認知症防止になると勘違いしていないだろうか?
逆である。
脳トレこそ、認知症を早める原因になっている。ここで言う認知症とはアルツハイマー病やレビー小体型以外の脳の衰えなどから来る認知症のこと。
今はやりの脳トレ。
クイズやトンチ形式の問題やパネルの貼り合わせなどで脳をトレーニングするといういかがわしいものだ。
その手の番組や本、電子機器ソフトが売れているようだが、まったく効果がないことを今年、アメリカのアラバマ大学やカナダのウエストン大学の研究チームなどが次々に発表した。さらに日本の老人医療の権威でもある和田秀樹博士も脳トレを否定している。
そりゃあそうだろう。
高齢者たちが脳トレのテレビ番組を必死に見たり、本や電子機器に眼を近づけてパズルを解いたりして一喜一憂している様子を想像しても、いかに精神をスポイルしているか誰でもわかる。
認知症予防のために脳トレしなければいけないと思うことこそ認知症どころか、うつ病の原因になるということ。
「○○しなければならない」という頑ななこだわりは万病の素でもある。
脳トレで脳は鍛えられない。酷使するだけである。意味のない運動を続けて疲労骨折するのと同じ。
認知症になりにくい脳にするには、脳に感動という刺激を与えることである。
美術館でいい絵にめぐりあった。
何気なく手にした本に生きるチカラを与えられた。
街を歩いていたら、大きなビルに夕陽が隠れる瞬間が美しかった。
中学校の前を通った時、子どもたちの合唱に昔の自分の幼な日々を思い出し泣けて来た。
庭の小さな畑に植えた大根の芽がやっと出た。
買っておいた株が急騰した。
30分連続して歩いたが疲れなかった。
夫婦一緒に作った手づくり料理が美味しかったなどなど、感動はその受け入れる心があればどこにもある。脳トレソフトや脳トレ本に下手に夢中になっている人以外は誰にでもある。
「今、脳トレやってて忙しいから夕食はチンでいいでしょう」は危険である。
さあ、脳トレ番組など見るのはやめよう。脳トレ本も脳トレソフトも家庭ごみに出そう!
脳トレ関連商品はすべて金儲けのためだけに発売されている。
億単位で稼ぎまくった大学教授やライターもいるだろう。(そもそも大学教授という肩書を信用してはいけない)
認知症にならないようにとやる脳トレは、幸せになるために壺を買う旧統一教会と同じ。
あなたの幸せは、
まず、すぐにいかがわしい脳トレから離れ、
本来のあなた自身を取り戻すことで実現する。
脳トレは金儲けの方便に過ぎない。