しかし、岸田政権になって、財務省を゙はじめ各省庁の官僚OBの関連団体への天下りへの規制が極めて緩くなった。
じゃ、農水省も!ということなのだろう。
もともと、農水省と文科省は天下り先が少ない省庁である。農水省にとって全農と中央競馬会はその数少ない天下り先であった。
米価の大幅引き上げは、全農への天下りに対する見返りでもある。
米価引き上げで農家が潤うのならいい。しかし、農業分野にも「中抜き」がある。全農や大手卸業者などである。米価が上がっても、その利得は個別農家には行かないのが現実だ。
ダイアモンド社がその経緯の一部を記事にしたが、マスメディアはまったくの沈黙。農水省が記者発表した、去年の不作とインバウンドの増加という根拠のない弁明をぬけぬけと報道し続けている。
棒読みの坂本農水相を追及することもない。
今年のコメ不足は、米価を引き上げるための農水省と全農の策略にほかならない。
だから備蓄米も出さないのだ。出したら米価が下がると坂本農水相も本音を棒読みした。
新米5キロで3000円。農水省と全農は今、ほくそ笑んでいる。
「してやったり!」と。
これからも、日本のコメの高値は続く。国が主食用のコメづくりから輸出用コメ、飼料米へと舵を切ったからだ。大阪では守銭奴たちのコメの先物市場もスタートした。
何が食糧安保である。
日本のコメは、大手商社、流通大手、全農、18万人の職員を抱える全国各地の農協による「投機的な戦略物資」になってしまった。現実に、国が補助金を付け、商社や全農などがシンガポール、香港、台湾、中国などに日本のコメを輸出している。
しかしコメの小売価格が上がっても、地道にコメを作り続けている農家だけは苦しんでいる。農協から高値の農薬や農業資材を買わされているからだ。
もう全農も農協もいらない!
全農と農協を廃止し、コメの利得が直接、農家に入るような農業政策に転化するとは、総裁候補者の誰も言わない。
数年後、日本にアメリカのコメがドンと入って来る。貧乏人はアメリカの安いコメを食え!ということである。
コメは小麦になった。