詩「男と女と男と」 作:石川勝敏
磁器のカップに氷を入れて
ホットカプチーノを上から注ぐ
テーブルに持って行ったら
カチッと氷が音を立てた
座ってる僕は頭を 抱え込んでしまった
あなたが彼を見る目つきが違う
彼女が言い放った言葉が 頭に響く
何を言うんだ 僕はゲイなんかじゃないぞ
なぜ僕はそう返せなかったか
君という女が唯一の恋人で
他は誰も眼中にはないぞ
代わりに僕は彼女にそう言った
あなたは違う 最近何かしらおかしい
彼女はそう言って きびすを返し 立ち去った
ベッドに座り込んでいた僕は 背中をベッドにもたせかけた
それにしてもよく寝たな そのせいか頭がどんよりする
起きてから寄ったビュッフェランチを終えて
作ったカプチーノを のぞき込んでみると
なんだろう微笑んでいる様に見えた
お前は僕をわらっているのか
それとも頼りにしていいのか
ひと口すすると 苦みのあとに
朝 部屋に差し込むような 甘さが広がった
物憂い時に 心地良い
昨晩は彼女とは寝ずに それっきりだった
急に喉が渇いてきた
僕はそれをグイグイ飲み干した
何かが待っているような気がして