね…
「ご病気になられたら、こちらの保険には入れなくなってしまうので、お元気な今が良いタイミングですよ」
そうですよね…
で。
勧められるままに契約しました。
これでよかったんだ、
必要なことなんだ、と。
で、
保険屋さんとのやりとりを
帰宅後ざっくりと家主に報告。
すると
「源泉徴収された分は確定申告で還付される場合があるよ」と言うのです。
私の出した結論は
「年金保険は当時の契約のまま受け取ります」
保険会社に連絡を入れて
クーリングオフで加入した保険を取り消しに。
３０年以上、無事に毎月支払い続けられた自分へのお祝いとして
源泉徴収されてでも
それはそのまま受け取りたい、と
思ったのがその理由です。
年金を受け取ってみてから、
その年金のお金から
医療や通院や介護や認知症へ備えたい気持ちになったら
その時に契約します、とお返事しました。
その時にはもう
保険に入れないような状態に自分がなってるかもしれませんが、
それは仕方がありませんね。
豪遊できるほどの年金額ではありませんが、
自分の心を満たすことに充てて
ストレス軽減に役立てたいな、と。
こころとカラダを健康に保つためにも
お金が要りますからね(≧∀≦)
