展開のコツを掴むために私がよくするのは、好きな作品を選び、タイトルから自分なりに展開を膨らませてみることです。
真っ白なところから物語を考えようとするのは大変ですよね。まるで、作る料理名も材料もまったく決まっていないところから、「さあ、料理を作って」と言われると、途方に暮れてしまいそうです。
料理名や材料が決まっていたほうが、物語を作るのにずっと近道を通れる気がします。
私が好んで参考にするのは、好きな作家さんの作品を選び、まずはそのタイトルをもとに、パソコンの画面に新しいワードのファイルを作っていきます。そこから自分なりのイメージをふくらませ、まったく違うお話を考えていきます。
もとのお話を覚えていてもいなくても、これがなかなかいいかんじで、想像以上に話がふくらみます。それはカレーを作ろうとして、肉じゃがができてしまうほど、全然違うものができあがります。
あとは、想像だけがふくらみすぎた場合、まとめ方が難しいので、そういう場合はショートショートなどを読み漁り、ハラハラする展開、結末の山場作りを学びます。
ラストの展開は難しいので、まっすぐ突き進むだけでなく、ときにはゴールを先に決めて、逆から発想することもあります。
展開のコツを掴むには、同じタイトルから何通りもストーリーを考えてみたり、結末から逆行したり、一見ムダと思えることをすべて試してみるのもいいのでしょうか。
苦労して登りついた山の頂上からの景色は、ラクをして登ったり、偶然行き着いた景色より、きっと何億倍も爽快な気分にさせてくれるはずです。