光の勘違いから始まった変な関係は、私が中1と言うこともあり、交際までは発展しなかった。
ファーストキスとそれ以上をした事もあり、私は交際すると思っていたが、どうも光はそれ以上は進む気もない事に私は傷付いていた。
そんな時、部活の先輩N君と急接近する。
ヤンチャな先輩Nが部活終わりに自転車で家の近くまで送ってくれるようになった。
気持ちが傾き始めそうになった時に、明からNと付き合ってるんだよね。と報告された。
明は優が好きって言ってたから驚いたけど中学生ってそんな感じで気持ちが傾いちゃうよね。
私はNの送迎をキッパリ断り、1人で帰るようになった。
夏休みに入るちょっと前に、事件がおきた。
いつもの様に、部活帰り歩いていたら男の人が付いて来る。
ちょっと怖くなり、近くの商店に入りアイスを買う。
外を見ると誰も居ないので
勘違いかぁ〜と思いながら買い食いしたアイスを頬張りながら歩き出す。
商店を出て暫く経った頃、また人が付いて来る。
バッと振り返ると20代前半の男が立ってこちらを見ている。
私は足早に歩く、男の足音も早くなる。
急にゾッと怖くなりダッシュで走り出す。
心臓がバクバクになりながらも口に入れたままのアイスは零すまい。
そのまま家のドアまで全力疾走。
ドアに手をかけるとあと10歩の所まで男が立ってニヤニヤしてこちらを見ている。
ゾワッと全身の毛が逆立つ。
玄関のドアを開けて大声で
「お兄ちゃーーん、変な男の人に追いかけられてこわーい、ここまで付いてきてる」と叫んだ途端、バットを手に持ったお兄ちゃん2人が裸足で飛び出して男を追いかけて行った。
男が居なくなった事に安堵し玄関で泣きながらへたり込んだ。
母が心配して声をかけるが、怖さで涙が止まらず。
変質者に遭遇した事で部活を辞めるように父にお叱りを受け退部した。
部活を辞めたら途端にやる事がなくなり、ヒマを持て余す。
ヒマなので、光の家へ遊びに行ったり、幼なじみの家へ頻繁に出入りする様になった。
幼なじみのMはヤンキーで学校には滅多に行かない、夜は飲みに出かける事が多かった。
Mが居ない時は、Mのお兄ちゃんY兄がよく話し相手になってくれた。
Y兄は見た目はヤンキーだが、家族想いで弟や妹を養う為に、中卒で仕事をし家族の生活を支えていた。
そんな優しいY兄は、子供の時から大好きだった。Y兄には、学校の事、光の事も含め全てを話して相談に乗ってもらっていた。
Y兄と会う時間が増え、光とは会う頻度も少なくなり、たまに電話するくらいになっていった。
出会って半年が経った頃、ふと光に会いに行った。
光から遅くなったけどと誕生日プレゼントでお揃いの金のブレスレットを貰った。
その日から付き合い始めるが、会う回数が増えていく度に束縛が始まる。
身体の関係ができると更に束縛が増す。
嫌な所ばかりが目に付くが、目を瞑り見ないフリをする。
中2の夏休み、些細な事でケンカになった。
私も頭に血が上って部屋から出ていこうとした時、強く腕を引っ張られて気付いたら壁に押され首を絞められて足が床から離れていた。
ヤバいなコイツ。と思い始めた時には遅く、一度手が出始めたらもう止まらない。
気に触る事があれば手が出る。
合意なく身体も求められる。
もう暴力されても良いやって諦めた頃に体調がおかしくなった。
中2で自律神経失調症、遺書を残して行方不明の自殺未遂で緊急補導。
光は私を軟禁したと家宅捜索、任意同行も取り調べ、保護観察処分となった。
これを機にDVは無くなったが、私が逃げれない様にと合意なく子作りされていました。
何度も別れたいと切り出しましたが、別れられずやっとの思いで高1で別れる事ができました。
別れる時に言った言葉がクソすぎて今でも忘れられない。
「最後にヤラせて。」
無視すると
「今まで何回も中で出したけどお前は妊娠しなかった。一生子どもが出来ないんだよ」
と。
この言葉を言われた後はタクシーの中で泣きました。
タクシーのおじさんがめっちゃ心配してくれて迷惑かけちゃった。
ずっと相談に乗ってくれてたY兄に別れた事を報告すると
「無駄な出会いや経験は何もないんだよ。
出会いや経験があったからこそ、せおの成長となり一部となっていくのだから光との時間を無駄だったと思うなよ」
と慰めてくれました。
お前には子どもが出来ないって言われた事で泣いていたら
「もし子どもが出来なくて結婚出来なかったらその時はオレが嫁に貰うから心配するな」
と慰めてくれました。優し過ぎる。
私が授かり婚した時は、笑って祝ってくれました。私が実家に帰ってる時は、子どもが大好きなY兄はうちの子を抱っこして遊んでくれてました。
Y兄にも素敵な出会いがありますように。