The Diary of Ka2104-2

第7最終回マルクス「資本論」ー 石川勝敏 

原著:Karl Marx(カール・マルクス)によるDas Kapital(資本論)

採用テキスト:2021年12月号「カール・マルクス/資本論」斎藤幸平著

「」書きはテキストからの引用です。

「技術発展の結果、多くの労働は、無内容で無意味、要するに、つまらないものになっています。誰でもできるような仕事を私たちはクビにならないように必死に、文句も言わず真面目にやっている。しかも低賃金で。積み上がっていくのは、銀行の残高ではなく、将来の不安ばかりです」「こうして、資本主義は膨大な『富』をもたらしたようにみえるけれど、私たちの欲求や感性はやせ細って、貧しいものになっています。二十代半ばの若きマルクスは」大層な怒りを込めて、「これを『疎外』と呼びました」こんにち同年代の若い世代を中心に、「グローバル資本主義に対抗すべく、ローカルなコミュニティや地方自治体が、グローバルにつながり始めている、これは何を意味するのか、近年の経済格差、気候変動、そこに重なった今回のパンデミックの中、資本主義は、そろそろ限界かもしれない」と感じだしている人々が他の世代も併せて確実に増えており、「これからも、これまで通り経済成長と技術革新を続けていけば、いつかはみんなが豊かになるというトリクル・ダウンの神話は、もはや説得力を失っています」すなわち私もあなたも電車の中で見かける生地と仕立ての高そうなスーツを着ているホワイトカラー労働者もみんな倦んでいるのです。我々の住んでいるこの地球上の空気は淀んでおり、財布の外見はともかくその中身は見た目ほど潤んでおらず、我々はかくしてそれが何ゆえにか分からぬまま渇しておるのです。

上述のパラグラフは、『疎外』に関する話の始まりとテキスト著者のあとがきの言葉をつなげたものに、私の言葉をつらねたものですが、その間、テキスト第3回から第4最終回までのP68~P129を実に60ページほども省いております。

このテキストの著者、斎藤幸平氏は、この間も、その理論を論理的に展開なされ、説得力をもって私たちに迫ってくるのですが、読み手にしてみれば、なんらかの魅力でもって私たちを釘付けにする訳では、残念ながら、御座いません。ここで私は筆を置かさせて頂くと同時に、斎藤幸平氏には最大限の賛辞を捧げその御苦労へのねぎらいの言葉を述べさせて頂き、これまで私の分を読み続けて頂いた読者の方には、そのテキスト或いはマルクスの「資本論」そのものを買われんことを強くおすすめします。与謝野晶子訳「源氏物語」のその2がつまらなかっただけで、その3までしか読まなかった私は、昔、「源氏物語はクラシック中のクラシックであるけれど、その限りを出てはいない」とネットにアップしたものです。ですので、そんな私による語りを待つでなしに、自ら本を手中にして下さい。又、今般のプーチンロシアによるウクライナ侵略戦争の戦況を見聞きするに鑑み、私の軍備や非核三原則や日米安全保障などに関する考え方の、その定点を揺り動かされ、私は振り子の大きな振れ幅で一種のカオスに陥って御座います。考え方が自由であるが故のカオスで御座います。

「NHKテキスト100分de名著2021年12月/カール・マルクス資本論/ISBN978ー4ー14ー223134ー8」税込み600円

ISBNは流通番号ですので、それを頼りにすると確かです。


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