This Boy(こいつ)
初の全米No.1ヒットシングル盤「I want to hold your hand:抱きしめたい」のB面を飾り(といっても米国盤では「I saw her standing there」に差し替えられちゃってたけどね)、初主演映画「A hard day's night:ビートルズがやってくるヤア!ヤア!ヤア!」内ではリンゴ・スターが川べりを一人ぶらつくシーンに(ビートルズじゃないオーケストラ版のインストゥルメンタルが)流れて「Ringo's Theme:リンゴのテーマ」と呼ばれた曲。
ジョン・レノンのビートルズ内での位置付けは「リーダー&リズム・ギター(&時々道化)担当」・・・ということで、彼の曲(特に初期~中期)にはリズム・パターンの秀逸さが際立つ曲が多い。ギター・リフのかっちょ良さ(だけ)がウリの「I feel fine」や「Day tripper」などもそうだが、ジョンが「ヘビメタの元祖」と呼ぶ「Ticket to ride:涙の乗車券」のギンギン・メタリックなリフレインも(録音版ではポールがリードギター担当)、初主演映画のジョージ用挿入歌「I'm happy just to dance with you:すてきなダンス」も、そして(ポールの曲だけど)「All my loving」でのリズムギターも、どれもこれも「おー!」と思わせるジョンらしい目立ち方でばっちりキメている・・・だが、そうしたリズムやビートのカッコ良さが決して主役にならずにメロディや歌唱の贅沢な脇役という位置付けにとどまっているところが、その他諸々の「リズム命」・「ビートこそ全て」のロックバンドとザ・ビートルズとの決定的な違い。
この「This boy」も、楽器部門ではとっても忙しいリズムギターが主役だけど、声楽部門ではジョンだけじゃなくポールとジョージとの三声合唱が聴く者を魅了し、デビュー当時のビートルズに単なる「ロックンロールバンド」以上の好意的評価をもたらした曲。男ばかり四人組のビートルズなのに、まるで女声コーラスグループのようなのは、彼らが好んでレパートリーに取り入れていた「シレルズ」あたりの黒人女性グループの持ち歌を完全に我がものとしていたからこそ。
メロディアスな中にもさみしげなムード(だって、歌詞そものがそうだから)のおかげで、特に日本では女性に人気がある曲だけど、ギター弾きにとってはそのリズムパターンがまた何とも言えずソソられる感じです;難しそうでいて、実はけっこうイケちゃうんだな、これが。「オール・マイ・ラヴィング」や「すてきなダンス」で弾き飛ばされた人は(含 この筆者)、やさしい「こいつ」に元気をもらいましょう。
初の全米No.1ヒットシングル盤「I want to hold your hand:抱きしめたい」のB面を飾り(といっても米国盤では「I saw her standing there」に差し替えられちゃってたけどね)、初主演映画「A hard day's night:ビートルズがやってくるヤア!ヤア!ヤア!」内ではリンゴ・スターが川べりを一人ぶらつくシーンに(ビートルズじゃないオーケストラ版のインストゥルメンタルが)流れて「Ringo's Theme:リンゴのテーマ」と呼ばれた曲。
ジョン・レノンのビートルズ内での位置付けは「リーダー&リズム・ギター(&時々道化)担当」・・・ということで、彼の曲(特に初期~中期)にはリズム・パターンの秀逸さが際立つ曲が多い。ギター・リフのかっちょ良さ(だけ)がウリの「I feel fine」や「Day tripper」などもそうだが、ジョンが「ヘビメタの元祖」と呼ぶ「Ticket to ride:涙の乗車券」のギンギン・メタリックなリフレインも(録音版ではポールがリードギター担当)、初主演映画のジョージ用挿入歌「I'm happy just to dance with you:すてきなダンス」も、そして(ポールの曲だけど)「All my loving」でのリズムギターも、どれもこれも「おー!」と思わせるジョンらしい目立ち方でばっちりキメている・・・だが、そうしたリズムやビートのカッコ良さが決して主役にならずにメロディや歌唱の贅沢な脇役という位置付けにとどまっているところが、その他諸々の「リズム命」・「ビートこそ全て」のロックバンドとザ・ビートルズとの決定的な違い。
この「This boy」も、楽器部門ではとっても忙しいリズムギターが主役だけど、声楽部門ではジョンだけじゃなくポールとジョージとの三声合唱が聴く者を魅了し、デビュー当時のビートルズに単なる「ロックンロールバンド」以上の好意的評価をもたらした曲。男ばかり四人組のビートルズなのに、まるで女声コーラスグループのようなのは、彼らが好んでレパートリーに取り入れていた「シレルズ」あたりの黒人女性グループの持ち歌を完全に我がものとしていたからこそ。
メロディアスな中にもさみしげなムード(だって、歌詞そものがそうだから)のおかげで、特に日本では女性に人気がある曲だけど、ギター弾きにとってはそのリズムパターンがまた何とも言えずソソられる感じです;難しそうでいて、実はけっこうイケちゃうんだな、これが。「オール・マイ・ラヴィング」や「すてきなダンス」で弾き飛ばされた人は(含 この筆者)、やさしい「こいつ」に元気をもらいましょう。