能登半島地震の直後に気象庁が発表した基準地震動は2800ガルだった。日本のほとんどの原発立地地域で設定されている基準地震動は1000ガル未満だから、能登半島にある志賀原発はかなり危険状態にあった。幸い稼働停止中だったことでなんとかメルトダウンだけは免れた。しかし極めて危険な状態にあったことには変わりない。
さて、女川原発。
東日本大震災時の地震の振動による外部電源破壊という教訓を得て、東北電力は2014年、それまでの基準地震動680ガルを1000ガルに引き上げた。
当初は、志賀原発のずさんな避難計画を目の当たりにして女川第2原発の再稼働を延期したと思ったが、どうやら志賀原発が2800ガルもの基準地震動に襲われたことが理由らしい。もちろん東北電力はケーブルの被覆工事の遅れとしか説明していない。しかし、ケーブル工事の遅れぐらいで原子力規制委員会が突然、査察に入るわけがない。
半島ならではの避難の困難さと2800ガルがその理由だろう。
しかも、女川第2原発は福島原発と同じ揺れに脆弱な沸騰水型の原発である。激しい揺れで原子炉が数ミリ傾いただけで原子炉を停止させる制御棒が入らなくなる危険がある原発である。
おそらく、さすがの原子力規制委員会も女川第2原発の再稼働は半永久に認めないだろう。正確に言うと一旦は認めた再稼働を白紙に戻すということだ。
地震大国ニッポンと原発。
福島原発事故を忘れた自民党政権と守銭奴の経団連を信じてはいけない。
女川第2原発は極めて危険なのだ。もしも、女川原発が2800ガルの揺れでメルトダウンを起こしたら、再稼働を決めた東北電力の現経営陣と原子力規制委員会委員は犯罪者として罰せられる。