Three Views Of A Secret

季節はずれですが・・・

十五夜お月見さまといえば、お供えに「すすき」と「だんご」が定番ですが、うちの田舎では十五夜になると近所の子供達が泥棒と化すのです。
この日だけは、お供え物を盗んでもいいのです。もう子供心にはたまりません。夜になるとあちこちの子供達が、買物用のビニ-ル袋を片手に、近所を徘徊しだします。

家によって、お供え物が違うのはあたりまえで、前もって小学校で情報交換はきっちり済ませています。
そのため人気のある家は早いもの勝ちです。ちょっと遅れると縁側に置いてあるお供え物が減っています。
(月見泥棒にも礼儀があり、お供え物を全て持っていくのは失礼なので次に来る月見泥棒のために少し残しておきます)
あるいみ十五夜は子供達にとっての弱肉強食の世界です。

お供え物がすでにない場合(前の月見泥棒達がお供え物を持ち去った後)は、わざわざ家の中の人に声を掛けるのです。
そのときに家によって反応が違ってきます。
例えば
1:人気のある裕福な家はお供え物がなくなる度に奥からお菓子をどんどん補充するので、訪ねてきた子供たちに気前よく笑顔で配ります。
「さすが人気NO.1の家です!十五夜のオアシスと呼ばせてください!」

2:普通の家の場合は、その家のおかあさんが苦し紛れに”みかん”をくれます。ほとんどの家庭はこれになります。
そのために、どの子供もビニール袋は”みかん”や”りんご”などの果実でいっぱいです。
ビニール袋がすぐいっぱいになってしまうので、これから進入する家で、獲得できるかもしれないお菓子のスペースを考慮し、ここを遠慮する賢い子供も少なくないです。

3:はなからお供え物をだしていない家の場合は、声を掛けると、その家のおかあさんがでてきてこういうのです。「このお菓子は、うちのおにいちゃんと、おねえちゃんのおやつなのよね~」(嫌そうな顔で)
「・・・・・」(子供達は無言)
「ごめんね~」(作られた笑顔で)
そんな言われかたされた子供は、無言で帰ります。ここで大人の嫌らしさを味わうのです。

しかし、なかには十五夜でヒーローとなる子供も登場します。「怪盗21面相」や「ルパン三世」みたいに置手紙(カード)を準備していて、お供え物を盗んだあとの器に残して置いてくるのです。
あきらかに、盗られた家の人からみたら、かわいくない子供です。しかし、あとに進入した子供達がこの置手紙を見ると、もっとやってほしいと思ってしまうのです。

そろそろ、どの家にもお供え物がなくなってくると、このイベントも終わりを告げます。家路の途中でクラスメイトと戦利品の自慢しあいをします。もう、誇らしげです。

ただ、悲しいのは友人からの一言です。「お前の家のお供え物よかったぞ」

「・・・・・!」(食ってねえ~!!!)




そうなんです。この十五夜の落とし穴は、自分が2時間近く必死にお供え物を集めているときに、同じように我が家にも、違う月見泥棒が侵入しているのです。
しかも、うちの親は俺のおやつのお菓子まで配っていました。意味ねえ~!

しかし、毎年この日がちかずくとワクワクしていましたね。
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